とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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帰ってきた生活



戦争が終わってしばらくたった。

この日、上条当麻と土御門元春は久しぶりの学校への登校になる。
上条は戦争の怪我が原因でお馴染みの病院に入院し、本当はもう少し早く退院できたのだが
カエル顔の医者が
「君ってやっぱりナース属性?」
と意味のわからない事を発して特別(?)に一週間入院生活の延長を余儀なくされた。
一方の土御門は戦争の処理などが縦続きにあったので学園都市に戻ってきたのが上条が
退院した日。クラスメートに何も言わず二人揃って学校に来なくなったのでみんなに
何を言われるか恐ろしかった。土御門はそんなことは心配してないが。

二人揃って教室のドアを開けると見慣れた連中がいた。
クラスの何人かは一斉にドアのほうを振り向き、上条と土御門だとわかった途端、

「なあんだ、上条と土御門かよ・・・」と別にどうでもいいような声が四方から聞こえた。

「くそ、久しぶりのご対面だってのにこのリアクションかよ。冷たいにも程があるぞ」
「俺はどうでもいいんだがほれカミやん、そんなことはないみたいぜよ」

教室の隅を見ると上条の机の周りには女子が何人かいて、一人が座り、その後にまた
一人が座るのを繰り返していた。その中には姫神の姿もあった。

「あいつら何やってんだ?」
「気付かないカミやんには絶対教えてあげないぜよ。とにかく寂しかったヤツもいたって事だぜい」

上条と土御門の存在に気付いた女子達は慌てて自分の席に戻り、「上条くん、久しぶり」
と懸命なアピールをしてきたが鈍感大王の上条なのでわかるわけがない。

「げっ・・・なんだこれ・・・」
自分の席に着くと同時に上条は呟いた。
自分の机に花が飾ってあった。小さな花瓶に菊が一本入れられた物がぽつんと置いてあった。
死人扱いされていたと察し、先程の薄い反応は何だったのかと上条はふつふつと怒りが
こみ上げて来た。

「お前ら!!勝手に俺を死人扱いするんじゃねえ!!上条さんが可哀相すぎるだろ!!」
「カミやん、何日も休んでたからご愛敬ってヤツやで。それくらいわかってくれ」
「青髪!さてはお前の仕業だな!」
「んなことありまへん。ワシはデルタフォースの二人が急に学校来なくなってしもうてから
ずっと一人で寂しかったんやで~。クラスのみんなからは無視されるし、小さいお友達も
全く相手にしてくれへんかったんや!」
「最後のほう凄く気になるんですが・・・」
「とは言っても久しぶりの学校は落ち着くにゃ~。小萌先生の補習があるのは覚悟しとかないと
いけないぜよカミやん」
「カミやん、土御門クン!ワシは二人だけで小萌先生の補習を受けられるのが気にくわなかった
から三人で受ける事になったで」
「学校に来ていた人間がどうして補習を受けるハメになってんだ?」
「決まっているやないか!小萌先生に怒られて、絶対一日で終わらせる事ができないくらいの
宿題の山、もちろん宿題なんかには手をつけず翌日再び小萌先生から怒られる。
それをずっと繰り返しを続けていたんや」
「青髪の将来より今が不安だよ・・・」


「はーいみなさん、朝のホームルーム始めますよー!」
チャイムが鳴って入ってきたのは担任のどこからどう見ても小学生の月詠小萌先生。
小萌は上条と土御門を見るや否や、

「補習は覚悟していてくださいよバカ野郎共」と吐き捨て淡々と連絡事項を話し始めた。
どうやら何日も無断欠席して相当お怒りのようだ。眠くなるような朝のホームルーム。
上条はここでやっと学園都市に戻って来れたんだと思い感動に浸っていた。

「以上でホームルームは終わりますがみなさん何かありますかー?」
小萌の呼びかけに普段は誰も手を挙げずこれから一限目の準備をする所だ。
だがここで一人の生徒が動いた。

「はいは~い!俺からみんなに伝えたい事があるぜよ」
挙手して声をあげたのは上条の隣の席の土御門。

「どうしましたか土御門ちゃん」

「みんな、スパっと言うから驚くタイミングを失うなぜよ」
「もったいぶらないでさっさと言え。授業が始まるだろ!」
吹寄が声を荒げてこちらを睨みつけてきた。これ以上溜めると土御門に「おでこDX」が炸裂
すると誰もが思っていた。
上条は土御門の事だからみんなでどこか遊びに行こうとでも言うんだろと考えていたが
上条ですら予想できなかった事を土御門は言い放った。


「カミやんに彼女ができたにゃ~」
「はっ?????」

教室は一瞬にして暴徒と化した。

         ☆

御坂美琴は上条を追うため無断でロシアに渡り、学園都市に戻った後には厳しいお仕置きが
待っていた。帰国後すぐに寮監に呼び出され、

「御坂、お前は重大な過ちを犯した事がわかるか?」
「・・・・・・・・・・・・はい」
「何日も無断外泊するとは常盤台のお手本になるお前がそんな事をしよって。白井に
問い詰めても知らないの一点張りだった。本当に知らなかったみたいだがな。規則を
破った人間には厳しい罰が待っているのはお前も知っているだろう?」
「・・・・・・・・・・・・はい」

どうやら表では美琴がロシアに行っていた事は知られておらず、ただ無断外泊したという
事として済まされていた。そうじゃなかったら今頃どこに拘束されているのかわからない
だろうと美琴自信も思ったのでここは上手く話を合わせる事にした。寮の罰は美琴から
すればなんてことない、一ヶ月間土日にあすなろ園にボランティアに行くとの事だった。
平日は時間が作れるので好きな事ができる。なので美琴は「あの馬鹿」を探しに行こうと
していたのだが白井のストーキングによってそれはできなかった。


そんな日々が続きある日のこと、上条が久しぶりに学校へ行った日の放課後、久しぶりに
白井と初春と佐天と遊ぶことができた。
誘って来たのは初春と佐天。二人といつものファミレスで待ち合わせして合流した。

「御坂さん、急にいなくなるなんてひどいですよ~。御坂さんが見つからない間白井さんの
様子なんかもうひどかったんですからね!」
「ごめんなさい・・・どうりで黒子はあんな行動をとる訳だ」
「ところで御坂さん、一体どこに行ってたんです?」
「えっ?別にどこにも・・・黒子が寝込みを襲って来るからそれが鬱陶しくてしばらくぶら~っと」
「お姉様・・・・」
「いや!違いますね!!」

珍しく初春がはきはきとした口調で美琴に口撃した。

「先日の戦争はロシアが中心になりましたね。みなさんもテレビで知っているハズです。
風紀委員として色々調べたのですが一つみなさんが食いつくネタが・・・」

ノートパソコンを取り出してカタカタとキーボードを打ち込み、しばらくしてディスプレイを
みんなが見えるように移動させた。
初春が見せたのは荒れ果てた地が写された一枚の写真だった。恐らく上空から撮られたものだ。
「初春、これがどうしたの?」
「待ってくださいね。ここをズームしてっと」
画面をクリックして拡大すると一人の少女が立っていた。カエルのデザインが施された
携帯電話を耳に当てて不機嫌な顔をしているのがはっきりしていた。

「ええ!!これ御坂さん!?」
「お姉様ですわよね・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」

やばい。美琴は即座に感づいた。初春が知っているということは学園都市にいる人全員が
知っているかもしれない。自分が戦争の中にいたことが。
美琴の顔が急に青ざめ汗をかいているのがわかった。

「御坂さん、どうして御坂さんがロシアにいたかは聞きませんよ。恐らく戦争が終わったのも
御坂さんの力があったんだと思ってます。警備員に協力して尋問している訳ではないです
から安心してください」

初春はいつもの口調で優しく美琴に返した。
「初春さん・・・・」
「御坂さんが写っている画像は色々大変な事になりそうかと思って全て削除しました。
多分御坂さんがロシアにいたという証拠は私が消しきれたハズです。大丈夫、御坂さんに
何か起こる事なんかありません!」
「・・・・・・・・ありがとう」
「いえいえ、でのこれは私達だけの秘密ですよ?佐天さんも白井さんもわかりましたか?」
「「・・・・・・・了解(ですの)」」

「さてさて、この話はここまでにして・・・」

珍しく初春が会話を支配している事に3人は驚きだったが美琴の暗い空気を払拭するには
充分な気の使いようだった。
だが

「実はもう一枚写真あるんです。ちなみに御坂さんが写っていた写真は消しましたが私の
パソコンにはまだ残してあるんです。こっちがメインですけどね~」
初春は違う写真を見せて来た。


全身ボロボロになったツンツン頭の少年に大泣きしながら抱きついている美琴が写されていた。

「御坂さん、この男性はどなたですか?」
この瞬間美琴の反応より白井の反応を見たほうがよくわかった。


「あんの類人猿めがあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!」

         ☆

「どういう事か教えてもらおう上条当麻!!」
「カミやん!彼女ができたなんて嘘だよな?せやろ?そうと言って~!」
「え~と、教えるし嘘でもありません。土御門の言うとおりでございます・・・」

上条の言葉を聞いた瞬間、クラスの女子(吹寄以外)は顔を塞いで泣いてしまい、
男子は土御門以外ワナワナと顔を怒りの表情に変えていた。

「やっぱりどこまで行ってもカミやんは不幸だにゃー」
クラス全員に怒りの目で睨みつけられている上条を見てケタケタと土御門は笑った。

「何でここで言うんだよ!!そもそも何故お前が知っている!?」
「前に言わなかったかにゃ?俺はカミやんの事なら何でも知っているぜよ」
「まあ、お前も戦争に関与していたからな・・・」
顔を近づけて周りに聞こえないように話していたが、

「ここまで言ったのなら聞こう。相手は誰だ!」
クラスで唯一冷静でいる吹寄が一番のポイントを聞いてきた。

「カミやん、もう全て吐いてしまえにゃ~」
「相手は・・・・・・・・御坂美琴です。常盤台の・・・・」
「御坂美琴?まさか上条・・・レベル5の?」
「・・・・・・・・・・・・はい」
「超電磁砲?」
「・・・・・・・・・・・・はい」


「ブチ殺し確定!!!!!!!!!!!!!!!!」


クラスメイト全員が上条に飛びかかった。


「ちょっと!少しでも祝福する気持ちはないのかお前ら!!」
「貴様に祝福する気持ちなど一切ない!!今まで色んな女を弄びやがって、許せん上条当麻!!」
「そうよ!色んな女の子をその気にさせといて自分はスルー!?そして結局はお嬢様と
付き合うなんて神経がどうにかしてるわよ!!」
「ちょっと待て!君は誰だ!」
「クラスメートよ!!ふん!私なんて所詮その程度の人間だったのね!全世界の女性に謝れ!!」
「カミやん!ワシはカミやんのフラグ体質が羨ましいと思っていたがそれは間違いやった!
女を敵に回すと怖いという事がカミやんでよくわかったで!!」
「とか言いながらその凶器は何ですか!!それで殴ったら上条さんひとたまりもありませんよ!?」
「上条くん」
「姫神!?頼む助けてくれ!!」
「この魔法のステッキでお仕置きを・・・」
「・・・・ふ」

「死ねえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!!」
「不幸だ――――――!!!!!!!!」

         ☆

抱きついた写真を初春に見せられた美琴はあうあうと言葉を返す余裕が全くない状態に
なっていた。初春と佐天はニヤニヤしながら美琴の反応を楽しんでいたが白井だけは

「類人猿、類人猿めぇぇぇぇ」

と唸っていた。この状況が数分続き痺れを切らした初春が淡々と憶測を話し出した。

「これはあくまでも推測ですが最初の写真、御坂さんは電話をかけていますね。でも相手が
電話に出ないからこんなイライラした顔をしています。ロシアで電話をかけるとしたら
現地にいる人としか思えません。そして泣きながらこの男性に抱きついている写真、きっと
連絡がつかなくてやっと会えた方でしょう。恐らく電話をかけた相手はこの方ですね。
わざわざロシアまで探しに行ってこの男性がボロボロになっていて、どこか感情の抑えが
効かなくなりついこんな行動をしてしまった。恐らく御坂さんの意中の人・・・・
どうですか御坂さん?私の推理は!」
「・・・・・・・・・うぅ」

全くもってその通りだった。しかしこんな恥ずかしい写真を誰が撮ったのか検討もつかなかったし
美琴がロシアにいた事もバレバレだった。
でも学園都市の上層部は妹達の事を知っている。もしかして風紀委員の初春と白井は
戦争に関わっていた妹達を知っているかもしれない。何故か美琴の脳はこのように解釈
してシラを切ろうとした。

「知らないなぁ・・・私はそんなヤツとロシアで会ってないし」
「ふふふ、御坂さん。もうネタは全部上がっているんです。上条当麻さんでしたっけ?この人の名前」
「ふにゃ!!何故アイツの名前を!」
「白井さん、今日の初春凄い黒いですが・・・」
「あの状態の初春は誰にも止められませんの。お姉様も腹を割って全て白状するべきですわ」
「さて、写真の他にもこんな物まであったんです。ちょっと待ってくださいね」

初春は再びパソコンを操作し、今度は先程よりも早く作業が終わった。
「これでよし。再生です!!」
「「「再生!?」」」
初春が次に出したのは何かの音声。しかしこれで全員絶句することになった。

『やっっっっっと見つけた!!』
『御坂!?何でお前がここに!?』
『・・・・ぐす、ひぐ・・・』
『おい、御坂?どうしたんだ?』
『うわあぁん!!!もうアンタが死んでるかと思った。ホントによかった・・・』
『え?御坂さん何故ここで抱きつくんですか?』
『好きな男の命を心配して目の前で確認できて安心したから。これが理由じゃダメ?』
『んな!好きだと!?』
『好きになるなんて人の勝手じゃん。先に言っておくけど、絶対離さないから』
『この腕は離してもらいたいんですが・・・周りのみんな見てるし上条さんは恥ずかしいです』
『今まで私はずっと我慢していたのよ。離す訳ないじゃない』
『・・・無理だ』
『無理って何よ!!私の事嫌いなの?いつも電撃飛ばすから?お願い嫌いにはならないで!!』
『違う、自分の感情をセーブするのは無理って意味だ。こんな抱きつかれちゃ、セーブ
なんてできねえよ』
『それって・・・私の事・・・』
『ああ、御坂が嫌じゃないなら俺は御坂と一緒にいるよ。言っておくけど俺は離さないぞ?』
『学園都市に戻ったら真っ先に私と会うんだからね?』
『そうか・・・御坂よりも・・・カエル医者に・・先に会いそうだ・・・・』
『ちょっと!アンタ!!しっかりして!!起きなさい!』

「・・・・・何これ!!!!最後の何?どうなったの?音だけじゃわかんないよ初春!」
「多分上条さんは怪我がひどくて倒れたと思います。御坂さんと抱き合った状態で・・・」
「きいいいいいい!!!!お姉様が自らあの類人猿と抱擁を!!」
「あうあう・・・」
「また推理するとやっと思い人に会えてしかもその時相手は怪我でボロボロ。御坂さんは
それを見てどこか緊張の糸が切れてしまい泣きながら抱きついた。この会話を聞く限り
どうみてもお互い告白してます。どうですか御坂さん?」
「う~・・・」
「御坂さん!隠す必要ないじゃないですか!彼も無事だったしそれで二人は結ばれて
ハッピーエンドなのに!!白井さんはともかく私と初春にだけは教えてくれても!」
「それはどういう事ですの佐天さん?」
「それは自分の胸に聞いてみてください。いや~学園都市最強のカップル誕生ですか~」

佐天のカップルという単語に美琴はビクっと反応してしばし俯いた。逃げようにも座って
いる場所が奥で隣に白井がいるのでなおさらだった。隣にだれがいようとも変わらないのだが。

「御坂さん、学園都市に戻ってから上条さんに会いましたか?」
「・・・・知らない」
「じゃあ今連絡しましょうよ!電話でもメールでもどっちでもいいですから」

珍しく美琴は素直に話を聞いて携帯を開き、電話をかけたが20コールしても出ないので
諦めて呼び出しを切った。悲しそうな顔をしていたので誰もが理解した。

「出ないですか・・・ならメール送りましょう!」
「え!無理無理!それに何て送ればいいかわかんないし」
「大丈夫!何なら私がメール送ってやりますから。携帯貸してください!」
「あっ!ちょっと!!」
佐天は奪うように美琴の携帯を手に取った。
佐天の隣に座っていた初春は佐天が操作している画面を見るとニヤっとした。その不適な
笑みを見て不安になった美琴は慌てて携帯を奪い返そうとしたが初春がそれを防いだ。

「ちょっと!やっぱり返して!」
「心配しないでください。変な内容じゃないですから」

佐天から携帯を守った初春は美琴の思考を停止させる事を思いついた。

「御坂さんは上条さんのどこが好きなんですか?」
「・・・・・」
「あはは、御坂さん顔赤~い」
「な、何よ!からかわないで!」
「いやいや御坂さん上条さんの事考えるだけでこんなになっちゃうなんて・・・これは
上条さんもメロメロになるでしょうね~」
「アイツが・・・・私に・・・メロメロ・・・」
「そうです!その子猫みたいなウルウルした瞳で見つめられたら一発KOです!正直私も
やばいですよ」
「初春、何下品な事を・・・」
「嘘だと思うなら白井さんも今の御坂さんを見てください」
「いくらお姉様でも・・・ぬぐぉ!!おねえだばあああああ!!!」

「よし!このくらいでOKだよ初春」
突然美琴の携帯を持っていた佐天が声を出し、美琴には全くわからなかった。一体何がOK
なんだろうと。

「これで送信・・・と。送信完了!」
「なんて送ったの!?」
「今悶えていた御坂さんをムービーに撮ってそれを上条さんに送ったんです」
「もう・・・・・・ひどい・・・・ふにゃ」

         ☆

その頃クラスメイトからの尋問と拷問を受けきった上条はとぼとぼと寮に帰っていた。
今日学校で起きた事といえば

御坂美琴と付き合い始めたとクラスメイトにバラされ散々追い回された
授業中窓側の一番後ろの席なのにあちこちから消しゴムのカスが飛ばされてきた
体育では巨乳教師から「今まで学校サボってたからその分グラウンド走れじゃん」と
みんながサッカーをしている間ずっと走らされた。何故か土御門はいなかった
昼休みは購買部に走り込んだが既におにぎりすら完売していて食事にありつけなかった
自習時間には授業そっちのけでクラスメイトから尋問を受けた

気持ちが落ち込んでいるのは言うまでもない。この気持ちをどうにかして何かにぶつけたい、
忘れたいと考え、即座に思いついたのが美琴と会うこと。付き合い始めたなら気にせずに
会えるから連絡してみようと思い、携帯を開いた。
着信1件、メール1件と表示されており、相手は美琴だった。それを見て上条は嬉しくなった。
そしてメールを見たのだが

「何だこれ・・・」

ムービーが貼り付けられており動画の中は周りが美琴にギャーギャー話しかけており、
美琴は終始顔を真っ赤にして困ったような様子だった。

「まあ電話くれてたしかけ直すか・・・」
得に気にしない。何故なら上条当麻だから。上条はリダイヤルでカーソルを美琴に合わせ、
美琴に発信した。



「わっ!御坂さん今になって上条さんから電話が来ましたよ」
まだ美琴の携帯を手に持っていた佐天はバイブレータに驚きたまらず声をあげた。
普通ならそのまま美琴に渡すのだが何を考えたのか、慌てていた事もあって勝手に出てしまった。

「も、もしもし!!」
「ちょっ!佐天さん返してよ!」
当然美琴は携帯を奪おうと行動するが佐天は逃げて携帯の難を逃れた。佐天もこんな事
するつもりではなかったのだが本能で動いたと言った方がいいのかもしれない。

『え~っと、御坂じゃないですよね?』
電話越しから上条が質問した。当然のことだろう。

「は、はい!私御坂さんの友人やらせてもらってます!佐天涙子といいます!みみ御坂さん
は目の前で顔を真っ赤にしてあうあう何か呟いてます!!」
『あうあう?どうかしたのか?』
「はい。一連の上条さんとの事を追求していたらこんなになっちゃって」
『あう・・・・』
「同じ反応しないでくださいよ!んで、上条さんはどんな用事で御坂さんに電話を?」
『話聞いてわかっているクセに変な事聞かないでください・・・これから会えるかと
思いまして・・・』
「あら、気が利かない質問してすみません。御坂さ~ん、これから上条さんがデートしたいって
言ってますよ~」
『あの、佐天さん。奥からバチバチ聞こえるのは気のせいでせうか?』
「気のせいではないです。御坂さんが凄い鳴らしてます」
『それ以上ひどく鳴らさないようにしてくれ。君たちの他の人までもが被害に会いかねないから』
「・・・・・・・・気をつけます」
『じゃあ御坂に公園で待ってると伝えてくれないか?』
「え~!上条さんがこっちに来てくれればいいのに~」
佐天の言葉に美琴は「私が行く~!!!!!」と大きい声で吠え、猛ダッシュでファミレスを出た。
どうやら美琴にはしっかり会話の内容が聞こえていたらしい。

「御坂さん飛び出して行きましたよ。どうやらよっぽど会いたかったみたいですね」
『それは嬉しい事なんですが、佐天さんが使っている携帯、御坂のだろ?』
「あっ・・・・・・・・・・・」
『はぁ、悪いが御坂を追いかけてくれないか?』
「すみません!!すぐ追いかけます!」
慌てて通話を切った佐天はニヤっと不適な笑みを浮かべて初春と白井に告げた。


「二人とも!さっきの写真や音声より面白い物が見れるわよ!」
上条の立場は相変わらずで、美琴には上条性質が加わったようだ。


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