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Phase of フェイト・テスタロッサ「桜の花の咲く頃に」

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プロローグ

フェイト

いろんな事があった『闇の書事件』。
事件の全てが終わりを告げてから、
もうすぐ一週間。
わたし、フェイト・テスタロッサは、
今まで通り、
リンディ提督のおうちでお世話になっています。

エイミィ

闇の書事件の事後処理も、
もうほとんど終わりだねぇ。

アルフ

そーだねえー。

クロノ

ただ、あれだけの大魔力を消し飛ばしたからな。
少なくとも年内いっぱいは警戒を続けないと。

フェイト

このままなんにもなく年が明けて、
観測チームに引き継げるといいんだけどね。

エイミィ

だよねー。
旅行行きたいもん。

リンディ

まあ、大丈夫よ、きっと。

クロノ

何かあっても、細かい案件なら、
僕とランディ達が残ればいい。
フェイトやエイミィ達の旅行は動かないさ。

フェイト

えー。クロノも一緒がいいよ。
せっかくの合同旅行なんだから。

エイミィ

ね。

アルフ

そーだよ。

リンディ

そういえば、あの子…
リインフォースは元気なのかしら?

アルフ

うん。
元気ではあるみたいだよ。

フェイト

さすがにまだ体調は戻らないみたいで…
はやてのうちで静養してます。

リンディ

そう。
はやてさんや騎士達が一緒なら、
回復もきっと早いわよね。

フェイト

はい。

リンディ

旅行、
はやてさん達も
一緒に行けたら良かったんだけどね。

クロノ

色々落ち着いたら、
レティ提督が
ミッドを案内してあげると仰っていましたよ。

リンディ

そう。
じゃあこっちはこっちで、ゆっくりしましょ。
ね、フェイトさん。

フェイト

はい、
リンディ提督。
(ほんとうに
色々な事があった、この一年だけど……
今はわたしもアルフも、平和で幸せ。
(母さんを亡くして、
ひとりぼっちになってしまった私を……)
(リンディ提督が家族として…
養子として迎え入れてくれる、
って話もいただいてて)
(まだ答えは出せてないけど……
一生懸命、考えてます)

クロノ

さて。
今日も食事の前に……。

フェイト

あ、練習!?
わたしもやる!

クロノ

ああ、観測のついでに少し遠出するんだが、
それでもいいか?

フェイト

うん、もちろん!

クロノ

よし…
じゃあフェイト、準備はいいか?

フェイト

ばっちり!

アルフ

ふたりとも、気をつけてなー。

フェイト

はあい。
それじゃあ。

フェイト

バルディッシュ・アサルト
セーーット・アーーップ!

バルディッシュ

Get set.
(バルディッシュ、セットアップ)

フェイト

うん!
今日も絶好調!
魔法の練習、がんばろう!

STAGE 1

クロノ

君も随分強くなってきているが、
年長者の意地として、僕もそうそう
感嘆に負けるわけにもいかないからな。

フェイト

わたしだって頑張るよ。
なのはやアルフとも、
ずっと練習してるんだから。

クロノ

まあ、まずは軽く一本だ。
始めるか?

フェイト

うん、お願いします!

(圧勝)

クロノ

な…、な……ッ

フェイト

やった!
やった……! クロノに完封勝ち!!
びっくり! すごい! 初体験ッ!!

クロノ

そ…そんなに喜ばれても困るな。
今のはなんだ、
その、たまたまだ。

フェイト

わかってるよ、そんなの。
偶然だとしても、嬉しいの~!
えへへ、やったぁ。

(勝利)

クロノ

とと……。しまった。
取られたか。

フェイト

うん!!
今日は調子いいかも!

クロノ

そうだな。
いい動きだった。

フェイト

うん!

(辛勝)

フェイト

あ……
危なかったぁ……。

クロノ

僕も若干、ヒヤっとはしたが……。
まあ、こんな所だ。

フェイト

でも、一本取れたのは嬉しいな♪

フェイト

じゃあクロノ、もう一回!

クロノ

待て待て、
ちょっと休憩させてくれ。
とりあえず、次は……。
(通信音)

エイミィ

クロノくん、
フェイトちゃん、いっしょにいる?

フェイト

エイミィ?

クロノ

一緒にいるぞ。
どうかしたか?

エイミィ

さっき、市内で結界が…
正体不明の結界が発生したの。
なのはちゃんとアルフが
調査に出てくれたんだけど、
通信が途切れがちで……。

フェイト

そんな……。

リンディ

それに、二人が今居る世界でも、
結界が現れてるの。

クロノ

わかった。
フェイト、手分けしよう。
僕はこちらの結界を確認しに。

フェイト

わたしは戻って、
なのはとアルフに合流する。
必要があれば助ける!

クロノ

そうだ。

リンディ

ふたりとも気をつけて。
何か、妙な感じよ。

フェイト

はいっ!

クロノ

はいっ!

STAGE 2

はやて(?)

フェイトちゃん……。

フェイト

え、はやて!?
どうしてこんなところに?

はやて(?)

ヴィータ達が、いないんよ……。
シグナムやシャマル、
ザフィーラも……。

フェイト

そんな!
まさか、リインフォースも?

はやて(?)

リインフォース?
それって、何……?

フェイト

!?
リインフォースだよ!
はやてが助けた、夜天の書の……。

はやて(?)

やてんのしょ……?
この子は闇の書や…
そんな名前とちゃう。
(通信音)

エイミィ

フェイトちゃん!
その子は、はやてちゃんじゃない!

フェイト

えッ!?

エイミィ

各地で結界を生み出してる犯人。
闇の書の残滓から再生した思念体!
闇の書に関わった人達の
記憶と願いを再生して、実体化させてるの!

はやて(?)

うちの子たちにひどい事して……
どっかやったんは、フェイトちゃんか?
そうだとしたら、
いくらフェイトちゃんでも、許せへん!

(圧勝)

はやて(?)

う……ああ……ッ

フェイト

あ、はやて!
大丈夫ッ!?

(勝利)

はやて(?)

く、う……ッ

フェイト

この魔力、
本物のはやてにそっくりだけど……。

(辛勝)

はやて(?)

ああ…ッ!

フェイト

いたた……。
この破壊力……。

はやて(?)

うちの子たちを、かえして……
なんで、ひどいことするん……?

フェイト

(そうだ……
これはやっぱり「あの時」のはやての記憶なんだ)
(闇の書事件の途中、
ヴィータ達と引き離されて、
絶望したときの)
あの……。
大丈夫だよ、
ヴィータ達、すぐにはやての所に帰すから。

はやて(?)

ほんまかー……?

フェイト

うん、本当。
……ひどい事して、ごめんね、はやて。

はやて(?)

ううん……。
なら……よかった……。
(闇の欠片はやて、消滅)

フェイト

消えた……。
通信音

リンディ

ごめんなさい、フェイトさん。
嫌な戦いをさせちゃったわね。

フェイト

いえ……
リンディ提督、これって一体…?

リインフォース

すまない……。
ここからは、私に説明させてくれ。

フェイト

リインフォース!

リインフォース

今回の事件を引き起こしているのは、
闇の書の防衛プログラムの残滓なんだ。
それが魔導師や騎士達の思念を再生し、
力を蓄え……
もう一度、闇の書の闇として復活しようとしている。

フェイト

……そんな……。

エイミィ

急いで叩かないと、
増えていく可能性があるんだって。
守護騎士のみんなも、緊急出動してる。

リインフォース

すまない……。
本来であれば、私がしっかり責を持ち、
退治して回るべきなのだが……。

フェイト

ううん。大丈夫だよ、リインフォース。
情報くれただけでも充分役に立ってくれてる。
まだ静養中なんだから、しっかり休んでて。

リインフォース

すまない。
その分、お前の友人と守護獣の居所は、
なんとか捜し出して見せる。

フェイト

うん……ありがとう!

WARNING

闇の欠片シャマル

見つけたわ。
あなたね。

フェイト

シャマルさん!
あの、違うんです。
私がさっき、はやてと戦ったのは……。

闇の欠片シャマル

はやてって誰の事?

フェイト

!!
(そうか……。
これは多分、はやてと出会う前の

闇の欠片シャマル

闇の書の頁蒐集のため、
あなたの魔力、奪わせてもらいます!

(圧勝)

闇の欠片シャマル

いったぁ……。
もー、この子、速すぎて、ズルい……。

フェイト

危ない……!
うまく避けきれた。

(勝利)

闇の欠片シャマル

そんな……。
負けちゃった?

フェイト

はー…。
なんとか、攻め切れた。

(辛勝)

闇の欠片シャマル

ああ……
あと一歩だったのに……ッ

フェイト

はー…はー…
ギ…ギリギリ……。

闇の欠片シャマル

……っ……!
(闇の欠片シャマル、消滅)

フェイト

(あんなに仲のいい、はやてと守護騎士達も、
出会う前は、他人だったんだよね……)
(そんなの、当たり前の事なんだけど……)
……いけない!
ボーッとしてられない!
急がなきゃ!

STAGE 3

フェイト

ザフィーラ……。

闇の欠片ザフィーラ

我が主を害したのは、
貴様か!?

フェイト

このザフィーラも、やっぱり……。
(回線音)

リインフォース

そうだ。
闇の欠片は、過去の記憶を再生するのみ。
たのむ、止めてやってくれ。

フェイト

うん……。

闇の欠片ザフィーラ

ここから先へは、
行かせんッ!

(圧勝)

闇の欠片ザフィーラ

バカな……
なんという速度だ……。

フェイト

危ない……!
中に入られてたら、
一撃で終わってたかもしれない。

(勝利)

闇の欠片ザフィーラ

く……ぐぅぅッ!

フェイト

止まってくれた……?

(辛勝)

闇の欠片ザフィーラ

バカな……
何故飛んでいられる……ッ

フェイト

つー……。
打撃防御の練習が、役に立った。

闇の欠片ザフィーラ

……体が……ッ
うおぁぁああっ!
(闇の欠片ザフィーラ、消滅)

フェイト

ごめん、
ザフィーラ……。
(通信音)

アルフ

フェイト、無事っ!?

フェイト

アルフ!
大丈夫だった?
いまどこ?

アルフ

海鳴市からちょっと先の、山の方。
なのはは海の方に回ってくれてる。

フェイト

よかった!
私も急いで合流するよ!

アルフ

うん!

STAGE 4

フェイト

なのは……
じゃ、ないよね、
どう見ても。

星光の殲滅者

貴方は私を知らないでしょうが、
私はあなたを良く知っています。

フェイト

………!?

星光の殲滅者

迷宮の迷い子。
悲しみと痛みに震える弱い魂。
(通信音)

リインフォース

耳を貸してはいけない!
それは通常の思念体とは違う。
防衛プログラムの
構築体(マテリアル)の一部だ。
独自の意識を持っている。

星光の殲滅者

ぬくもりや優しさが本当は怖い。
裏切られるかもしれないからです。

フェイト

…それは……。

星光の殲滅者

もう一度、私の中へ……
やすらかな永遠を、
今度は過たず、あなたに送ります。
貴方のような、壊れそうに弱い魂も、
きっと救われます。

リインフォース

テスタロッサ!
耳を貸してはいけない!

フェイト

――大丈夫!
私の心は、
ほんとは弱いけど、
なのはが決意や勇気を暮れた。
アリシアやリニスが、
私に願いを託してくれた。
だから、こんな所では絶対に、
止まってなんかいられないッ!

(圧勝)

星光の殲滅者

私の魔法が、触れることすら……?

(勝利)

星光の殲滅者

敗れ…ましたか……。

(辛勝)

星光の殲滅者

紙一重……
それでも、あなたの勝利です。

星光の殲滅者

私の魔法は……弱かったでしょうか。

フェイト

なのはの強さは、
魔法そのものじゃないもの。
知性と空間戦術と、
なにより、勇気と気持ち。
そこまでは、再現できなかったでしょ。

星光の殲滅者

残念です……。
『砕け得ぬ闇』の復活は、
他の構築体(マテリアル)に任せましょう。
(星光の殲滅者、消滅)

フェイト

砕け得ぬ…闇……?
(回線音)

エイミィ

多分、『闇の書の闇』の復活体の事だよ。
ただ復活するだけじゃなくて、
パワーアップしようとしてるんだと思う。

リインフォース

だが、お前が
構築体(マテリアル)を叩いてくれたおかげで、
新たな結界発生は止まったようだ。

フェイト

でもさっき、
他のマテリアル、って。

なのは

それは、私の方でやっつけました!

フェイト

なのは!

なのは

よかった!
フェイトちゃん、大丈夫だった?

フェイト

それは、こっちのセリフ!
よかった、無事で。

エイミィ

ただ、まだ何ヵ所か、
大きな反応が残ってるんだよね。
順次処理していかなきゃならないんだけど。

なのは

わたしは引き続き頑張ります。

フェイト

あ、もちろん、わたしも!

リンディ

フェイトさん?

フェイト

あ、はいっ。

リンディ

無理はしないでね。

フェイト

はい…
大丈夫です!
(リンディ提督は、やっぱり優しい……。
もちろん、クロノやエイミィだって)
(わたしの中で吹っ切れていない迷いは…
優しさが怖い理由は、
なんなのかな……?)

WARNING

ヴィータ

ち……!
こんな所にもいやがったか!

フェイト

今度はヴィータ!?

ヴィータ

うおおぉ!
ぶっとべぇーーーッ!

フェイト

あ、あれ?
このヴィータって、もしかして!?

(圧勝)

フェイト

とりあえず完勝したけど……
あの、ヴィータ!?

ヴィータ

くそ、ちょこまか避けやがって!
思念体ごときが生意気なッ!!

フェイト

やっぱり!

(勝利)

ヴィータ

くそ!
思念体ごときが、
いつまでもフラフラしてんじゃねー!

フェイト

って、やっぱり!

(辛勝)

ヴィータ

のヤロー!
思念体風情が、手こずらせやがって!
今、トドメを……ッ!

フェイト

ちょ、やっぱり!
ヴィータ、ストップストーップっ!!

ヴィータ

あ…あれ?

フェイト

ヴィータ……
偽物じゃないよね?
本物だよね?

ヴィータ

ったりめーだ!
そーゆーお前も。

フェイト

本物、本物!

ヴィータ

……すると、なにか?

フェイト

誤解で戦った、
っていうか……。

ヴィータ

だーーー!
紛らわしいトコで
紛らわしい行動とってんじゃねー!

フェイト

な…
い、いきなり襲いかかってきたのは
ヴィータでしょー!?

ヴィータ

うっせぇ! 悪かったよ!
つーかおめーが
ボーッとしてっから間違えるんだろーが!!

フェイト

(ひ、ひどい…)

ヴィータ

まあいい
闇の欠片は大分消えてってる。
残りをさっさと片付けねーと。

フェイト

うん……。

ヴィータ

あたしは行くぞ。
じゃーな。

フェイト

あ、待って、ヴィータ。

ヴィータ

あん?

フェイト

あのね、ヴィータ。
ヴィータは、家族、大事?

ヴィータ

なんだよ急に。
んなもん、大事に決まってるだろーが。

フェイト

新しい家族、
リインフォースも?

ヴィータ

新しかねーよ。
あいつとはずっと昔から一緒だ。
いまんとこは、
あんま上手くやれてねーけどよ……。
それでもこれからは一緒に暮らすんだ。
それなりにやってくさ。

フェイト

そうなんだ……。
ごめんね、頑張って。

ヴィータ

んなもん、
おめーに言われるまでもねー!

フェイト

うん……。
(そうか……。
やっぱり、そうだよね……)

STAGE 5

闇の欠片シグナム

テスタロッサ……。
やはり、お前が来たか。

フェイト

シグナム!?

闇の欠片シグナム

待ちかねたぞ。
やっと決着をつけられる。
(通信音)

リインフォース

その将も、
闇の欠片の映し見だ。
おまえと知り合い、
いつか迷いなく戦ってみたいと願っていた、
そんな将の思い。それが形になったものだろう。

フェイト

うん……。

闇の欠片シグナム

どうした?
誰と話している?

フェイト

あ……
えと、なんでもないです。
決着ですよね?
今からしっかり、つけましょう!

リインフォース

テスタロッサ、
いいのか?

フェイト

どっちにしろ、
眠ってもらわないといけないもの。
それなら、心残りを無くして、
満足して眠ってもらうのでも
いいんじゃないかなって。

闇の欠片シグナム

さあ、行くぞテスタロッサ。
決着だ!

フェイト

はい、シグナムッ!

(圧勝)

闇の欠片シグナム

く……不覚…ッ!

フェイト

私とバルディッシュの、勝利です!

(勝利)

フェイト

いい勝負でした……。
ありがとうございました!

(辛勝)

闇の欠片シグナム

ぐ…しまった……!

フェイト

ギ…ギリギリでしたが、
私の勝ちです!

闇の欠片シグナム

やれやれ、
真剣勝負で不覚を取るとはな。

フェイト

でも、たまたまです。
まだまだ、10回やったら
8回は負けそうです。

闇の欠片シグナム

その2回を、
この場でたぐり寄せたのはお前の強さだ。
誇っていい。

フェイト

はい……。

闇の欠片シグナム

ん……
なんだ、もう終わりか。

フェイト

あ……

闇の欠片シグナム

今の私は、夢か幻か……
そんなとこなのだろう。

フェイト

わかってたんですか……?

闇の欠片シグナム

それくらいはな。
さて、
消えゆく前に、少し聞いておこう。

フェイト

あ、はい。

闇の欠片シグナム

お前は今、
心のどこかに、迷いがあるだろう。
家族の事か、これからの自分の事か。

フェイト

……はい。

闇の欠片シグナム

偉そうな事を言えた義理でもないが、
剣士として伝えられる事はある。
迷いがあれば剣先も曇るが、
迷いが無ければ恐れる事もできん。
迷いも恐れも、
自分の内にあってしかるべきものだ。

フェイト

……はい……!

闇の欠片シグナム

大切なのは踏み出す一歩。
繰り出す一閃。
その一瞬に心が澄み渡っていればいい。
少なくとも私は、
そうあろうと努めている。

フェイト

シグナム……。

闇の欠片シグナム

らしくない説教をしたな。
まあ、夢だからこそ言えることだ。
さらばだ、テスタロッサ……
次は現実の私にも勝って見せてやるといい。

フェイト

はい……!
ありがとうございましたっ!
(闇の欠片シグナム、消滅)

フェイト

大切なのは、
踏み出す一歩……。
(通信音)

クロノ

フェイト!
クロノだ、大丈夫か?

フェイト

クロノ!

クロノ

闇の欠片も、
もうほとんどが消えている。
事件は終結に向かっているよ。

フェイト

うん。
引き続き、残りの欠片を探すよ。
(わたしの行き先、居るべき場所。
迷いも怖さも、どっちも抱いたまま……。
だけど、それでも……)

FINAL STAGE

闇の欠片フェイト

あなたは……私……?

フェイト

ん……そうだよ。
もうひとりのわたし。
どうしたの?
泣いてるの?

闇の欠片フェイト

泣いてはいない……。
ただ、寂しくて、悲しいだけ。

フェイト

そうだね……
ずっと、ひとりぼっちだと思ってたから。

闇の欠片フェイト

ジュエルシード事件のときも、
闇の書事件のときもそう。
不安で、怖い事ばっかりで…
誰に優しくしてもらっても、
やっぱり、わたしはひとりぼっちで。

フェイト

ううん。違うよ。

闇の欠片フェイト

違わないよ……。
母さんだって、
わたしをいらない子だって言った。
なのはやリンディ提督や
クロノだって、
いつかは……。

フェイト

そんないつかが来ないように、
一生懸命生きればいいんだ。

闇の欠片フェイト

あなただって今も、
ひとりぼっちなのに?

フェイト

わたしも今日まで、
多分心のどこかで、そう思ってた。
だけど、違うんだ。
ひとりじゃないし、ひとりじゃなかった。
――わたしたちは、いつだって!

(圧勝・勝利・辛勝)

闇の欠片フェイト

わたし…
消えるの…?

フェイト

少し、眠るだけだよ。
目が覚めたら、
あなたもちゃんと、わたしのなかにいる。

闇の欠片フェイト

ほんとのわたしは……
随分、強い子なんだね。

フェイト

強くないよ……。
ただ、優しい人達が教えてくれるの。
頑張る自分に、
えへんと胸を張って……。
できるだけ、笑って行こうね、って。

闇の欠片フェイト

そっか……
なら……眠るのも、怖くないかな……。

フェイト

そうだよ。だから……。

闇の欠片フェイト

うん……おやすみ……。
(闇の欠片フェイト、消滅)
(通信音)

エイミィ

闇の欠片、全て停止を確認!
再発の気配、なし!

リンディ

ひとまず、解決かしら。

クロノ

フェイト、
なのは、アルフ。一度戻ってくれ。

フェイト

うん。

アルフ

……それより、なのはが。

なのは

あー、アルフ、
言っちゃダメ!

アルフ

なのはがちょっとケガしたの。
無茶するから。

リンディ

あらあら、大変。

フェイト

ダメだよなのは。
わたしもすぐに戻るから、急いで戻って。

なのは

うう、
はぁい。

エピローグ

フェイト

――そして、
闇の欠片はその後も再生する事なく、
事態は無事に収束しました。
クロノやレティ提督によれば、
『闇の書事件の余波被害としては、
むしろ想定よりも小規模だった』とか。
旅行の予定は、少しだけズレちゃいましたが、
それ以外はなんとか普通に、
年末年始を過ごすことができました。
そして、
冬休みも終わって。

フェイト

あのね、アルフ。

アルフ

んー?
なーに、フェイト。

フェイト

ずっと迷ってた事……
踏ん切りがつきそうかなって。

アルフ

ほんと?
それは、すごくいい事だね。

フェイト

将来の事、
自分の居るべき場所のこと。
いろいろ悩む事もあるんだけど……。
自分で決めた答えに向かって、
進んでいきたいな、って。

アルフ

――そう。
ま、あたしは、フェイトについていくだけだけどね。

フェイト

ありがとう、アルフ。

アルフ

答え……。
いつごろ出せそう?

フェイト

そうだね……。
きっと……
桜の花の咲く頃には。
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