第1幕

前奏曲

N° 1 情景とコーラス

セビリアの大きな広場
(右にタバコ工場の入口 奥には観客の正面に渡ることのできる橋が架かっている 舞台からこの橋に行くにはタバコ工場のドアの上のらせん階段を通る 左には衛兵所 小規模な屋根付きのポーチがある 幕が上がると 15人ほどの兵士たち アルマンサの竜騎兵が衛兵所の前に固まっている 通行人たちが行き来している)



【兵士たち】
広場の上を
みな 通り過ぎて行く
誰もが来ては 誰もが去って行く
面白い連中だな こいつらは!

【モラレス】
詰所の戸口のところで
時間潰しに
煙草でもふかすか お喋りするか 眺めてみようか
行き交う通行人でも

【兵士たち モラレス】
広場の上を…

(ミカエラ登場)

【モラレス】
見ろよ あのカワイコちゃんを
俺たちに話がしたいみたいだぞ
見ろ 振り返って ためらってる

【兵士たち】
助けに行かなきゃならねえな!

【モラレス】
(ミカエラへ)
何をお探しですか お嬢さん?

【ミカエラ】
私 伍長さんに会いたいの

【モラレス】
俺がそうだぞ ほら!

【ミカエラ】
私の伍長さん 名前は
ドン·ホセよ…あなた ご存じですか?

【モラレス】
ドン・ホセか?俺たち皆知ってるよ

【ミカエラ】
本当ですか!それじゃあなた方と一緒にいるのかしら?

【モラレス】
俺たちの部隊の伍長じゃないんだ

【ミカエラ】
(がっかりして)
じゃあここにはいないのね?

【モラレス】
ああ お嬢さん ここにはいないんだ
だけどやって来るだろうさ もうすぐに
もうすぐだよ 新しい衛兵に
古い衛兵が交代するからね

【兵士たち モラレス】
もうすぐ…

【モラレス】
だけど 奴が来るまで
どうだい カワイコちゃん
待つってのは
俺たちと一緒にちょっとの間?

【ミカエラ】
皆さん方と?

【兵士たち モラレス】
俺たちとさ

【ミカエラ】
結構です 結構です
とっても感謝しますけど 兵隊のみなさん方

【モラレス】
おいでよ 怖がらずに お嬢さん
約束するよ 大事にするって
あんたの可愛さには
最大限の敬意を払うって

【ミカエラ】
疑ってはいません だけど
あとで戻ってきます その方が安心だから
私は戻ってきます 新しい衛兵さんに
古い衛兵さんが交代するときに

【兵士たち モラレス】
いてくれよ 新しい衛兵さんに
古い衛兵さんが交代するときまで

【モラレス】
ここにいてくれよ!

【ミカエラ】
結構です! 結構です!

【兵士たち モラレス】
(ミカエラを囲んで)
ここにいてくれよ!

【ミカエラ】
結構です!結構です!駄目!駄目!駄目!
さようなら、兵士のみなさん方!
(彼女は逃れて 去って行く)

【モラレス】
小鳥は逃げちまった
あきらめるしかないな
また時間つぶしでもするか
通行人でも眺めながら

【兵士たち】
広場の上を
みな 通り過ぎて行く…

N° 2 子供たちの合唱

(遥か遠くで軍隊の行進 ラッパや笛の音 新しい衛兵部隊の到着である ひとりの士官が衛兵所から出てくる 兵士たちは自分の銃を取ると出て来て衛兵所の前に整列する 通行人は行進を見ようと寄り集まる 軍隊行進曲が近づいている 新しい衛兵たちがようやく現れ 橋を渡ってくる 二本のトランペットと二本の笛を先頭に そのあとから小さな子供たちの一団 子供たちの後からはスニガ中尉、ドン・ホセ伍長そして竜騎兵たち)



【子供たちの合唱】
新しい衛兵と一緒に
ぼくらも来るぞ ぼくらはここだ
響け 輝くトランペット!
タラタタ タラタタ!
行進だ 頭を上げて
ちっちゃな兵隊みたいに
足取り合わせろ 間違えずに
いち に 行進だ
肩と 背中と
胸を張って
腕は こうやって
体はまっすぐに
新しい衛兵と一緒に…

(新しい衛兵たちは 今までいた衛兵たちの前に右側に並ぶ 士官たちは剣で挨拶すると小声で話し始める 交代は終わった)


【モラレス】
(ドン・ホセに)
チャーミングな若い女の子が
たった今ここに訪ねてきたところだ
お前がここにいないかと言って
青いスカートとお下げ髪の子だったぜ

【ホセ】
それはきっとミカエラだ

(今までいた衛兵たちは新しい衛兵たちの前を通って行く 子どもたちの集団は先程と同じように今度のトランペットと笛のあとをついて行く)


【子供たちの合唱】
(繰り返し)
これから古い衛兵さんが
兵舎に帰っていくぞ
響け 輝くトランペット!
タラタタ タラタタ!
行進だ 頭を上げて
ちっちゃな兵隊みたいに…

兵士たち 子どもたち 見物人たちは奥へと遠ざかって行く 合唱・トランペット・笛の音は小さくなって行く 新しくやってきた衛兵たちの士官はその間 黙って部下たちを閲兵している 子どもたちの合唱が聞こえなくなると 兵士たちは衛兵所の中に入って行く ドン・ホセとスニガだけが舞台の上には残る)


レシタティーヴォ

【スニガ】
あれがそうだな 違うか
あの大きな建物の中であろう
煙草工場の女工どもが働いているのは?

【ホセ】
あそこであります 士官殿
ですが間違いなく
これほどの軽薄な女どもは他にはいないであろう程かと

【スニガ】
だが 少なくとも皆可愛いであろう?

【ホセ】
士官殿 私は知らないのであります
そのような色恋には私は極めて疎いのであります

【スニガ】
貴様の頭の中を占めているのを
わしは知っておるぞ
可愛らしい若い娘
名をミカエラという
青いスカートとお下げ髪の娘だろう
貴様 答えんのか?

【ホセ】
答えるであります それは本当です…
答えるであります 私はその娘を愛しております!
ここの女工たちのことにつきましては
その美しさに関しましては!
それはご自身でご判断頂けるものかと存じます

N° 3 煙草工場の女工たちの合唱

(舞台は煙草工場の女工たちが出てくる道で待ち伏せしようという若者たちで一杯になる 兵士たちも衛兵所から出てくる ドン・ホセは椅子に座って あたりの行き来には全く無関心な様子で 信管のピンの手入れをしている)


【若者たち】
ベルが鳴ったぞ 俺たち 女工が
出てくるのをここに見に来たんだ
お前たちを追いかけるぞ 茶髪の煙草工場の女工たちよ
お前たちに愛のことをつぶやきながら!

(この時 煙草工場の女工たちがタバコを唇にくわえて現れる)

【兵士たち】
見てみろ!大胆なまなざし
あだっぽい態度
みな 歯にくわえてるぜ
煙草をな

【煙草工場の女工たち】
空の中 あたしたちは目で追うのさ
煙を 煙を
天に向かって
昇るよ 昇るよ 煙は
ゆっくりと昇って行くよ
頭にも 頭にも
とてもゆっくりと
それはあんたたちの心を楽しませるのさ!
恋人たちの甘い会話
それも煙さ!
彼らの激情 それに彼らの誓い
それも煙さ!
空の中 あたしたちは目で追うよ
煙を…

【兵士たち】
だが見つからないぞ カルメンシータが!

(カルメン登場)

【煙草工場の女工たちと若者たち】
あそこだ!あそこだ!
あそこだ カルメンシータは!

(彼女はカシアの花束を胴着に付け そのカシアの花を一輪口に咥えている 若い男たちもカルメンについて登場する 彼らは彼女を追いかけ 彼女を取り巻き 彼女に話かける 彼女もほほ笑みながらかれらといちゃついている ドン・ホセは顔を上げて カルメンを見てからまた静かに仕事に戻る)


【若者たち】
カルメン!お前の足取りを 俺たちは皆で追いかけるぜ!
カルメン!やさしくしてくれ せめて答えてくれよ
言っておくれよ いつになったら俺たちを愛してくれるんだ!

レシタティーヴォ

【カルメン】
(ドン·ホセを見つめて)
あんたに惚れるのはいつかって?
さあね そんなの知らないよ
ずっとないかも知れないし 明日かも知れない
でも今日じゃない それは確かだけどね

N° 4 ハバネラ

【カルメン】
恋は気ままな鳥さ
誰も飼いならすことなんてできない
無駄なことさ 呼び寄せようとしても
そいつが嫌がってるときにはね
効きはしないわ 脅しもお願いも
ひとりがお喋りで もうひとりが無口なら
あたしはそのもうひとりの方が好きだわ
彼は何も言わなかったけれど それでも私は彼が好き
恋は!…

【合唱】
恋は気ままな鳥さ…

【カルメン】
恋はボヘミアンの子さ
法律なんか知ったこっちゃない
あんたが愛してくれなくたって あたしは大好きよ
もしあたしに惚れられたなら 気を付けなよ…

【合唱】
気を付けなよ…
恋はボヘミアンの子さ…

【カルメン】
あんたが捕らえたその鳥も
翼はためかせ 飛んで逃げる
恋は遠いよ あんたが待てる間は
でも待てなくなりゃ そこにあるのさ!
あんたの周りを 素早く 素早く
来ては 去って また戻ってくるのさ
捕まえたと思えば そいつは逃げる
逃げようと思えば あんたを捕まえる
恋は!…

【合唱】
あんたの周りを…

【カルメン】
恋はボヘミアンの子さ
法律なんか知ったこっちゃない
あんたが愛してくれなくたって あたしは大好きよ
でもあたしに惚れられたなら 気を付けなよ!
あんたが愛してくれなくたって あたしは大好きよ…

【合唱】
気を付けなよ…
恋はボヘミアンの子さ…

N° 5 情景

【若者たち】
カルメン!お前の足取りを 俺たちは皆で追いかけるぜ!
カルメン!やさしくしてくれ せめて答えてくれよ

(一瞬の沈黙 若者たちはカルメンの周りを取り囲む 彼女はその一人一人を眺めてると その輪から抜け出してきて まだピンの手入れに忙しいドン・ホセのところにまっすぐ進んで行く)

【カルメン】
ねえ!兵隊さん ここで何をしてるのさ?

【ホセ】
ピンを固定する鎖を作ってるんだ

【カルメン】
本当!あなたのピンはね - 留めたのよ - あたしの心を!

(カルメンはカシアの花をドン・ホセに投げつける 彼は立ち上がる 花は彼の足元に落ちる 爆笑が湧き起こる)


【煙草工場の女工たち】
(ドン・ホセのまわりで)
恋はボヘミアンの子さ…

(工場の鐘がもう一度鳴るのが聞こえる カルメンや他の煙草の女工たちは工場の中へ駆け込んで行く 若者たちも退場する 兵士たちは衛兵所の中に入る ドン・ホセだけがひとり残り 花を拾い上げる)


レシタティーヴォ

【ホセ】
何て目つきだ!何て厚かましさだ!
この花は効いたぞ
俺を撃ち抜いた弾丸みたいに
香りは強烈だ 花は美しい!
そしてあの女も…
もし本当に魔女がいるのなら
あいつは間違いなくそうだな

【ミカエラ】
(入ってきて)
ホセ!

【ホセ】
ミカエラ!

【ミカエラ】
来ちゃったわ!

【ホセ】
嬉しいな!

【ミカエラ】
私を寄こしたのはあなたのお母さんよ

N° 6 デュオ

【ホセ】
母さんのことを話してくれよ!

【ミカエラ】
私は忠実な伝令として 言付かってきたわ
この手紙を···

【ホセ】
手紙!

【ミカエラ】
それから 少しのお金
あなたのお給料の足しにって
そして、それから…

【ホセ】
それから?

【ミカエラ】
それから…私恥ずかしい
それからもうひとつ別のものよ
お金よりももっといいもの
孝行な息子さんには
ずっと値打ちのあるものよ

【ホセ】
その別のものって 一体何だい?
話してくれよ

【ミカエラ】
ええ 話すわ
私が貰ったものを
あなたにあげるの
あなたのお母さんと私がチャペルを出るとき
そのとき私はキスをして貰ったのよ
「行って来て」お母さまは言ったの 「町に行って
そんなに遠くないから セビリアに着いたら
探してちょうだい 私の息子 ホセ 私の子を
そして伝えて お前の母さんは
夜も昼も思っていると いなくなった息子のことを
母さんは 悲しみながらも希望を持ち
赦しながら 待ち望んでいるのだと
こんなことを皆 愛しい子
私からだと お前があの子に伝えておくれ
このキスを 私はお前にあげるから
私からだと お前があの子にあげておくれ

【ホセ】
母さんからのキスだって!

【ミカエラ】
息子へのキスよ!
ホセ 私はあなたにあげるわ
約束したんですもの

(ミカエラは少しつま先立ちになり ドン・ホセにとても素直な 母親がするようなキスをする ドン・ホセはとても感動してされるがままになる 彼は彼女の目をじっと見つめる 沈黙の瞬間)

【ホセ】
母さん 目に浮かぶようだ!
ああ 故郷の村が目に浮かぶ!
ああ 昔の思い出よ
故郷の甘い思い出!
故郷の甘い思い出!
おお大切な思い出よ!
お前はこの心に満たしてくれる
強さと勇気を
おお 大切な思い出!
母さん 目に浮かぶようだ!
故郷の村が目に浮かぶ!

【ミカエラ】
お母さんのことを 思い浮かべているのね!
故郷の村を見ているのね​​!
ああ 昔の思い出よ!
故郷の思い出!
あなたは彼の心に満たしてくれる
強さと勇気を!
おお 大切な思い出!
お母さんのことを 思い浮かべているのね!
故郷の村を見ているのね​​!

【ホセ】
(彼の目を煙草工場に向けて)
まったく 何て悪魔の
餌食に俺はなるところだったか!
でも、遠くから母さんは守ってくれる
そしてくちづけを 俺に送ってくれるんだ
危険を追い散らし わが子を救ってくれるんだ!

【ミカエラ】
悪魔って?危険って何?
分からないわ
いったい何のことを言ってるの?

【ホセ】
何でもない!何でも!
お前のことを話そうじゃないか メッセンジャーさん
お前 家に帰るのかい?

【ミカエラ】
ええ 今晩ね
明日 あなたのお母さんに会うわ

【ホセ】
母さんに会うのか!
だったら こう伝えてくれないか
息子は母さんを愛してる 大事にしてる
そして今日は悔いていると
帰ったら母さんを
満足させる息子になりたいって!
このすべてを さあ かわいい人よ
俺のかわりに お前が伝えてくれないか
それから お前にあげるこのキスを
俺の代わりに 母さんにあげてくれるかい

(彼は彼女にキスする)

【ミカエラ】
ええ 約束するわ 息子さんの代わりに
ホセ 約束した通りに私するわ

【ホセ】
母さん 目に浮かぶようだ!…

【ミカエラ】
お母さんのことを 思い浮かべているのね!…

レシタティーヴォ

【ホセ】
ここに居てくれよ
俺が読んでいる間

【ミカエラ】
いいえ まず読んでね
そしたら戻ってくるわ

【ホセ】
どうして行くんだ?

【ミカエラ】
その方がいいわ
私に合ってるもの
読んでおいてね!戻ってくるから

【ホセ】
戻ってくるんだね?

【ミカエラ】
私は戻ってくるわ

(ミカエラ退場)

【ホセ】
心配しないでくれ 母さん あんたの息子はあんたに従う
言う通りにする 俺はミカエラが好きだ
妻にするよ
何て花だったんだ ひどい魔女め!

N° 7 合唱

(彼が上着から花を放り出そうとしたとき 工場の中から大きな物音がする スニガが兵士たちを引き連れて登場)


【スニガ】
何があった いったい あそこで?

【女たちの最初のグループ】
助けて!助けて!
聞いてくれないのかい?

【女たちの第二のグループ】
助けて!助けて!
兵隊さん!

【女たちの最初のグループ】
カルメンシータだよ

【女たちの第二のグループ】
いいや ちがうね!
そんなことない!

【女たちの最初のグループ】
あいつだよ!本当さ 本当さ あいつだよ!
最初に殴ったのは!

【女たちの第二のグループ】
聞いちゃだめだよ!

【女たち全員】
(スニガのまわりで)
聞いとくれよ 旦那!
聞いとくれよ!…

【女たちの第二のグループ】
(自分たちの方に士官を引っ張って)
マヌエリータは言ったのさ
繰り返し言ったのさ 大きな声で
あたし きっと買ってみせるって
気に入ったロバがあったから

【女たちの最初のグループ】
そしたらカルメンシータのやつ
いつものバカにした口ぶりで
言ったのさ:ロバ 何でだい?
あんたにゃほうきで十分じゃないか って

【女たちの第二のグループ】
マヌエリータは答えたよ
負けずに相手にね
「散歩のときには
あたしのロバに乗せてやるよ-」

【女たちの最初のグループ】
そんときにゃ あんたきっと
ふんぞりかえってるんだろうね
ふたりのお供が脇にひかえて
ハエがたかるのを追い払ってくれるさ! って

【女たち全員】
そこからさ ふたりとも
髪を掴んでの大喧嘩!

【スニガ】
このお喋りを何とかせえ!
おいホセ お前に二人つけてやるから
この騒ぎの原因を見てくるんだ

(ドン・ホセは二人の兵士を選び 兵士たちは工場の中に入って行く その間女たちの集団の間では互いに言い争いが起きている)

【女たちの最初のグループ】
カルメンシータだよ…

【女たちの第二のグループ】
ちがう ちがう あいつじゃないよ…

【スニガ】
おい!
この女どもを追い払え!

【女たち全員】
旦那!聞いちゃだめだよ!…

(兵士は女たちを追い払う カルメンが工場のドアのところにドン・ホセに連れられて現れる ふたりの竜騎兵が続く)


N° 8 歌とメロドラマ

【ホセ】
士官殿 これは口喧嘩でありました
言い争いが 殴り合いへとエスカレートし
ひとり 女が傷付きました

【スニガ】
誰が原因だ?

【ホセ】
この女です

【スニガ】
(カルメンに)
聞いていたな 何か言いたいことはあるか?

【カルメン】
トラララララ
斬るがいいさ 焼くがいいさ
あたしは何にも言わないよ
トラララララ
あたしは何にも怖くない
火だって 神さまだって!

【スニガ】
頼むから歌うのは止めてくれ
答えろと言ったんだ 答えろ!

【カルメン】
トラララララ
秘密なら言わないよ 絶対にね
トラララララ
他の男を好きになっても
愛してるって言うのは死ぬときだけさ

【スニガ】
そんなに歌っていたいのなら
刑務所の壁に向かって歌うんだな

【合唱】
ムショに入れちまえ!ムショに!

(カルメンは女たちに突進しようとする)

【スニガ】
(カルメンに)
困ったやつだ!
全くお前 手の早い女だな!

【カルメン】
トラララララ…

【スニガ】
残念だ
全く残念だ
本当にいい女なんだがな
だが罪は罪だ
この可愛い両腕を縛れ

(スニガ出て行く 沈黙の瞬間 。カルメンは顔を上げてドン・ホセをじっと見ている
彼は数歩歩いて行きかけて振り返りまた戻ってくる カルメンはずっとその間見つめ続けている)

【カルメン】
どこへ連れてくのさ?

【ホセ】
刑務所さ 俺にはどうしようもない

【カルメン】
本当に あんたにゃ何もできないっての!

【ホセ】
無理だ!俺は上司の命令に従う

【カルメン】
でもね あたしは知ってるわ
あんたの上官が何と言おうと
あんたはあたしの望みどおりにしてくれるって
だってあんた あたしを愛してるんだから!

【ホセ】
俺がお前を愛してるって?

【カルメン】
そうさ ホセ!
あたしがあんたにあげた花はね
知ってるでしょ 魔法の花なのさ
もう捨ててたってかまわないよ
魔法は効いているからね!

【ホセ】
俺に話しかけるな わかったか?
これ以上話すな 俺は禁じるぞ!

N° 9 セギディーリャとデュオ

【カルメン】
セビリアの城壁の近くにさあ
あたしのダチのリリアス・パスティアの店がある
あたしは踊るんだ セギディーリャを
そして飲むのさ マンサーニャを
あたしは行くよ ダチのリリアス・パスティアの店にね!

そうさ でもひとりじゃ退屈
本当に楽しいのは二人のときだろ
だからあたしには連れがいるのさ
あたしは恋人を連れていくつもりだよ!
恋人かい…やつは悪魔のところさ
昨日 戸口からおっぽり出したからね
傷付いた心も 全然平気だよ
あたしの心は自由さ 空気みたいに
あたしに言い寄る男は両手に余るけど
みんなあたしの好みじゃない
ほら もう週の終わりだから
誰か愛してくれないかしら?あたしはそいつを愛するのに
あたしの心が欲しい?だったらお取りよ!
あんたはいい時にやってきたんだ
あたしには待ってる時間がないからね
だって新しい恋人と行きたいんだから…

セビリアの城壁の近くにさあ…

【ホセ】
黙ってろ!話しかけるなと言っただろ!

【カルメン】
あんたに話してんじゃないよ
自分に歌ってんのさ
そして考えてんのさ… 考えんのは禁止されてないだろ!
私はある将校さんのことを考えてんだよ
あたしを愛してくれて それでそのお返しに そうさ
そのお返しにあたしが愛するかも知れない人のことをね!

【ホセ】
カルメン!

【カルメン】
あたしの将校さんは隊長じゃない
中尉でさえない
ただの伍長さ
でもそれで十分さ ボヘミアンの女にゃ 
あたしはそれで満足するよ!

【ホセ】
(カルメンの手を結んでいるロープをほどく)
カルメン 俺は酒に酔ったみたいだ
もしもお前の言う通りにしたら
お前は約束してくれるかい ああ!
もしもお前を愛したら カルメン お前も愛してくれるのか?

【カルメン】
もちろんさ…
あたしは踊るんだ セギディーリャを
そして飲むのさ マンサーニャを

【ホセ】
リリス・パスティアの店か…
約束だぞ!
カルメン…
約束したぞ!

【カルメン】
ああ! セビリアの城壁の近くにさあ…

(カルメンは再び椅子にすわり 両手を背中に隠す スニガが戻ってくる)

N° 10 終曲

【スニガ】
(ホセに)
これが命令書だ 行け
しっかり見張るんだぞ

【カルメン】
(ホセに小声で)
道の途中で あたしが突き飛ばすから
突き飛ばすからね 力一杯
あんた 倒れてね
あとはあたしがやるから

(彼女は二人の竜騎兵の間に挟まれる ホセが彼女の脇に立つ 女たちや市民たちが今度は舞台に戻ってくるが相変わらず竜騎兵たちによって遠ざけられている カルメンは橋に向かって舞台を横切る)

恋はボヘミアンの子さ
法律なんか知ったこっちゃない
あんたが愛してくれなくたって あたしは大好きよ
もしもあたしに惚れられたなら 気を付けなよ!

(橋の入り口に着いたとき カルメンはホセを突き飛ばし彼は倒れる 混乱と騒ぎの中をカルメンは逃げる 橋の真ん中に達したところで彼女は立ち止り 橋の欄干からロープを投げおろし そしてそこから逃げ去る その間舞台の上では激しい笑い声と共に煙草工場の女工たちがスニガを取り囲む)


間奏
PREMIER ACTE

Prélude

N° 1 Scène et chœur

Grande place à Séville
(À droite, la porte de la manufacture de tabac. Au fond, face au public, pont praticable. De la scène on arrive à ce pont par un escalier tournant qui fait sa révolution droite au-dessus de la porte de la manufacture de tabac. À gauche, le corps de garde, une petite galerie couverte. Au lever du rideau, une quinzaine de soldats, dragons du régiment d'Almanza, sont groupés devant le corps de garde. Mouvement de passants sur la place.)

LES SOLDATS
Sur la place
chacun passe,
chacun vient, chacun va;
drôles de gens que ces gens-là!

MORALÈS
À la porte du corps de garde,
pour tuer le temps,
on fume, on jase, l'on regarde
passer les passants.

LES SOLDATS et MORALÈS
Sur la place, etc.

(Entre Micaëla.)

MORALÈS
Regardez donc cette petite
qui semble vouloir nous parler.
Voyez, elle tourne, elle hésite.

LES SOLDATS
À son secours il faut aller!

MORALÈS
(à Micaëla)
Que cherchez-vous, la belle?

MICAËLA
Moi, je cherche un brigadier.

MORALÈS
Je suis là, voilà!

MICAËLA
Mon brigadier à moi s'appelle
Don José...le connaissez-vous?

MORALÈS
Don José? Nous le connaissons tous.

MICAËLA
Vraiment! Est-il avec vous, je vous prie?

MORALÈS
Il n'est pas brigadier dans notre compagnie.

MICAËLA
(désolée)
Alors, il n'est pas là?

MORALÈS
Non, ma charmante, il n'est pas là.
Mais tout à l'heure il y sera,
il y sera quand la garde montante
remplacera la garde descendante.

LES SOLDATS et MORALÈS
Il y sera, etc.

MORALÈS
Mais en attendant qu'il vienne,
voulez-vous, la belle enfant,
voulez-vous prendre la peine
d'entrer chez nous un instant?

MICAËLA
Chez vous?

LES SOLDATS et MORALÈS
Chez nous.

MICAËLA
Non pas, non pas.
Grand merci, messieurs les soldats.

MORALÈS
Entrez sans crainte, mignonne,
je vous promets qu'on aura,
pour votre chère personne,
tous les égards qu'il faudra.

MICAËLA
Je n'en doute pas; cependant
je reviendrai, c'est plus prudent.
Je reviendrai quand la garde montante
remplacera la garde descendante.

LES SOLDATS et MORALÈS
Il faut rester car la garde montante
va remplacer la garde descendante.

MORALÈS
Vous resterez!

MICAËLA
Non pas! non pas!

LES SOLDATS et MORALÈS
(entourant Micaëla)
Vous resterez!

MICAËLA
Non pas! non pas! non! non! non!
Au revoir, messieurs les soldats!
(Elle s'échappe et se sauve en courant.)

MORALÈS
L'oiseau s'envole,
on s'en console.
Reprenons notre passe-temps
et regardons passer les gens.

LES SOLDATS
Sur la place
chacun passe, etc.

N° 2 Chœur des gamins

(On entend au loin une marche militaire, clairons et fifres. C'est la garde montante qui arrive; un officier sort du poste. Les soldats du poste vont prendre leurs fusils et se rangent en ligne devant le corps de garde. Les passants forment un groupe pour assister à la parade. La marche militaire se rapproche. La garde montante débouche enfin et traverse le pont. Deux clairons et deux fifres d'abord. Puis une bande de petits gamins. Derrière les enfants, le Lieutenant Zuniga et le Brigadier Don José, puis les dragons.)

CHŒUR DES GAMINS
Avec la garde montante,
nous arrivons, nous voilà.
Sonne, trompette éclatante!
Taratata, taratata!
Nous marchons la tête haute
comme de petits soldats,
marquant sans faire de faute,
une, deux, marquant le pas.
Les épaules en arrière
et la poitrine en dehors,
les bras de cette manière
tombant tout le long du corps.
Avec la garde montante, etc.

(La garde montante va se ranger à droite en face de la garde descendante. Les officiers se saluent de l'épée et se mettent à causer à voix basse. On relève les sentinelles.)

MORALÈS
(à Don José)
Une jeune fille charmante
vient de nous demander
si tu n'étais pas là.
Jupe bleue et natte tombante.

JOSÉ
Ce doit être Micaëla.

(La garde descendante passe devant la garde montante. Les gamins en troupe reprennent la place qu'ils occupaient derrière les tambours et les fifres de la garde montante.)

CHŒUR DES GAMINS
(reprise)
Et la garde descendante
rentre chez elle et s'en va,
sonne, trompette éclatante!
Taratata, taratata!
Nous marchons la tête haute
comme de petits soldats, etc.

(Soldats, gamins et curieux s'éloignent par le fond; chœur, fifres et clairons vont diminuant. L'officier de la garde montante, pendant ce temps, passe silencieusement l'inspection de ses hommes. Quand le chœur des gamins a cessé de se faire entendre, les soldats rentrent dans le corps de garde. Don José et Zuniga restent seuls en scène.)

Récitative

ZUNIGA
C'est bien là, n'est-ce pas,
dans ce grand bâtiment,
que travaillent les cigarières?

JOSÉ
C'est là, mon officier,
et bien certainement
on ne vit nulle part filles aussi légères.

ZUNIGA
Mais au moins sont-elles jolies?

JOSÉ
Mon officier, je n'en sais rien,
et m'occupe assez peu de ces galanteries.

ZUNIGA
Ce qui t'occupe, ami,
je le sais bien:
une jeune fille charmante,
qu'on appelle Micaëla,
jupe bleue et natte tombante.
Tu ne réponds rien à cela?

JOSÉ
Je réponds que c'est vrai...
je réponds que je l'aime!
Quant aux ouvrières d'ici,
quant à leur beauté, les voici!
Et vous pouvez juger vous-même.

N° 3 Chœur des cigarières

(La place se remplit de jeunes gens qui viennent se placer sur le passage des cigarières. Les soldats sortent du poste. Don José s'assied sur une chaise, et reste là fort indifférent à toutes ces allées et venues, travaillant à son épinglette.)

JEUNES GENS
La cloche a sonné; nous, des ouvrières
nous venons ici guetter le retour;
et nous vous suivrons, brunes cigarières,
en vous murmurant des propos d'amour!

(À ce moment paraissent les cigarières, la cigarette aux lèvres.)

LES SOLDATS
Voyez-les! Regards impudents,
mines coquettes,
fumant toutes du bout des dents
la cigarette.

LES CIGARIÈRES
Dans l'air, nous suivons des yeux
la fumée, la fumée,
qui vers les cieux
monte, monte par fumée.
Cela monte gentiment
à la tête, à la tête,
tout doucement
cela vous met l'âme en fête!
Le doux parler des amants,
c'est fumée!
Leurs transports et leurs serments,
c'est fumée!
Dans l'air, nous suivons des yeux
la fumée, etc.

LES SOLDATS
Mais nous ne voyons pas la Carmencita!

(Entre Carmen.)

LES CIGARIÈRES et LES JEUNES GENS
La voilà! La voilà!
Voilà la Carmencita!

(Elle a un bouquet de cassie à son corsage et une fleur de cassie au coin de la bouche. Des jeunes gens entrent avec Carmen. Ils la suivent, l'entourent, lui parlent. Elle minaude et coquette avec eux. Don José lève la tête. Il regarde Carmen puis se remet tranquillement à travailler.)

LES JEUNES GENS
Carmen! sur tes pas, nous nous pressons tous!
Carmen! sois gentille, au moins réponds-nous
et dis-nous quel jour tu nous aimeras!

Récitative

CARMEN
(regardant Don José)
Quand je vous aimerai?
Ma foi, je ne sais pas.
Peut-être jamais, peut-être demain;
mais pas aujourd'hui, c'est certain.

N° 4 Habanera

CARMEN
L'amour est un oiseau rebelle
que nul ne peut apprivoiser,
et c'est bien en vain qu'on l'appelle,
s'il lui convient de refuser.
Rien n'y fait, menace ou prière,
l'un parle bien, l'autre se tait;
et c'est l'autre que je préfère:
il n'a rien dit, mais il me plaît.
L'amour! etc.

CHŒUR
L'amour est un oiseau rebelle, etc.

CARMEN
L'amour est enfant de bohème,
il n'a jamais connu de loi:
Si tu ne m'aimes pas, je t'aime;
si je t'aime, prends garde à toi! etc.

CHŒUR
Prends garde à toi! etc.
L'amour est enfant de bohème, etc.

CARMEN
L'oiseau que tu croyais surprendre
battit de l'aile et s'envola-
l'amour est loin, tu peux l'attendre;
tu ne l'attends plus, il est là!
Tout autour de toi vite, vite,
il vient, s'en va, puis il revient-
tu crois le tenir, il t'évite,
tu crois l'éviter, il te tient.
L'amour! etc.

CHŒUR
Tout autour de toi, etc.

CARMEN
L'amour est enfant de bohème,
il n'a jamais connu de loi,
Si tu ne m'aimes pas, je t'aime;
si je t'aime, prends garde à toi!
Si tu ne m'aimes pas, je t'aime, etc.

CHŒUR
Prends garde à toi! etc.
L'amour est enfant de bohème, etc.

N° 5 Scène

JEUNES GENS
Carmen! sur tes pas, nous nous pressons tous!
Carmen! sois gentille, au moins réponds-nous!

(Moment de silence. Les jeunes gens entourent Carmen; celle-ci les regarde l'un après l'autre, sort du cercle qu'ils forment autour d'elle et s'en va droit à Don José, qui est toujours occupé avec son épinglette.)

CARMEN
Eh! Compère, que fais-tu là?

JOSÉ
Je fais une chaîne pour attacher mon épinglette.

CARMEN
Vraiment! Ton épinglette!- épinglier de mon âme!

(Carmen lance la fleur de cassie à Don José. Il se lève brusquement. La fleur est tombée à ses pieds. Éclat de rire général.)

LES CIGARIÈRES
(entourant Don José)
L'amour est enfant de bohème, etc.

(La cloche de la manufacture se fait entendre une deuxième fois. Carmen et les autres cigarières courent dans la manufacture. Sortie des jeunes gens, etc. Les soldats entrent le corps de garde. Don José reste seul; il prend la fleur.)

Récitative

JOSÉ
Quels regards! Quelle effronterie!
Cette fleur-là m'a fait l'effet
d'une balle qui m'arrivait!
Le parfum en est fort et la fleur est jolie!
Et la femme...
S'il est vraiment des sorcières
c'en est une certainement.

MICAËLA
(entrant)
José!

JOSÉ
Micaëla!

MICAËLA
Me voici!

JOSÉ
Quelle joie!

MICAËLA
C'est votre mère qui m'envoie.

N° 6 Duo

JOSÉ
Parle-moi de ma mère!

MICAËLA
J'apporte de sa part, fidèle messagère,
cette lettre...

JOSÉ
Une lettre!.

MICAËLA
Et puis un peu d'argent
pour ajouter à votre traitement.
Et puis...

JOSÉ
Et puis?

MICAËLA
Et puis...vraiment je n'ose,
et puis encore une autre chose
qui vaut mieux que l'argent
et qui pour un bon fils
aura sans doute plus de prix.

JOSÉ
Cette autre chose, quelle est-elle?
Parle donc.

MICAËLA
Oui, je parlerai;
ce que l'on m'a donné
je vous le donnerai.
Votre mère avec moi sortait de la chapelle
et c'est alors qu'en m'embrassant:
« Tu vas », m'a-t-elle dit, « t'en aller à la ville;
la route n'est pas longue, une fois à Séville,
tu chercheras mon fils, mon José, mon enfant.
Et tu lui diras que sa mère
songe nuit et jour à l'absent,
qu'elle regrette et qu'elle espère,
qu'elle pardonne et qu'elle attend.
Tout cela, n'est-ce pas, mignonne,
de ma part tu le lui diras;
et ce baiser que je te donne
de ma part tu le lui rendras. »

JOSÉ
Un baiser de ma mère!

MICAËLA
Un baiser pour son fils!
José, je vous le rends,
comme je l'ai promis.

(Micaëla se hausse un peu sur la pointe des pieds et donne à Don José un baiser bien franc, bien maternel. Don José, très ému, la laisse faire. Il la regarde bien dans les yeux. Un moment de silence.)

JOSÉ
Ma mère, je la vois!
Oui, je revois mon village!
Ô souvenirs d'autrefois,
doux souvenirs du pays!
Doux souvenirs du pays!
Ô souvenirs chéris!
Vous remplissez mon cœur
de force et de courage.
Ô souvenirs chéris!
Ma mère, je la vois!
Je revois mon village!

MICAËLA
Sa mère, il la revoit!
Il revoit son village!
Ô souvenirs d'autrefois!
Souvenirs du pays!
Vous remplissez son cœur
de force et de courage!
Ô souvenirs chéris!
Sa mère, il la revoit,
il revoit son village!

JOSÉ
(ses yeux fixés sur la manufacture)
Qui sait de quel démon
j'allais être la proie!
Même de loin, ma mère me défend,
et ce baiser qu'elle m'envoie
écarte le péril et sauve son enfant!

MICAËLA
Quel démon? quel péril?
Je ne comprends pas bien.
Que veut dire cela?

JOSÉ
Rien! Rien!
Parlons de toi, la messagère.
Tu vas retourner au pays?

MICAËLA
Oui, ce soir même:
demain je verrai votre mère.

JOSÉ
Tu la verras!
Et bien, tu lui diras:
que son fils l'aime et la vénère
et qu'il se repent aujourd'hui;
il veut que là-bas sa mère
soit contente de lui!
Tout cela, n'est-ce pas, mignonne,
de ma part, tu le lui diras,
et ce baiser que je te donne,
de ma part tu le lui rendras.

(Il l'embrasse.)

MICAËLA
Oui, je vous le promets, de la part de son fils
José je le rendrai comme je l'ai promis.

JOSÉ
Ma mère, je la vois! etc.

MICAËLA
Sa mère, il la revoit! etc.

Récitative

JOSÉ
Reste là, maintenant,
pendant que je lirai.

MICAËLA
Non pas, lisez d'abord,
et puis je reviendrai.

JOSÉ
Pourquoi t'en aller?

MICAËLA
C'est plus sage.
Cela me convient davantage.
Lisez! puis je reviendrai.

JOSÉ
Tu reviendras?

MICAËLA
Je reviendrai.

(Exit Micaëla.)

JOSÉ
Ne crains rien, ma mère, ton fils t'obéira,
fera ce que tu lui dis; j'aime Micaëla,
je la prendrai pour femme.
Quant à tes fleurs, sorcière infâme!

N° 7 Chœur

(Au moment où il va arracher la fleur de sa veste, grande rumeur dans l'intérieur de la manufacture. Entre Zuniga suivi des soldats.)

ZUNIGA
Que se passe-t-il donc là-bas?

PREMIER GROUPE DE FEMMES
Au secours! Au secours!
N'entendez-vous pas?

DEUXIÈME GROUPE DE FEMMES
Au secours! Au secours!
Messieurs les soldats!

PREMIER GROUPE DE FEMMES
C'est la Carmencita!

DEUXIÈME GROUPE DE FEMMES
Non, non, ce n'est pas elle!
Pas du tout!

PREMIER GROUPE DE FEMMES
C'est elle! Si fait, si fait, c'est elle!
Elle a porté les premiers coups!

DEUXIÈME GROUPE DE FEMMES
Ne les écoutez pas!

TOUTES LES FEMMES
(entourant Zuniga)
Écoutez-nous, monsieur!
Écoutez-nous! etc.

DEUXIÈME GROUPE DE FEMMES
(tirant l'officier de leur côté)
La Manuelita disait,
et répétait à voix haute
qu'elle achèterait sans faute
un âne qui lui plaisait.

PREMIER GROUPE DE FEMMES
Alors la Carmencita,
railleuse à son ordinaire,
dit: « Un âne, pourquoi faire?
Un balai te suffira. »

DEUXIÈME GROUPE DE FEMMES
Manuelita riposta,
et dit à sa camarade:
« Pour certaine promenade,
mon âne te servira!- »

PREMIER GROUPE DE FEMMES
«- Et ce jour-là tu pourras
à bon droit faire la fière;
deux laquais suivront derrière,
t'émouchant à tour de bras!»

TOUTES LES FEMMES
Là-dessus, toutes les deux
se sont prises aux cheveux!

ZUNIGA
Au diable tout ce bavardage!
Prenez, José, deux hommes avec vous
et voyez là-dedans qui cause ce tapage.

(Don José prend deux hommes avec lui. Les soldats rentrent dans la manufacture. Pendant ce temps les femmes se pressent, se disputent entre elles.)

PREMIER GROUPE DE FEMMES
C'est la Carmencita! etc.

DEUXIÈME GROUPE DE FEMMES
Non, non, ce n'est pas elle! etc.

ZUNIGA
Holà!
Éloignez-moi toutes ces femmes-là!

TOUTES LES FEMMES
Monsieur! ne les écoutez pas! etc.

(Les soldats repoussent les femmes et les écartent. Carmen paraît sur la porte de la manufacture amenée par Don José et suivie par deux dragons.)

N° 8 Chanson et Mélodrame

JOSÉ
Mon officier, c'était une querelle
des injures d'abord, puis à la fin des coups;
une femme blessée.

ZUNIGA
Et par qui?

JOSÉ
Mais par elle.

ZUNIGA
(à Carmen)
Vous entendez, que nous répondez-vous?

CARMEN
Tralalalala,
coupe-moi, brûle-moi,
je ne te dirai rien;
tralalalala,
je brave tout-
le feu, et le ciel même!

ZUNIGA
Fais-nous grâce de tes chansons,
et puisque l'on t'a dit de répondre, réponds!

CARMEN
Tralalalala,
mon secret, je le garde, et je le garde bien!
Tralalalala,
j'en aime un autre,
et meurs en disant que je l'aime.

ZUNIGA
Puis tu le prends sur ce ton
tu chanteras ton air aux murs de la prison.

CHŒUR
En prison! En prison!

(Carmen veut se précipiter sur les femmes.)

ZUNIGA
(à Carmen)
La peste!
Décidément vous avez la main leste!

CARMEN
Tralalalala...

ZUNIGA
C'est dommage,
c'est grand dommage,
car elle est gentille vraiment!
Mais il faut bien la rendre sage,
attachez ces deux jolis bras.

(Exit Zuniga. Un petit moment de silence. Carmen lève les yeux et regarde Don José.
Celui-ci se détourne, s'éloigne de quelques pas, puis revient à Carmen qui le regarde toujours.)

CARMEN
Où me conduirez-vous?

JOSÉ
À la prison, et je n'y puis rien faire.

CARMEN
Vraiment, tu n'y peux rien faire!

JOSÉ
Non, rien! J'obéis à mes chefs.

CARMEN
Eh bien, moi, je sais bien
qu'en dépit de tes chefs eux-mêmes
tu feras tout ce que je veux,
et cela parce que tu m'aimes!

JOSÉ
Moi, t'aimer?

CARMEN
Oui, José!
La fleur dont je t'ai fait présent,
tu sais, la fleur de la sorcière,
tu peux la jeter maintenant.
Le charme opère!

JOSÉ
Ne me parle plus, tu m'entends?
Ne parle plus, je le défends!

N° 9 Séguedille et Duo

CARMEN
Près des remparts de Séville,
chez mon ami Lillas Pastia,
j'irai danser la séguedille,
et boire du manzanilla.
J'irai chez mon ami Lillas Pastia!

Oui, mais toute seule on s'ennuie,
et les vrais plaisirs sont à deux.
Donc, pour me tenir compagnie,
j'emmènerai mon amoureux!
Mon amoureux...il est au diable:
je l'ai mis à la porte hier.
Mon pauvre cœur très consolable,
mon cœur est libre comme l'air.
J'ai des galants à la douzaine,
mais ils ne sont pas à mon gré.
Voici la fin de la semaine,
qui veut m'aimer? je l'aimerai.
Qui veut mon âme? Elle est à prendre!
Vous arrivez au bon moment!
Je n'ai guère le temps d'attendre,
car avec mon nouvel amant...

Près des remparts de Séville, etc.

JOSÉ
Tais-toi! je t'avais dit de ne pas me parler!

CARMEN
Je ne te parle pas,
je chante pour moi-même;
et je pense...il n'est pas défendu de penser!
Je pense à certain officier,
qui m'aime, et qu'à mon tour,
oui, à mon tour je pourrais bien aimer!

JOSÉ
Carmen!

CARMEN
Mon officier n'est pas un capitaine,
pas même un lieutenant,
il n'est que brigadier;
mais c'est assez pour une bohémienne,
et je daigne m'en contenter!

JOSÉ
(déliant la corde qui attache les mains de Carmen)
Carmen, je suis comme un homme ivre,
si je cède, si je me livre,
ta promesse, tu la tiendras,
ah! si je t'aime, Carmen, tu m'aimeras?

CARMEN
Oui...
Nous danserons la séguedille
en buvant du manzanilla.

JOSÉ
Chez Lillas Pastia...
Tu le promets!
Carmen...
Tu le promets!

CARMEN
Ah! Près des remparts de Séville, etc.

(Carmen va se replacer sur son escabeau, les mains derrière le dos. Rentre Zuniga.)

N° 10 Final

ZUNIGA
(à José)
Voici l'ordre; partez.
Et faites bonne garde.

CARMEN
(bas à José)
En chemin je te pousserai,
je te pousserai aussi fort que je le pourrais...
Laisse-toi renverser...
le reste me regarde.

(Elle se place entre les deux dragons. José à côté d'elle. Les femmes et les bourgeois pendant ce temps sont rentrés en scène, toujours maintenus à distance par les dragons. Carmen traverse la scène allant vers le pont.)

L'amour est enfant de bohème,
il n'a jamais connu de loi.
Si tu ne m'aimes pas, je t'aime;
si je t'aime, prends garde à toi!

(En arrivant à l'entrée du pont, Carmen pousse José qui se laisse renverser. Confusion, désordre, Carmen s'enfuit. Arrivée au milieu du pont, elle s'arrête un instant, jette sa corde à la volée par-dessus le parapet du pont, et se sauve pendant qu'à la scène, avec de grands éclats de rire, les cigarières entourent Zuniga.)

Entracte


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@ 藤井宏行


最終更新:2014年08月16日 23:20