留学生のしおり
1-2 国際ロータリー、その組織と活動
最終更新:
ri2590shiori
1-2 国際ロータリー、その組織と活動
さて、ここで国際的なロータリーの組織とその主な活動を概観しておきましょう。まず、国際ロータリー(R.I. : Rotary International)から。RIは、簡単にいえば全世界のロータリークラブの連合体です。もちろんRIに加盟するには、RIの定めた定款(Standard Club Constitution)、細則(Recommended Club Bylaws)を承認し遵守することが前提となっています。RI世界本部(The World Headquarters of Secretariat of RI)は、アメリカ、イリノイ州エバンストン(Evanston)(シカゴの近郊です)にあります。RIの組織は、最高責任者としてRI会長(President)(選挙制で任期1年)、その会長を議長として他に17人の理事(選挙制、任期2年)からなるRI理事会(Board of Directors of RI)、そして会長と理事会の下で実務を執行するRI事務総長(General Secretary of RI)と事務局スタッフ、という構成からできています。前述の世界本部には、常勤の事務総長以下およそ400名のスタッフが働いています。
このRIの下に各ロータリークラブがあるわけですが、実際には便宜上、RI理事会によって地理的地域区分が設けられ、この地域区分を通じてRIは各ロータリークラブを統括しています。この区分を「地区(District)」と呼びます。皆さん既にお馴染みの、第2590地区(川崎市、横浜市)、第2780地区(川崎・横浜を除く神奈川全県)という呼び名はここからきています。現在RIを通じた活動のほとんどが、このユニットごとに行われます。それではなぜ、オリエンテーション等の活動を2つの地区が合同でやっているかというと、実は最近まで神奈川は全県で1地区(第259地区)であったのです。それが会員の増大に伴い、1989年に259地区(川崎市、横浜市)と278地区(川崎・横浜を除く神奈川全県)に分割され、さらに91年に地区番号が改称され、現在の第2590地区と第2780地区に至った経緯があるのです。それゆえ、学友会等は従来の縁を尊重して現在でも一致協力しながら活動を行っています。今後もこうした協力をつづけていきたいものです。こうした地区は現在、529地区、日本は34地区に分割されています。
RIは、前述の定款、細則に基づいて各地区を統括する一方で、各地区に大幅な自治を認めています。日本独自の事業としては「米山奨学金」制度などがあげられます。ここでRIが、各地区の活動を通じて推進している主なプログラムをあげておきます。
1.
ポリオプラス(PolioPlus)
2. 識字計算能力向上(Literacy and Numeracy)
3.
新世代のためのプログラム(Rotary's Programs for New Generations)
・インターアクト(Interact)
・ローターアクト(Rotaract)
・国際青少年交換(International
Youth Exchange)等
4. 環境保全(Preserve Planet
Earth)
5. 世界社会奉仕(World Community Service)
最後に、地区とロータリークラブについて見てみましょう。地区(これは2590、2780両地区とも共通です)には、最高責任者として1人のガバナー(Governor)がおかれます。任期は1年で、地区内クラブの指導、監督、公式訪問、月信の発行、RI綱領の推進、新クラブの結成、既存クラブの強化・助成、クラブ相互あるいはRIとの友好推進などが主たる任務です。ガバナーの下に、地区幹事(District Secretary)、地区副幹事(Vice Secretary)、ガバナー補佐(Assistant Governor)の補佐役のほか、地区委員会(District Committee)等の様々な組織があり、地区の実際の活動を推進しています。また、ガバナーを中心とした地区の様々な事務を行っているのが、ガバナー事務所です。年1回、地区全ロータリアンとその家族が参加する地区最大の行事として地区大会(District Conference)が催され、役員の選出や重要事項の審議、決議等が行われます。そしてそうした地区組織の下に、各ロータリークラブがおかれる仕組みです。各クラブは、それぞれ会長(President)、幹事(Secretary)の下で運営され、また各会員の中から地区委員をはじめとした多くの役職者が任命されるシステムです。
なお、ロータリーの年度は7月1日から翌年の6月30日までとなっています。