【詳細】
古代に存在した人間とほぼ同じ血液構造を持つ人類に極めて近い戦闘種族。
残虐かつ闘争心が旺盛なその性格と邪悪さ故にリントの戦士「クウガ」によって長い間封印されていた(リントには殺人の概念がないため、古代では封印による決着をつけるしかなかった)。
しかし、封印場所であった九郎ヶ岳遺跡が現代で発掘され、発掘員の不用意な行動によって棺が開いた事で「
ダクバ」が覚醒、その力により封印されていたグロンギ200体余りが現代に復活し、古代と同じように殺戮行動を開始する。
警察や世間には「
未確認生命体」として認識されているが、普段の外見は普通の人間と変わりない。
しかし、体のどこかに怪人体を示す刺青があり、服装や髪型など奇抜な格好をしている者も多い。
また、すべてのグロンギに共通したものとして、腹部にクウガのアークルを構成する霊石「
アマダム」と同質の物体「魔石ゲブロン」が埋め込まれ、これによって動植物の力を持った怪人態に変身する。
基本的に怪人態は人間態に準じた裸の体型をしており、男性怪人は哺乳類モチーフに限らず筋肉質であり褌や腰巻を着用し、女性怪人は哺乳類モチーフに限らず乳房が大きく膨らんでおり、男性の装飾品に加えて胸にはブラジャーに相当する装飾品を纏っている。
この種族は、
ン・ダグバ・ゼバを頂点として、
ゴ集団、
メ集団、
ズ集団と階級が分けられた集団で構成されており、階級ごとに怪人体時に装着しているベルト「
ゲドルード」のバックルやプロテクターなど装飾品の色が異なる。
怪人の名称は「所属集団・動植物名・生物分類」で構成される。
現代に復活してからはかつてその標的としていた古代民族「リント」の末裔を現代人だとみなし、「
ゲゲル」と呼ばれる殺人ゲームを行うようになった。
その
ゲゲルの進行は
ラ集団と呼ばれる特殊な個体群の指揮のもと行われ、厳格なルールの元で行われる。
これはひとえにグロンギが行う
ゲゲルは「ゲーム」であるという認識に基づくもの。
彼らの行動はすべてルールに縛られたゲームで、そのルールに外れたものは容赦のない制裁が下される。
各グロンギの強さはゲブロンの強さに比例し、強い怪人ほど内包するエネルギーが強大で、爆発した際の被害も甚大になる傾向がある。
特にライジングフォームの力をクウガが会得するようになってからはクウガの持つエネルギーも激増した為、爆発の規模が広がるようになり、特にライジングマイティキックで倒された怪人の爆発規模は半径3kmに及ぶ為、後半では爆発による被害を最小限に留めるため警察と連携して人気のないところにグロンギの怪人を運んでから倒す事が多かった。
これらは本編に登場しない部分でクウガに倒されたか、封印された状態のまま復活しなかった可能性もある(中にはダグバに謀殺されて大量の遺体となって回収されたものもいる)。
また、第48話でダグバと同等か、各上の狼種の怪人の存在が示唆されていたが、やはり登場していない(詳しい詳細は
ン・ガミオ・ゼダを参照)。
彼らは「グロンギ語」という独自の言語と9進数という数え方を持ち、個体差はあるが知能が高く短期間で日本語、自動車やバイクの運転、インターネットなどを習得している。
また、最上位である
ゴ集団の中には、読書を趣味とする
ゴ・ブウロ・グのように人類の文化や芸術に興味を示し熟達する者もいた。
しかし、結局は彼らにとって人類などあくまでも
ゲゲルの標的に過ぎず、それを阻もうと戦いを挑んでくるクウガですら
ゲゲルの難度を上げる障害物、またはやや強い標的としか見ていない。
そのため
仮面ライダーを敵視し先に始末しようとする個体は登場せず、戦闘で傷を負ったり
ゲゲルを邪魔された等で目をつけるのがせいぜい。
グロンギの起こす殺人は、九郎ヶ岳遺跡のある長野県を皮切りに福島県から岐阜県まで広い範囲で行われたが、人数指定を行う
ゲゲルを行う個体が多かった事もあり、主に人口の多い東京都を中心とする関東地方周辺に集中していた。
そのため、グロンギが関係すると思われる殺人事件及び窃盗などは「
未確認生命体関連事件」として広域指定事件とされ、警視庁に置かれた合同捜査本部によって捜査される。
「HERO SAGA vol.1」掲載の古代(先代)クウガの活躍を描いた小説「MASKED RIDER KUUGA EDITION -オデッセイ-」によれば、元々彼らは狩猟民族で太古の昔に飛来した隕石より制作された「霊石
アマダム」の未知エネルギーによりDNAの塩基配列が変化、その結果、動植物の能力を備えた怪人体へと変身する能力を得たとされる。
【仮面ライダーディケイド】
「クウガの世界」で登場。原典とは異なりダグバではなく
ン・ガミオ・ゼダを頂点としている。
また、「
ゲゲル」についても、原典では(グロンギから見て)ゲームにすぎなかったが、本作ではガミオ復活に必要な作戦行動となっている。
当初は古代から蘇ったグロンギ達が、
ゲゲルを行っていた。
メ・ギャリド・ギが第7号、
ラ・ドルド・グが第8号、
ゴ・バベル・ダが第9号として出現しているためディケイドにおけるグロンギの活動時期はあまり長くないと思われる。
「クウガの世界」に来たばかりのディケイドは
未確認生命体第10号と誤解されていた(DECADE=10を意味するため)。
ガミオが復活してからは、彼が発射する黒いガスを人間に吸わせ、グロンギに変貌させる事で、個体数を増やしていった。
結局、ガミオをはじめ多数のグロンギがディケイドとクウガに倒されたが、グロンギ族が絶滅したのかは明らかになっていない。
なお八代刑事が「(グロンギ語を)言語学者が解析しようとしても出来なかった」という発言をし、
門矢士がいとも簡単にグロンギ語を使いこなしているのを目撃して驚いている。
【オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー】
【仮面ライダーフォーゼ】
クウガと戦闘を行っている場面が動画投稿サイトに投稿されていた事により『フォーゼ』の世界にもグロンギが存在している事が明かされている。
【余談】
グロンギは普通の特撮番組の怪人と違い、毎回1体ずつ登場するという事がない。
基本的に戦隊ヒーローでは登場個体がボスのもとに出向いてから出陣したり、ロボットや魔術的な存在なら完成直後に出撃したりという傾向が強いが、グロンギはストーリーの節目となる回ごとに数名が進行役である
ラ・バルバ・デの元へ人間体で現れ、自分が
ゲゲルを行う順番を待っていた。
そのため初登場から怪人体になるまで数週かかった者も多く人間体だけの登場となった怪人も存在する。
基本的に怪人体が出現した順に、合同捜査本部によって「
未確認生命体第○号」と命名される。
なお、人間体しか目撃されていないが状況から
未確認生命体と判断される場合は、「
未確認生命体B群」として分類されそれぞれ発見順に番号が振られていった。
そのため番号と登場順が一致しない個体も少なからず存在する。
当初はクウガも正体不明の存在で、グロンギと戦っているということはわかるが警察においては同じ未確認生物としてグロンギの同類と見なされていた。
そのためグローイングフォームは「
未確認生命体第2号」、マイティフォームは「第4号」と呼ばれ共闘するようになってからもその呼称が用いられた。
クウガの正体は秘匿されていたが、市民には雑誌の情報などによって自分たちを助けてくれる存在のため比較的好意的に思われていたようだ。
放送開始初期は「グロンギ族」という表記が主だったが、やがて「グロンギ」とだけ表記されるようになった。
第3話「東京」で、バルバが「東京には我らグロンギの秘密がある」と発言したが、それが何だったのかは結局不明。
「9進法を使用する」という設定は放送途中に登場した後付け設定で、初期から登場しているカウンター
グゼパには玉が9個付いている。
最終更新:2022年08月08日 01:11