木野薫 > アナザーアギト

「アギトは俺だけでいい」

【名前】 木野薫
【読み方】 きのかおる
【声/俳優】 菊池隆則
【登場作品】 仮面ライダーアギト
【モチーフ】 仮面ライダー1号
【分類】 アギト

【詳細】

あかつき号事件の生存者の1人で、翔一(沢木哲也)と同じくアギトの光を浴びた男。
事件の後にリーダーシップを発揮して、彼らを纏め上げ来たるべき日に備えていた。

元は優秀な医者だったが、弟である雅人と雪山で遭難した際に雅人と凍傷で右腕を失い、雅人の右腕を移植されたことで医師免許を剥奪される。
雅人を救えなかった後悔から患者に雅人を重ね、「救いを求める全ての人を救う」という半ば強迫観念に近い決意に駆られ、莫大な報酬を受け取る無免許の闇医者として人々を救っていた。
そんな中でも人格者であり続け、あかつき号で偶然居合わせた真島浩二に「人は後悔のないように生きるべき」「己の人生を狭めるのは自分自身」と諭したことで彼から強く慕われていた。

アナザーアギトへの変身能力を得たことでついに表舞台に現れ、今度はアギトとしてアンノウンを倒すことで、狙われた人々を救っていく。
その中で先述の強迫観念が加速し、全ての人間は自分が救うという思いから自分以外のアギトを否定し、抹殺しようとするまでに暴走を始めた。
翔一を追い詰めたり、自らが瀕死の重傷を負わせた涼を治療に見せかけて殺害しようとした際に右腕に痛みが走って未遂に終わり、これを雅人が自分の過ちを止めようとしているのかと受け止め苦悩する。
その上、真島が涼を救うためにアギトの力を捨てたことを知り、更にそのことでエクシードギルスへと進化した涼に敗れた上で救われたことで、考えを改め他のアギトと協力するようになり、強敵である水のエル強化体を共に打ち破った。

オーヴァーロードによりアギトの力が奪わた際、一度は「一番救いたい者を救えなかった自分にはもう何もできない」と全てを諦めてしまうが、真島の叱咤を受けたこととアギトの力を失ってもまだ諦めていない涼の姿を見たことで立ち直る。
真魚を庇ってヘッジホッグロード エリキウス・リクォールの針を受けた翔一を、自らもファルコンロード ウォルクリス・ファルコの頭突きで腹部に重傷を負った直後であるにも関わらずその場で手術を行い、自分がアギトの力に負けて暴走した弱い人間であっただけでアギトの力自体に善悪はないこと、その弱さに負けないように戦い続けるように翔一を諭し、無事成功する。
その後、氷川、翔一の活躍でアギトの力を取り戻し、トリプルキックでヘッジホッグロードを倒した。

その夜、真島の医者になるという決意を聞きお前ならできると励まし、コーヒーを頼んだ直後に眠るように安らかに息を引き取った。
死の直前に垣間見たと思われる幻の中の雪山で雅人と共に倒れるのではなく、食料を分け合って諦めずに雅人の肩を支え共に歩いて行く道を選び生涯を終える。

【余談】

アナザーアギトのスーツは使用された素材の関係上、『ディケイド』放送当時の時点で現存していないらしい。
だがエグゼイドスピンオフに客演した際にスーツが新造されたことで十数年ぶりに復活した。
現在では当たり前になってしまっているが当時はテレビ番組では「偽物ではない悪のライダー」という存在は珍しく(実際は主人公達と敵対しただけで、悪人ではないが)、強烈なインパクトを残し現在に至るまで非常に高い人気を持つ。
特にページ上部にも書かれた台詞は視聴者の心に残り、現在でも自分がマイノリティであることを自覚して主張する時に「~は俺だけでいい」という言い回しが仮面ライダーどころか特撮すら関係ない場所でも多用されている。

『仮面ライダージオウ』ではアナザーライダーという怪人が登場し、命名法則が「アナザー○○」というものもあり、元からアナザーアギトという名称で浸透していた本項目のライダーがどういう扱いになるのか、
ジオウ放送当初から注目を集めている。

最終更新:2019年04月11日 02:20