ロシュオ

「そうだ!これが『黄金の果実』。世界を思うがままに作り替える、『神の力』だ!」

【名前】 ロシュオ
【読み方】 ろしゅお
【声】 中田譲治
【登場作品】 仮面ライダー鎧武/ガイム
【初登場話】 第27話「真実を知る時」
【分類】 オーバーロードインベス
【ディティール】 不明
【特色/力】 他のオーバーロードインベスの統制?、地形すらも操る念動力?、物体を消滅させる力?
【動物モチーフ】 烏賊
【その他のモチーフ】 隠者

【詳細】

オーバーロードたちを統治する「王」。

ヘルヘイムの森のどこかにある遺跡の玉座にどっしりと構え、その場から他のオーバーロードに指示を送っている。
後述の経緯からか、好戦的な他のオーバーロードと違って達観した視線で物事を見据える冷静な思考をしており、人間との冷静なコミュニケーションも可能。
オーバーロードに寝返った光実からも、「誇りを重んじる」、「罪無き者には無闇に手を掛けない」と良心的な部分を認識され、(卑劣なレデュエに比べて)「信用できる」と称されている。
とくに「王」としての自覚と責任感が強く、結果的に人間と敵対する道を選んでも、それもまた「旧種族の長である自分が為すべき責務」と腹を括っている。

武器としては巨大な剣を掲げこれによる接近戦はもちろん、強大な念動力を有し振れることなく相手の変身アイテムを容易く破壊したり岩山を自在に開閉させるほどの念力、また無数の弾道ミサイルを制止させるどころか直後に音もなく消滅させるなど、人智を遙かに超えた力を持っている。

狂暴なデェムシュですら畏怖する存在で、戦闘中に劣勢になったことで逆上して我を失った彼に遠距離からテレパシーのような力で制裁を与え、強制的に撤退させた。
そして鎧武らを「異邦人」として手出し無用と釘を刺す。

第29話では仲間たちの裏切りで重傷を負い気を失っていた貴虎を、偶然発見して保護。
「異邦人と話したくなった」と意識を取り戻した彼とコンタクトを取り、自分たちやヘルヘイムの真相について語り始める。

その正体は、現在の「ヘルヘイム」と化した世界の住人「フェムシンム」の末裔にして、前回実った「知恵の実(禁断の果実)」を勝ち取った「ヘルヘイムの王」。
嘗ては現在の人間界のように「ヘルヘイム」の侵略から自分たちの文明を守ろうと尽力していたが、世界を救う手立てとなる「知恵の実」の獲得に成功するものの、選ばれた者のみを進化させる果実の本質が自分以外のフェムシンムたちの「弱き者たちは排除するのが当然」という選民思想を刺激してしまい、却って文明崩壊を促してしまったという経験がある。
従って自分の臣下であるデェムシュたちを「我らの歴史の中で最も強く、最も愚かな者たち」と皮肉り、文明の再建は半ば諦めている(なお、その経緯を貴虎に話している最中、何故か玉座の傍らにある石の棺を見据えている)。

自分たちの経緯を含めて貴虎に「知恵の実」のことを伝えるが、動揺する彼の姿から人間たちも自分たちと同じく「強さを求めて滅びの道を歩む種族」だと察し、敵意は見せないものの人類にも「知恵の実」を手にする資格はないと警告する。

しかし、実際には今回の「知恵の実」を既に手中に収めており、最初からそれを人類の元から取り上げて再び自らのエゴに使わんとしていた。
その目的は、玉座の傍らの棺に眠る「大切な女性」、つまり彼に黄金の実をもたらした彼の妻を蘇らせることで、本人は「70億の人間という民よりも価値のある人」と語っている(しかし、「知恵の実」の使い方=亡骸と化した王妃への食べさせ方が不明な現段階では、単に所持しているだけの状態にすぎなかった)。
だが、突然現れたサガラにそれが「ヘルヘイム」の仕来りに背くルール違反と咎められ、「チャンスの無い者に試練を与えるな」と警告されると交渉として「知恵の実」の力の一端から謎の鍵を作り出して彼に渡した(サガラ曰く「落としどころとしては妥当」)。

また降りかかる火の粉には容赦なく、レデュエの策略で自分に襲い掛かってきたシグルドを突風のようなサイコキネシスで変身能力をいとも容易く奪い去り、それでも自分の警告を無視して降伏しようとしなかったシドを赤子のように殺害してしまった。

しかし逆に言えば大願の「妃の蘇生」さえ叶えられるのならばそれ以外の事情に関心はなく、王としての「支配欲」は愚か、他の手段で可能ならば「知恵の実」も不要とも考えている(レデュエ曰く「(彼の心は)とっくに枯れている」)。
故にその点をレデュエに利用されているが、自らもそれを自覚し意図的に「口車に乗っている」とのこと。

それまで人類に干渉していなかったが、「滅びゆく種族」だと完全に悟った第35話では、自分なりの「慈悲」としてヘルヘイムから沢芽市だけでなく地球の各所にクラックを作成し、インベスや植物の侵食速度を速め、世界を更なる混沌に陥れた。

また、上記のサガラへ渡した知恵の実の一部は彼を通して紘汰に届けられ、彼を極アームズに進化させる結果を生んだ。
それを察知したレデュエから珍しく声を荒げて「自ら敵に塩を与えて間接的に同胞の滅びに加担している」と批難されているが、本人は「人類が本当に滅ぶだけの種なのか見極める必要がある」と返答した。

後に「人類を見極める」という要望に応えようとする光実の計らいで、彼から託された舞の身柄を預かる。
そして彼女の言葉から人間を見極めるべく、「知恵の実」を彼女の身体に埋め込み人間世界へ送り返した後、自体を把握したデュークの情報によりやってきた紘汰と戒斗を玉座で待ち受ける。

そして両者をサイコキネシス、接近戦で圧倒し、「知恵の実」の力で生命(インベス)を生み出すなど規格外の力を持って圧倒。
早々にバロンを戦闘不能に追い込み、なおも諦めず極アームズの力を使おうとする洸太に対し警告するも、彼は迷いを振り切り極アームズに変身。
だがその極アームズすら歯が立たず、カチドキロックシードを破損させるなど圧倒的な実力を見せつけ鎧武に引導を渡そうとするも、その隙をずっと伺っていたレデュエに背後からの不意打ちで致命傷を負わされ、「知恵の実」を強奪されてしまう。
しかし実は彼が持っていたのは「知恵の実」の抜け殻でしかなく、嵌められたことに激昂したレデュエにさらに嬲られ死亡した。

【余談】

シルエットのみだが回想によれば、長い爪や爬虫類の尾を思わせるポニーテールのような角など、「知恵の実」で進化した現在の容姿とは異なる姿をしていた模様。

名前を日本語に訳すと「白亜」。

全体的なイメージは『ウォーニングフルーツカクテル』によると、フードを被った「隠者」と「烏賊」。
他の幹部と違い、「ずっしりと構えて動かない」という印象から、「お殿様」の裃や袴をぶかぶかに着た姿をしている。

声を演じている中田氏は平成仮面ライダーシリーズ第12作目でナレーションを務めている。
東映公式サイトによれば、「本作を担当している脚本家が携わった某ファンタジーアニメに出演した経緯があり、その由縁でオファーが来た」らしい。

ちなみに前作にも、「一途に大切な肉親の蘇生のためだけに行動を起こしていたが、緑の部下の反逆に謀殺された白い首領」が登場した。

最終更新:2016年04月21日 20:47