妖怪エンラエンラ

「時代遅れなヤカンの妖怪『エンラエンラ』なんて、ほっといてくれよ!」

【名前】 妖怪エンラエンラ
【読み方】 ようかいえんらえんら
【声】 岩田光央
【登場作品】 手裏剣戦隊ニンニンジャー
【登場話】 忍びの11「シノビマル、カムバーック!」
【所属】 牙鬼軍団
【分類】 妖怪
【好きな物】 ダンス
【好きな場所】 公園
【攻撃力】 ★☆☆☆☆
【不思議な技】 ★★★☆☆
【イジケムリ】 ★★★★★
【集める恐れ】 人間の孤独や怖さに対する恐れ?
【妖怪モチーフ】 煙羅煙羅
【器物モチーフ】 やかん

【詳細】

何処かのゴミ捨て場に捨てられていた「やかん」が十六夜九衛門によって封印の手裏剣と融合され、牙鬼幻月の邪悪な妖気の影響で古来の「煙羅煙羅」伝承を受け継いで変化した妖怪。

「どうせどうせ」と常にぶつぶつ愚痴を呟く悲観的な性格で、自身の体を構成するやかんの内部にそのネガディブな感情を凝縮させた煙「イジケムリ」を生成し、沸騰して周囲に撒き散らすという厄介な能力を持つ。
この「イジケムリ」は吸引した人間(やオトモ忍)が本来持つ孤独や怖さに対する恐れを増幅させ、彼らも自分と同様にいじけさせる事ができる。なお、「イジケムリ」を浴びた人間はあまりにもネガディブな思考から人間不信に陥って簡単には説得に応じないが、逆に説得に成功して自信を取り戻しさえすれば、即座に術が解けてしまうらしい。

他にも開き直る事によってやけっぱちの焼けたヤカン火球を投げ付けて攻撃する事もある。

アカニンジャーとの戦いを所望する蛾眉雷蔵の頼みで九衛門によって誕生し、どこかのゴミ捨て場に腰かけてやさぐれていたが、自身の出現に反応して颯爽と現れたスターに上記の文句を叫び、さらに他のニンニンジャーも揃った途端に九衛門の手で巨大妖怪ガシャドクロが出現すると、その混乱に乗じて煙を撒きながら逃げ出す。

しかし、その煙をガシャドクロに応戦しようと推参したシノビマルに吸わせて敵前逃亡を促し、それを心配する天晴を町外れに陽動させることで、結果的に孤立した彼と雷蔵に誰にも邪魔されない戦場を提供するという九衛門の当初よりの作戦が成功する(この妖怪自身に自覚があるのかは不明だが)。

一方でガシャドクロをドラゴマルとロデオマルが退治している間にも町中を疾走しながら煙を散布して人間たちを自信喪失させ、さらにキやシロにも「イジケムリ」を浴びせる。
自棄になった二人が何処かの公園の遊具の中に引き籠ってしまう事態を招くが、アオとモモが日本の古代神話に準えてダンスと魔法の「レーガアリモ(盛り上が~れ)」で楽しい空気を作り出してキとシロを外に誘い込み、さらに天然なモモの「八雲君なんて忍術に自信がないから魔法ばかり使ってる」という実も蓋もない説得に変に納得したシロたちが自信を取り戻したことで「イジケムリ」の効力が切れてしまう(アオ本人は二人どころかスターにまで同情され、やや複雑な心境だったが)。

その後、アカ以外の5人と交戦するが、アオの「忍龍斬」とスターの「ライトニングロックスター」による同時攻撃を受け、倒される瞬間をスターバーガーで二人に激写されて爆発する(その際に「結局、仲いいじゃないか~!」と叫んでいる)。

その直後、九衛門の肥大蕃息の術によって再生巨大化する。
イジケムリの効果が切れたシノビマルも駆け付け、ロデオマルとのタッグと戦うが、合体したバイソンキングとシュリケンジンになす術もなく、最期はシュリケンジン・アッパレ斬りとバイソン・荒くれバスターを同時に受け爆散した(その際に「どーせ、オイラなんか普通に散るんだよ~!」と叫んでいる)。

戦いの後、蛾眉との死闘で傷付いたアカニンジャーは倒れてしまう。

【余談】

過去作に登場した煙の妖怪『煙羅煙羅』をモチーフにした怪人は「自らを煙に変えて物理攻撃を無力化させる」タイプがオーソドックスだったが、珍しく「煙を放出する」だけで、本体は気体化せずに原型を留めている。
また今まで「恐れ」を集めていた牙鬼の妖怪たちはいずれも、破壊活動や混乱を引き起こすことによる「(死や怪我に対する)恐れ」を狙っていたが、この個体はそれらと異なり相手の自信を揺るがすことによる「(不安と同義の)恐れ」を作り出していた。

声を演じる岩田氏はシリーズ第33作目でも妖怪をモチーフにした怪人の声を演じている(所属組織怪人も妖怪がモチーフになっており、煙羅煙羅をモチーフにした怪人が登場している)。

デザイナーによると、本来牙鬼の妖怪たちは前作のアンティークでレトロなシャドー怪人との差別化として時代の新しい器物をモチーフにする流れがあったので、製作側から「ヤカンで」というオーダーを聞いた当初は「電気ケトル」のことだと思ってたらしい。

最終更新:2015年08月06日 11:14