バグスター

【名前】 バグスター
【読み方】 ばぐすたー
【登場作品】 仮面ライダーエグゼイド
【名前の由来】 バグ(英:Bug)+モンスター(英:Monster)?

【詳細】

仮面ライダーエグゼイドに登場する敵怪人の総称。

人間に感染する新型のミクロ型コンピューターウイルス。
感染した人間の脳内に寄生し、その宿主のストレスによって増殖、成長、さらにゲームのデータを取り込むことで固有の姿を持つという性質を持つ。
一定の増殖がなされると宿主を「ゲーム病」にし、発症した人間を取り込むことで「バグスターユニオン」と呼ばれるデジタル3Dとして実体化する。
この姿は巨大な細胞がつながっているだけという異形の姿であり、細胞を任意で増殖させ腕を部分的に肥大化させるなど十分な戦闘力を持つ。
エグゼイドを始めとする本作品の仮面ライダーは「レベル1」と呼ばれる姿に患者とバグスターを切り離す能力を持ち、
これによって患者から切り離されたバグスターは、取り込んだデータに応じた姿を取るようになる。

怪人態はガシャットに収録されたゲームのライバルキャラクター、もしくはボスキャラクターをモチーフとし、
そのキャラクターに対応した特殊能力を持つ。
取り込んだゲームの性質が色濃く出る場合もある他、感染者のストレス元によっては極めて珍しい能力を持つことも。
取り込んだゲームのデータ元が分かればそのままバグスターの能力の解明に繋がることになり、
ゲーマーとして多くのゲームをやり込んできた宝生永夢はバグスターの外見から元になったキャラクターを瞬時に判別し、
どのような能力を持つかおおよその推測を建てることが可能だった。

人間に感染したバグスターはレベル1の能力で分離させたとしても、撃破し消滅させない限り宿主を苦しめ続ける。
ゲーム病患者の見た目は普通の病気の患者に見えるものの、専用の装備がないと発見及び対抗することは難しい。
そしていずれ感染者は消滅し、バグスターは現実世界で永久に活動できる体を手に入れることができる。

現時点で実体を得たバグスターは少なく、グラファイトバグスターポッピーピポパポ/仮野明日那ラヴリカバグスターが完全体と明言された個体である。
パラドは永夢に感染したバグスターであるが、後に人間の遺伝子を獲得した。
しかしこれが完全体といえるかどうかは微妙なラインであるため、完全体に含めるかは保留といったところ。

仮面ライダーに「レベルアップ」の概念があるようにバグスター側もレベルアップが可能で、第1話で倒されたはずのソルティバグスターレベル3に強化された姿で再登場した。
倒されるまでの記憶を持っており、後にインフルエンザが毎年流行するようにバグスターは倒されたとしても進化することでレベルアップし、強くなって何度でも復活が可能であることが判明。
一度患者と分離したことがあるためか、バグスターユニオンをすっ飛ばし最初から実体化が可能だった。

そしてレベルアップし復活する個体が連続する中、最初からレベル30以上という高レベルで、しかも患者と分離せず、直接その体を乗っ取って行動する進化タイプのバグスターが確認された。
ガットンバーニアカイデンチャーリーと、いずれもライダーのレベル3に変身するためのガシャットのデータから生み出されたバグスターたちである。
これらの進化タイプは宿主を取り込んで実体化するが、この手の怪人としては珍しくライダーの必殺技で撃破されたとしても宿主に被害はない。

バグスターの目的は完全体になり、この世の支配者として君臨する人間に成り代わり、世界の支配者になること。
その発生は6年前に遡り、幻夢コーポレーションの当時の社長、黎斗の父親が開発し販売準備していた10個のゲームガシャット、そのテストプレイ中に発生したとされている。
テストプレイ中の多くの人々がバグスターウイルスに感染し消滅するという「ゼロデイ」と呼ばれる事件が起こり、黎斗の父親はその責任を取る形で逮捕された。
10個のガシャットはプロトタイプのライダーガシャットであり、ゼロデイを引き起こした元凶だが現在幻夢コーポレーションの社長である檀黎斗は未だに隠し持っており、
それを見抜いた花家大我は檀黎斗に対し取引の材料にしていた。
ちなみにプロトガシャットは強大な力を持ち、バグスターウイルスが取り込むことでより強大な存在になれる。

ただし上記の発生経緯はかなりフェイクが混ぜられており、実際のところは本編より16年前、2000年問題を引き起こした新種のコンピューターウイルスを当時まだ14歳だった檀黎斗が発見したことまで遡る。
その時期に自分の考えたゲームの案を幻夢コーポレーションに送った宝生永夢の才能に嫉妬した黎斗は、返信としてバグスターウイルスを添付した試作ゲームを永夢に送りつけ、
それをプレイした永夢はゲーム病に感染してしまう。
ただこの時点では永夢はもちろんこのことを知らない上、ゲーム病の概念すら無かったため彼はそのまま成長し、6年前のゲーム大会で高校生となった永夢を目撃した黎斗は彼の体内でバグスターウイルスが成長していることを確認。
財前美智彦に依頼して徹夜のゲームが祟りゲーム大会で優勝しつつも倒れた永夢の体内から進化したバグスターを入手することに成功する。

前述のゼロデイは黎斗が画策したものであり、幻夢コーポレーション社長である父親を失脚させ会社を手中に収めることでガシャットの開発を自由に行える環境を手に入れるためと考えられる。

バグスターはゲームのキャラクターがモチーフであるが、それゆえに「ルールに乗っ取った上でゲームキャラとしての役割を全うする事」が行動の大前提にあると見れる。
その為生み出されていながら無意味に始末されたモータスに対しパラドが激怒するシーンがありつつも、ゲームキャラとして自分に牙を向いたリボルに対しパラドクスが必殺技で撃破しつつそれは対して気にしていない(思考ルーチンに呆れるシーンはあるが)。
また何度でも再生が可能であるため命に関する意識が低かったのだが、完全に存在を滅ぼすことが可能である仮面ライダークロノスが登場したことで、
その前提は覆されることになった。

現時点で10体+αのバグスターが存在し、25話にて仮面ライダーの持つ10本のゲームガシャットに由来するバグスターをエネミーキャラとした「仮面ライダークロニクルガシャット」が一般発売。
このゲーム内でも倒されたバグスターは復活する際にレベルが上昇する模様。
倒される運命にある敵キャラであるバグスターが人間を駆逐していくゲームという本質である仮面ライダークロニクルであるが、
そのデータはマスターガシャットで管理され、エネミーキャラとして登録されているバグスターはマスターガシャット側の操作でいつでも完全に消滅させることが可能になっている。

またすべてのバグスターを攻略した時、ラスボスとしてゲムデウスバグスターが登場するが、
他のバグスターと違い、ゲーム用に作られたNPCであり、設定された思考ルーチンによる行動を取るため、ここで紹介したバグスターとは性質がやや異なる。

【余談】

「特殊なコンピューターウイルス」という点で特命戦隊ゴーバスターズに登場するメタウイルス、もしくはメサイアとの類似点を持つ。
ちなみに「バグスター」という名称については、フランスに本社を置きバイク用品を取り扱っている同名のメーカーが実在する(現在の処、「仮面ライダーエグゼイド」などの関連用語をキーワードに加えずに「バグスター」という単語一つでネット検索すると、そちらの方が優先されてヒットしてしまうようだ)が、本作における名はあくまで「バグから発生したモンスター」という意味合いで、恐らく関連性はないと思われる。

「宿主となりうる人間の命と引き替えに実体を得る」という種族のスタンスはファントムと共通する。
一方で過去の平成ライダーシリーズでは、童子と姫の後に登場する魔化魍、イマジンが暴走したギガンデス、ファンガイアの死霊の集合体のサバト、その他一般の怪人の変異など、スーパー戦隊シリーズよろしく「等身大での戦闘後に巨大モンスターとの戦闘」という流れがオーソドックスであったが、本作では上述のように「まず巨大なバグスターユニオンとの戦闘を介して、実体化した等身大バグスターと戦う」という連戦必須の流れを汲んでおり、従来とはバトルプロセスが真逆と言える(実例が無かったがファントムもアンダーワールド登場時では巨大な怪物なので、彼らも同様に巨大→等身大の過程で変異してるのかもしれないが)。

最終更新:2022年11月13日 22:14