アンク

「お前達といる間にただのメダルの塊が死ぬところまで来た。こんな面白い…満足できる事があるか」

【名前】 アンク
【読み方】 あんく
【声/俳優】 三浦涼介
【スーツアクター】 永徳、藤田慧(腕)
足立夏海(OPダンス)
【登場作品】 仮面ライダーオーズ/OOO
仮面ライダー平成ジェネレーションズ FINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー
【分類】 鳥系グリード
【コアメダル(復活時)】 タカ×1・トラ×1・バッタ×1・カマキリ×1=4枚
【コアメダル】 割れたタカ
【カウント・ザ・メダル】 割れたタカ
【カウント・ザ・メダル(劇場版)】 タカ×2・クジャク×1・コンドル×1・クワガタ×1・カマキリ×1・バッタ×1・ライオン×1・トラ×1・チーター×1・サイ×1・ゴリラ×1・ゾウ×1・シャチ×1・ウナギ×1・タコ×1=16枚
【モチーフ】 タカ、クジャク、コンドル
【カラー】
【特色/力】 オーメダルの吸収・放出
【名前の由来】 ヒンディー語の「目」

【自身のコアメダルの枚数と形態の変化】

800年前の影響で右腕だけの姿で復活し、もう1枚のタカ・コアを持つ映司と遭遇(2枚)(第1話)
クジャクとコンドルのコアメダルを1枚ずつ入手。一瞬巨大な翼が現れたが……(4枚)(第20話)
オーズの体内に紫のコアメダルが憑依した影響でオーズドライバーから外れたコアメダルの内、コンドル・コアをウヴァに奪われる(3枚)(第31話)
軍鶏ヤミーとの戦いの後、その気の緩みをつかれアンク(ロスト)に吸収されてしまう(0枚)(第40話)
アンク(ロスト)が消滅したため、残りのメダルで右腕以外の身体も得た復活を果たす(5枚)(第42話)
その後、再び泉刑事の体を乗っ取り、羽ばたきで映司達を吹き飛ばした後ホルダーから転がりでてきたタカ・コアを取り戻す(6枚)(第43話)
紫のメダルを投入され、暴走した映司の攻撃でタカ・コアを奪われる(5枚)(第46話)
暴走した映司グリードを倒し、彼の持っていたタカ・コアを回収。しかし真木清人にほとんどのコアメダルを奪われ、さらに自分の意識の宿るメダルに致命的な損傷を負って…(3枚)(第47話)
メダルの器 暴走形態の崩壊に伴い全てのコアメダルが消滅したことで自身も消滅するが、割れたタカ・コアは映司が所有することとなった(0枚)(最終話)

【詳細】

オーズの主人公、火野映司に協力する鳥系グリード

タカのような頭部、孔雀の羽の意匠があり極彩色で彩られたボディ、コンドルのような鋭い爪を持つ下半身を持ち、完全体となると右側頭部から人間態時にみられる金髪の髪を思わせる装飾が生える。
巨大な翼を展開して空中を自在に飛行できるほか、炎を操り腕から火炎弾を発射する能力を備える。

800年前のオーズの暴走に巻き込まれ、自我を有するメダルと右腕のみ石棺に封印されていた。
その後、鴻上ファウンデーションが所有する美術館の倉庫に石棺が保管されていたが、何故か封印に巻き込まれたはずのタカ・コアが石棺の外に配置されており、その倉庫に侵入した泥棒の欲望に反応しコアの周りにあった十数枚のセルメダルを使って限定復活。
石棺の内部にあるであろう自分のコアを入手し完全復活するために棺を解放したが、封印に巻き込まれたのが右腕だけだったため棺の内部に他の鳥系コアは存在せず、結局復活できたのは右腕だけとなってしまった。

身体を構成するコアメダルはタカ・コア、クジャク・コア、コンドル・コアであることが確認されているが、それらがどこにあるのかは当初は不明であった。

第30話の回想シーンで完全体が登場。

【仮面ライダーオーズ/OOO】

身体を構成し復活するのに必要な鳥系コアメダルが他のグリードに比べ著しく不足し、不自由が多く活動もままならないために第1話でカマキリヤミーの攻撃に巻き込まれ瀕死となった刑事、泉信吾の身体に憑依し行動している。

行動及び戦闘も満足に行えない右腕の状態ではメダル集めには不向きなため、「使える馬鹿」として目をつけた映司に800年前の「王」が使用していたオーズドライバーと自分のコアメダル1枚を含めたほかのグリードのコアメダルを与え、オーズに変身させヤミーを倒すことでメダル集めをさせている。
右腕のみという状態であるため戦闘力は皆無に近く、よく泉刑事の体を抜けて腕だけで浮遊しているがこれは腕に生えた小さな翼によるもの。
攻撃を受けるとすぐに不完全の部分が広がり飛行もままならなくなってしまうばかりか、一気にセルメダルを放出すると著しく疲労する(第9話より)。
耐久力も低く、入手したコアメダル及びセルメダルは腕の中に取り込んでいるがちょっとした衝撃ですぐに吐き出してしまう(実際第11話ではガメルがぶつかっただけでタコ・コア2枚を吐き出した)。
そのため第17話で比奈から送られたメダルホルダーにメダルをセットし持ち歩くようになった。

また、鳥系怪人故か高いところを好み、よく木やコンクリートの壁の上など高いところに飛び上がってはオーズの戦いを監視していることが多い(クスクシエで割り振られた自室でも椅子をわざわざ高くしてそこを定位置としている)。
自分が「利用できる」と思った人物を始めとして基本的に誰に対しても横柄な態度は崩さないが、得体の知れない人物を嫌う傾向があり、鴻上、後藤、真木、伊達などには初対面から敵意をむき出しにしている。

物事に執着しない映司とは対照的に計算高く、がめつい性格で自分への執着が強い。
またメダルの枚数チェックを細かく行い、セルメダル1枚とて無駄遣いは許さず、セルメダルを無駄遣いしたとして映司を詰問するシーンが存在するほど。
その目的は自分を含めた他のグリードを含めたコアメダルのほぼ全てを手に入れ、あらゆる欲望を果たす存在、一種の神になること(第16話では二度とばらばらになることのない「もっと強い身体を手に入れる」と発言している)。

そのために利用できるものは全て利用し、モバイル機器を集めていた泉刑事の持つ電子機器を使って情報を集めいち早く現代に適応する学習能力の高さを持つ(本編中でもよくいじっている)。
また泉刑事の記憶を読み取って現在が800年前とは勝手が違うことを理解、人間の進化を認めつつも自分の欲望に忠実に動き、目的のためには窃盗などの犯罪も厭わないため映司とは衝突することが多い。
しかし映司もアンクも「ヤミーを倒す」という一点のみ、お互いに強い信頼関係にある。
学習能力は高く、現代の文字や漢字もすぐに覚えるほど知能は高いが非常に短気なのと自分の要求を押し通そうとするため交渉が苦手(一方映司は得意)。
グリードの幹部の1人だったが、800年前の真実が影響して仲間からは嫌われている。
800年前、オーメダルの力を取り込んで神に近い存在になることを望んだ「王」に協力していたアンクだったが、アンクを上回る欲の塊であった「王」はアンクを含めたグリードのコアメダル全てを取り込もうとし、結果暴走して石化し石棺と化してメダルを封印してしまった。
その影響で右腕と自我が「王」に取り込まれ封印されてしまったが、残った身体は確固たる存在としてミイラ化した状態でその場に残り(アンクはメダルに分解したと思っていた)、それを鴻上が回収。
そのミイラは鴻上がコンドル・コアを引き抜いたことで800年もの間蓄積された「自分を求める欲望」が解放され、アンク(ロスト)として復活を果たす。
なおアンクが憑依している泉刑事は、当初アンクが分離すると10分も持たないきわめて危険な状況にあった。
自由自在に分離できるものの、誰かが少し強く引っ張ると腕が抜けて憑依が解除されてしまい再び瀕死状態となってしまうため映司や比奈に対する人質の役割も担っていたのだが、後にすこしずつ回復しており完全に元の体調を取り戻している。
また、憑依した状態であっても食物を摂取することも可能で、泉刑事の身体で食べたものはきちんと泉刑事本人に反映されアンク自体も味を感じることが出来る。
復活した当初口にしたアイスキャンディーを気に入り、3本まとめて食べていたり、子どもが手にしていたアイスキャンディーを後ろから強奪したりするシーンが存在し、クスクシエでも大量のアイスキャンディーを食べたあまり映司に高額の請求書がつきつけられた。
第15話では火野映司と泉比奈救出優先、コアメダル奪還優先とで衝突したが、アイスキャンディー1年分という条件にあっさり折れており、「アイスキャンディー>コアメダル」という図式になっている模様。

ここまでアイスが好物なのは、グリードは欲望を感じるルーツが弱いため味覚がなく味を感じる事は本来できなかったが、泉信吾の体に憑依して初めて味を感じる事が出来たからである(ある意味ではグリードが最も叶えたい欲望をいち早く叶えられた者であると言える)。
そして信吾に取り憑いたことでより人間に馴染んでいき、終盤ではクスクシエで暮らした日々は忘れられなくなる。
物語が進むごとにに映司や比奈からの扱いが悪くなっている他、映司からの説明を聞いた知世子の積極的なスキンシップもうっとうしく思っている。
しかし間接的に比奈をカザリから助けたことで前述のメダルホルダーをプレゼントされ本人もまんざらでは無い表情をしていたことから、徐々に良好な関係を築けるようになってきている。

名前に関しても第17話以降、何故か伊達明から「アンコ」と呼び間違えられることが多くなった。
アンク自身はそれに激怒し何度も否定しているが、伊達はそれを直そうとせず、諦めたのかアンクも反論しなくなっていった。
第38話で伊達が海外に向かう際、伊達の「アンコ」という発言に対して久々に「アンクだ」とツッコんでいる。

第32話では紫のコアメダルを取り込んで倒れた映司の身体を心配するような素振りを見せ、第40話では比奈から泉信吾への誕生日プレゼントを受け取るなど交流を深めており、彼本人が如何に怪人で人間でなくとも3人が過ごしてきた年月が彼の中で代えがたい存在になってきたことを自覚するようになる。

第35話にて少しずつ回復していた泉信吾の人格が意識を取り戻すレベルにまで来たため憑依することが出来ず、まるで捨てられた子犬のごとく辺りを放浪。
しかし、結果として再び泉刑事の身体に憑依している。

第39話では夢を見ないはずのグリードでありながら何故か「夢」を見て、しかもそれが映司に裏切られもう一人の自分に吸収される悪夢であったことから動揺。
同時に出現した軍鶏ヤミーに対処し、それを撃破するも帰宅したその気の緩みをついて出現したアンク(ロスト)にコアメダルを吸収されていき、全てのメダルを奪われ遂に一体化されてしまう。

その後はなおも意識を保っていたが、ついにその意識は消失。
だが、第42話にてオーズがアンク(ロスト)に致命傷を与えて撃破し、ロスト側の人格が消滅したため、残されたコアとセルを取り込んで復活を果たした。
この時、泉信吾の姿を模した人間態をとっていたが、コアメダルを破壊された影響で右腕以外はすぐにセルメダルに戻ってしまい、再び泉信吾に憑依しその姿を固定。
身体こそ形成できないが、力を使うとき展開する翼は両翼となり、ヤミー作成や火炎弾の発射などを行っており、ついに完全体化を果たした。

3枚もメダルを破壊され完全体になることが永遠に叶わなくなったため第43話にて真木と接触を図り、自らを真木が目指す全てのコアメダルを集中させる「器」にするよう持ち掛け、ハゲタカヤミーを使ってセルメダルを集めウヴァを復活させた後一味と合流した。
第44話でグリードを引き連れオーズに襲撃をかけるも、自分が作った集団をアンクに奪われそうになったカザリはアンクを敵視しており、完全体化したカザリの無差別攻撃で、少なくともタカ・コア1枚を奪われて退散。

第45話では、あくまでコアメダルとセルメダルが集まったモノでしかなくメダルに執着する「グリード」という存在につくづく嫌気が差したようで、信吾の肉体をコアメダルの器とすることで進化すると映司に語り、カザリの遺したコアメダルを左腕から取り込んで見せた。
その後、真木から残りのコアメダルを全て与えられるが、メダル集めにのみ執着する他のグリードに激しい嫌悪を見せて(真木からは「同族嫌悪」と揶揄された)渡されたメダルをばら撒き、一人去っていった。
グリードがメダル集めに執着するのはかつてのアンクそのものであり、考えが大きくグリードのものから変化しつつあることが伺える。

クスクシエに戻ってアイスを口にし、これまでのことを思い返しながら店にやってきた比奈と遭遇。
「どっちかは戻ってくるかもな」と意味深な言葉を口にしてガメル完全体に吹き飛ばされ海にまで流された映司の前に現れる。
彼と波打ち際での激しい戦いの末グリード態となり、真木からコアメダルを投入され暴走しグリード態となった映司と激しい戦いを繰り広げる。
その末に映司に止めをさそうとしたが、波打ち際でのドッグファイト中に投げかけられた「ありがとう」という言葉を思い出し、攻撃を外してしまう。
さらに気を失った映司に止めをさそうとする真木を止めたことから彼に見限られ、吸収したコアメダルを全て奪われた挙句に存在維持に必要なタカ・コアに致命的な損傷を負ってしまい、それをやってきた比奈に伝える。

結局映司と比奈と過ごした日常を捨てきれず、「満足」していたことを自覚。
世界の終末を止めるために奔走する映司を止めるため、彼の元へと駆けつけようとするがメダルに入ったヒビを映司に知らせず恐竜グリードとの最終決戦に望む。

プトティラコンボの攻撃から復活した恐竜グリードに止めを刺すため自分のコアメダルを全て映司に与え、恐竜グリードの攻撃を自らの翼で防ぎ、恐竜系コア7枚のギガスキャンを自身の炎で援護した。
恐竜グリードに発生したブラックホールにメダルが吸収されていき、ひびの入ったコアも割れてしまう。
しかし、映司、そして比奈の前に現れたアンクの幻影、それが落としたメダルは砕かれてもなお形を保っていた。
確かに映司達との日々で「命」を得たアンクは、最期にグリードではない存在となり彼がほしかったものは手に入ったのだろう。
その後、旅する映司の傍らに幻影の右腕が姿を見せていた。

【劇場版での扱い】

『仮面ライダー×仮面ライダー オーズ&W MOVIE大戦CORE』では本人曰く「苦労して見つけてきた」とクジャクとコンドルのコアメダルを1枚ずつ入手し(これを探していたため映画での出番は非常に少なく、どこで見つけてきたのかはわかっていない)、鴻上がクジャクとコンドルのコアメダルを1枚ずつ所有して、残りのコアはアンク(ロスト)になっていたことが判明する。
同作では右腕だけの形態で対面したため、ダブルCJXに変身していた翔太郎に「おばけ」と怖がられていた。

『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』では40年前に移動するデンライナーに強引に乗り込んで他のグリードが目覚めていない状態でメダル総取りを企むも結果として失敗。
身体から零れ出たセルメダルが切っ掛けで歴史が大きく変わり、2011年の世界がショッカーに支配されてしまう。

『仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦MEGAMAX』ではTV本編の後日談として登場。
日本に帰国した映司の前に姿を見せて彼と合流、映司に化けてポセイドンからコアメダルを奪取するなどの活躍を見せた。
誰もがアンクの復活を喜んでいたが、映司だけ浮かない顔をしている。
オーズ編のラストでは隕石によって生じた歪みにより、ポセイドン同様に40年後の未来から現れたアンクであったことが判明し、映司が浮かない顔をしていたのも砕けたメダルが彼の手元に存在したままだったからであった。
それは未来でアンクが復活する事の暗示で、希望を持った映司は再び旅に出る。

『仮面ライダー平成ジェネレーションズ FINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー』では、が複製したコアメダルから完全体が出現。
他の複製グリードと共に作り出され世界崩壊のカウントダウンが迫る中、火野映司に襲いかかるが、彼の持つ割れたタカメダルが呼応し、複製体の意識を乗っ取る形で復活。
オーズと共に最上魁星の野望を打ち砕き、戦いが終わると「今日のアイス」の味を堪能しどこか悲しげな表情を浮かべつつその姿は消え去った。

【余談】

アンクの声及び人間態を演じる三浦氏は『超星艦隊セイザーX』にてケイン・ルカーノ/ビートルセイザーを演じ、アンクはケインとは180度違うキャラである。また怪人化している右腕だけで屑ヤミーと戦うことがあり、共演者の渡部秀からは「さすが一回地球を守っただけのことはある」(ビートルセイザーとして宇宙海賊デスカル及びネオデスカルと戦ったこと)と感心されている。

また、『仮面ライダーディケイド』でもファイズの世界において百瀬役としてゲスト出演している。なお『海賊戦隊ゴーカイジャー』のバリゾーグを演じる進藤学氏は『セイザーX』でイーグルセイザーアドを演じており、奇しくも同時期に放送される東映特撮にて、過去に別会社制作の特撮作品で主人公格の二人がそれぞれ幹部級怪人を演じることとなる。

最終更新:2024年03月03日 02:27