安楽死


※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

法学部演習⑤ 伊藤 渉
末期医療の諸問題

関寿美奈 冨永裕美 早川香織 藤村佳世(企業法学科4年)
斉藤貴之 山本和弥 松本夏樹(企業法学科3年)
Ⅰ.序論
 近年末期医療の進歩により果てなく延命がはかられ、死にたいする概念があいまいになり、植物人間、脳死・臓器移植など死に関する論議が活発になった。
 日本医師会の公表した「末期医療に臨む医師の在り方」では、回復の見込みがない患者の延命治療を本人の希望によって打ち切る「尊厳死」は認めるが、薬物などで積極的に死をもたらす「安楽死」は認めないとした。
安楽死は様々な形態に分類されているが、総括すれば「安楽死とは、苦痛を訴えあるいは人間の尊厳性を求める不治の末期患者の要請に応じ、医師その他の他人が、積極的あるいは消極的手段で患者を死に至らしめること」といえる。
 臓器移植に関しては平成9年に「臓器移植に関する法律」が成立 、施行された。これにより「脳死したものの身体」からの臓器移植が法的に認められるようになった。

 間接的安楽死とは、鎮痛薬の継続的投与による苦痛緩和・除去の付随的結果として死期が早まる場合をいう。
 間接的安楽死は適法であるという結論でほとんどの学説が一致している。医学的適応性・正当性、患者の同意があるとき、適法な治療行為として違法性を阻却するとする。

 消極的安楽死とは、末期患者に対して生命延長・維持のための積極的治療を差し控え、または停止するというものである。末期医療の現場で日常的に起こる問題であり、意思能力の無い患者に対する生命維持治療の停止、また停止可能な治療の種類と時期などの問題があり、濫用の危険を考慮する必要がある。

 積極的安楽死とは

判例
【名古屋高裁昭和37年12月22日判決】において、「1現代医学の知識と技術からみて不治の病でその死が避けられないこと、2病者の苦痛が甚だしいこと 3もっぱら病者の死苦の緩和の目的でなされたこと 4病者の意識表明ができ、本人の承諾のあること 5、医師の手によることを本則としまたは医師により得ないと首肯するに足る特別な事情があること6、その方法が倫理的にも妥当なものとして容認しうるものなること」の6つの要件が備わっている場合、安楽死を認めうるとした。しかし「倫理的」という言葉の曖昧さが批判された。

【東海大学安楽死事件】(横浜地裁平成7年3月28日)
 東海大学大学病院で昏睡状態の患者の治療に従事していた医師は、親族から治療の中止を強く求められ、患者に殺意を持って塩化カリウムを注射した。患者は死亡し、医師は殺人罪で起訴された。判決では、安楽死として許容されるための要件として1患者に絶えがたい激しい肉体的苦痛があること2患者は死が避けられずその死期が迫っていること 3患者の肉体的苦痛を除去・緩和に代替手段がないこと 4生命の短縮を承諾する患者の明示の意思表示があることをあげた。 そして本件では1,4を満たさないとした。