五節 忠誠と野心41

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「覚えていてくれたんですね……」 辿々しい、足取りで彼女はセシルに近づく。 「それに戻ってきてくれたんですね……ずうずうしいかもしれませんが私はあなたは絶対に返ってくると…… 絶対にこの国を変えてくれると思っていました」 「君こそ……早く、離れるんだ」 その指示に彼女は黙って従った。 「さて、どういう事だ? ベイガン」 その姿を見送った後、セシルはまたもや厳しい口調で問いつめる。 「全て、その二人の思った通りだ。私は人間ではない……」 「君もゴルベーザに……」 「ゴルベーザと……我が主をそのような呼び方で呼ぶのは、あの方は私に素晴らしい力を与えてくださったのですよ。 こんなにもね!」 手が、ベイガンの両腕がゆっくりと異形の形へと変化していく。その手には目と口がある。 そして……ベイガン自身もその顔を魔物のものへと変えていく。 「では……ここからが本番だぁ!」 低く、淀んだ声でベイガンが言った。 「ベイガン……本当に、それでいいのか?」 セシルはそんな彼を哀れむように見て、聞いた。 「それは君の力でも何でもない。なのに……」 「ははは……主君の命じたからさ! そう、ゴルベーザ様の命ずるところ……忠誠の結果であろうか」 「でも、こんな事は!」 「間違ってると言い切れるのか! 見れば貴様も王の暗黒剣の力を捨てたのではないか……ならば私と同じでは ないか!」 「そんな事は……断じて! 違う……」 最後まで、言葉の勢いを保つ事ができなかった。だが、この状況で何とか言い切った。 「僕は国の為に……かつてのこの国の為に戦う!」 「私も同じだ。この力を与えてださった者の為、そして今の国の為に……」 激突は避けられなかった。確かに、お互いに忠誠の為に戦う。しかし、その形は完全にすれ違っていた。 「ならば僕も……君を倒すしかないようだな……」

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