穿つ流星4

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「無事か!」 ゴルベーザとテラ。二人に割って入る影が二つ。 「テラ殿!」 「お前たちか――」 くぐもった声で返すテラ。 「すまなかったな! 少し遅れてしまった!」 その理由は最前までの戦いのただならぬ雰囲気のテラに気後れしてしまった為なのだが……その事に一切悪びれること もなく、むしろ朗らかにシドは言った。 「私達も加勢しますぞ!」 ゴルベーザという巨大な敵との決着を感じ取ったのだろうか? 珍しくシドに負けぬ勢いでヤンが鼓舞の言葉を上げた。 「そうじゃ! セシルがおらぬが、一緒に戦えばやつとて――」 「いや――私は大丈夫だ――」 だが、老魔道士から出た言葉は、勢いづく二人の期待を無下にするものであった。 「なんだ折角来てやったのに!」 出鼻を挫かれた。怒りというよりもがっかりと言った感じの台詞であった。 「直に呪文は完成する。そうなれば周りの被害もひどい、何所か身を隠せる場所へと隠れておくのだ」 「ですがそれでは……」 テラの説明は不十分なものであった――実際、試練の山でテラと落ち合いメテオの存在を知っているものは、当の本人を除いて ここにはいない。メテオ――その言葉の意味を知らぬのでは今テラが何をやろうとしているのかは完全には理解できないであろう。 「お前の身ももたぬぞ」 だが、道程の途中とは言え、その大半をつきあった二人だ。説明されずとも、言葉の意味を知らなくても、 段々と彼が何を考えているのかが分かってきていた。 「急げ! 奴の攻撃を続いている!」 三人のやりとりの間にも猛攻は続いていた。今はテラのはった障壁が身を守ってはいるものののんびりしていいものではない。 「私の負担になるつもりか!」 有無を言わせぬ物言いに、二人はただ黙って従うしかなかった。 「邪魔が入ったが……」 この場より遠ざかりつつある仲介者達への恨み節を吐きつつも、ゴルベーザは詠唱の邪魔をしようとする。 だが一向に障壁を貫ぬけない、いや……何度かはテラへと攻撃が当たっているはず。 「まさかこの老いぼれめ――」 把握した。正式には把握はしていたがそこまでのリスクをおかすとは。 「死ぬつもりか」 もはやあの生命力でここまで魔法を行使するなどできない。 「くらうがいい! アンナの痛みだ!」

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