穿つ流星10

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カインを抱えての半壊した機械塔の登頂は終わりを迎えた。 最上階――おそらくここにローザはいる。そう……遂に三人がそろう時がきたのだ。 バロンの門出から此処まで、きちんとした形で向い合うのは初めてだ。 「テラ」 だが……その前にもう一つやらねばならぬ事がある。 今までのセシルの長い旅路の中に、付き合ってくれた仲間――その一人である老魔道士テラ。 彼はどうなったのであろうか? 封印されし究極魔法メテオ。 テラがそれを行使した事は最前のゴルベーザとの会話でわかっていた。 そして、その事実が何を意味するのかもセシルには理解できていたのだ…… 最も今のゾットの崩壊っぷりをみればただならぬ事がおこっているのは理解できるであろう。 最上階には今までの狭苦しく張り巡らされた迷路とは違い、がらんどうとした大広間が広がっていた。 下の階へと続く階段と最深部へと続く扉以外には何もない殺風景な場所だ。 「テラ……!」 下の階でもあの荒廃っぷりだ。事の元凶であろうこの場所は他の場所と比べても、一段と崩壊している。 粉塵は大量に舞い、息苦しい。先を見通す事は更に厳しい事だ。ましてやそんな場所で人を探すなど殆ど不可能 と言ってもいいくらいだ。 「テラ!」 だが、セシルはその名を呼び続けた。 彼は間違いなく此処にいる。確信があった。それに、一刻も早く彼に合わなければ手遅れになってしまう。 「セシルか!?」 何所かから自分の名を呼ぶ声が聞こえてきた。 「シドか? どっちだ!」 「こっちじゃ」 シドの声が終わる頃には走り出していた。 カインを抱え、降り注ぐ粉塵の中を歩く。見通しの立たない視界にもやっと慣れてきて、周りが良く見えてきた。 「テラ」 ようやくの思いで辿りついたシド達の元には想像通りの光景が広がっていた。 シドとヤン。その二人の中心にいる人物テラ――まるで二人に看取られるかのように地面へと寝そべっている。

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