終わりの始まり5

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何故自分は眠り続けていたのだろうか? 単純に疲れていたのかもしれない。最近、僅かな時間の間に目まぐるしい程に沢山の事があった。 体が純粋に休みを欲しがったのかもしれない。 「僕はどれくらい眠っていたの?」 「そうだな……今日で丁度一週間ってところだ」 一週間――長いようで短い時間だ。 「皆は?」 とりあえず、ゾットにいたメンバーだけにも自分が目覚めたという事実は伝えておかなければならない。 「それなんだが……」 軽い気持ちで聞いたつもりであったが、シドの顔は最前に増して緊張の色が強くなっている。 「ヤンは一旦ファブールへと帰国した。このご時世だ、一体いつ何が起こるかわかったもんではないからな。そしてカインなのだが――」 ここからが本題だといわんばかりに間を開ける。 「ゴルベーザについて色々と調べ事をしているようだ。お前にも話したい事があるそうだ」 「僕に?」 「ああ、儂も詳しくは聞かされておらん。だから詳しくは直接あやつの口から聞くのだ。その前に――」 続く、シドの言葉に先回りしてセシルが答える。 「ローザですね」 「そうだ。ローザはまだ街の方にいる。迎えに行ってやれ、そしたらここに戻って来い」 「わかったよ」 先程の会話の流れで、シドが眠り続ける自分をどれだけ心配しているかは充分に分かっていた。 ならばローザは尚のことだ。早く元気な顔を見せてあげるのが一番良い事であろう。 そう思うと、セシルは足早にバロンの町へと駈け出した。

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