エブラーナ2

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シドの決死の決意もあって無事逃げ延びたセシル達一向はそのままドワーフ王の城に帰ることはなかった。 脱出の際、飛空挺が無傷で帰還するのは不可能であった。シドが内部の敵を引きつけていたとはいえ 陽動部隊と戦っていた塔の外の戦力もまだ残っていた。逃げるセシル達を見て、みすみす見逃してくれる はずもない。シドの欠けた飛空挺では攻撃をさばき切ることだけで精一杯であった。 撃墜されなかっただけでも幸運であったと思うべきであろう。 何にせよ、傷ついた飛空挺でそのままドワーフ城に帰るのは危険であった。何処かで一旦着陸して安全な場所で 修理をした方がいい。 幸いにも、バブイルから少し離れた場所にはメテオによる<傷痕>があった。丁度、敵の追撃も弱まったところだ。 ここから一旦地上に行って態勢を立て直せるだろう。不慣れな地底よりも地上の方が飛空挺を自由に動かせる。 そう判断したのはあの若い技師であった。 若い技師の顔をセシルは知っていた。勿論、向こうも此方の事を知っていた。 彼の名前はヨップ。シドの弟子の技師の中でも腕が良いと評判の技師であった。 バロンで拾われ育ち、シドとは長い付き合いであったセシルは任務の時以外にも飛空挺に乗せてもらう時が 何度かあった。 実際には新しい飛空挺を飛ばす為の<実験>とやらであり、要はシドに付き合わされていたのだが。 その時、弟子としてセシルと同じく船に乗船していたのがヨップであった。 技師としてシドを尊敬しつつも、破天荒な性格に振り回されているという点で共感したのか、以来何度か顔を 合わせると会話が弾む事もあった。 バブイル脱出の際に気づかなかったのは、彼がドワーフの兜を目深く被っていたからであろう。 最も、ヨップの方はセシルを以前から知っているようであった。バロンにおかれた学校。彼もそこにいた時が あったようだ。その時にセシルの噂は聞いていたそうだ。勿論、セシル自体は彼の存在を知っていた訳ではない。 いや……もし話しかけられたとしても、当時の自分は黙ってあしらっていたであろう。既に記憶の中に曖昧に なりつつあるが、学校時代のセシルはローザとカイン、それも彼らだけといた時にしか口を開いた事が無かった。 そんな状況でさえ、身寄りも家柄も無い自分を場違いだと常に思い自重し続けていたのだから…… -[[エブラーナ3]]

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