エブラーナ4

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そして家老が語るにはその地下通路は、<地下一杯>の名に恥じぬ程の広さであり、エブラーナの民であっても 未だに把握できていないそうなのだ。一節によるとエブラーナ国にそびえ立つ謎の巨塔バブイルへと 続いているのではないかと噂されている。 「あくまで噂ですが……それに塔へと続くと言われている道は我々ですら未知の領域。整備も行き届いておらぬ上、魔物 達がはびこっている。危険な道のりになるのは間違いないでしょう……」 老人の不吉めいた言葉はセシル達を引きとめようとしているのだろうか? それとも何か試そうとしているのだろうか? いずれにせよ、残された道があるのならセシルは賭けてみたいと思っていた。勿論、後先考えずに突入し可能性の低い戦いを 挑むつもりもないのだが。 迷う事は無かった。それはカイン達も同じであった。 「安全なところまででいい。案内してください」 老人の会話に同行していた仲間達の了承を得てから、すぐさまセシルは切り出した。 「なんとっ……! いくというのですか……」 断ると思っていたのだろうか、あるいは少しの躊躇も無かった事に驚いたのか、老人は声を荒げた。 「いいでしょう案内しましょう……後一つお願いがあります……」 しかしそこまで言って老人は声の勢いを弱め――。 「いえ……やはりいいです。セシル殿達の手を煩わせてしまうかもしませんから……それにもう手遅れかも しれませんし」 消沈し言葉を下げた。それは追及を許さぬ沈黙であった。 -[[エブラーナ5]]

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