エブラーナ9

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「おい大丈夫か!!」 カインがやや乱暴な声をかける。 生きているかどうかの確認だろう 「くっそ……あの野郎止めを刺さずに帰りやがった」 そう言って立ち上がろうとしてがっくりと膝をおろす。 「ならば話は早い――」 「へっ! このまま帰って傷を癒せってか。冗談じゃないね!!」 続くはずのカインの言葉を言葉になる前にかき消す。 「まだ終わりじぇねえぞ……ここから第二試合の開始だぜ……」 「だったら――」 薄暗い洞窟の中、男たちの会話に場違いな声が割り込む。 「リディア」 蚊帳の外にしていたがどうやら追いついてきたようだ。 「私達もあいつら――ルビカンテ達と戦ってるの……協力したほうが……」 「御免だね!」 少女と女性の中間点を彷徨う彼女の台詞をエブラーナ忍者の怒声がかき消す。 「手を出すな! 奴は……俺が……この手でブッ倒す!」 「その傷でか」 感情的な忍者をあくまで冷静な竜騎士の言葉が響く。 「相手は四天王最強ルビカンテだ。それにそのまま行っても同じ結果になるのが目に見えている……」 「なんだと!」 「あくまで冷静に分析して言っているんだぜ。王子様」 「なっ!」 「そうだろうエドワード・ジェラルダイン王子」 どの名前にはセシルも聞き覚えがあった。 -[[エブラーナ10]]

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