月へ3

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「あの野郎っ! なんてことをしやがる!」 夜の静けさはあっという間にかき消された。一大事なのだ。ジオットはすぐさま緊急招集をかけて会議室へと 皆を集めた。 「エッジ落ち着いて」 怒りを露わにするエッジをリディアがなだめる。 「でもよっ! 折角一緒に戦う仲間だったのによ……一体どうして」 「だからって……でも……セシル……」 段々を返答に困りセシルに助け舟を出すリディア。 「カインは最初から僕達の敵だったのかもしれない……」 「セシル!」 リディアがセシルを叱咤する。当然だろう。 他人事とはいえ親友にそんな酷い事をいうのは怒って当然だ。 「御免なさいリディア。セシルもショックなのよ」 「分かってるわ、でも……」 ローザが助け舟を出してくれて、リディアも食い下がる。 (ごめんリディア) 声にする力がないので心でリディアに謝罪する。 ローザの言っている事は本当だ。ショックを受けているという事。 しかし、それ以上に他の考えがセシルを支配していた。 おそらくカインはまたゴルベーザに操られたのだ。それはカインの心の何処かに未練があったからではないか? そして、ゾットでカインが言った言葉。意識はあったのだ―― さっきカインが立ち去る時に言った言葉。俺は正気に戻った―― ゾットでの自分はあくまでカインを助けるつもりで剣を交えた。だが、今回はカインを倒すつもりで剣を交えないと いけないのかもしれない。 -[[月へ4]]

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