明かされる想い 目覚める力9

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「バブイルの巨人!? なんだそりゃ!?」 「先ほど我々の滅びた星の戦争、その時の最後に使われた兵器だ。戦火に投入されたバブイルの巨人は全てを薙ぎ払った……我々の星が 滅びた直接的な理由となった……そこまで戦争をエスカレートさせ強力な兵器を投入した我々なのだが」 「なんでそんなものが残ってるんだよ!」 「星の脱出の際にゼムスが持ち込んだのだ……思えば最初からゼムスはこのような事を考えていたのかもしれんな」 「じゃあなんで、そのゼムスを封印した際に壊してしまわなかったんだよ!」 「もっともだ。だが、巨人の力は我々の星が滅亡した直接的な理由。多くの者が触れる事すら恐れ、そのままにしておいたのだ。強大な力を もってはいても所詮は無人兵器。動かさなければ問題はないと思ってな」 「結局、残った穏健派の連中も力を捨て切れなったってことじゃねえか!」 「そう取られても仕方がない。事実、巨人の力を青き民との交渉に仕えると思ったものも眠っている同胞達にもいなかった事は否定できん」 「いつもいつも力を誇示して上から目線で優位に立つ! それで本当に共存なんかできるのかよ! 俺達だけじゃなく、あんた達月の民の方にも 反省して進化するべきところが山ほどあるんじゃないのか!」 「エッジ! 気持ちは分からないでもないけど」 ローザの叱咤は怒りつける訳でもなく咎めるわけでもなかった。 「今は争っている場合でないわ! ゼムスの目的が本当ならば、彼と操られているゴルベーザの目的は既に達成されている事になるわ。つまり・・・…」 「巨人が既に青き星に向かっている!」 「そんな……」 リディアががくりと膝をつく。 「こうしちゃいられないぜ! 急いで青き星に戻らねぇと!」 「待て!」 脱兎のごとく外へ向かうエッジをフースーヤが呼びとめる。 「私も付いていこう!  青き星とそして月の民の為に!」 「エッジ……」 リディアもローザも反対する素振りは無い。だとすると異論があるのは月の民の行動に異論を付けていたエッジだけだ。 「仕方ねえな……あの竜騎士がいなくなって今は一人でも戦力がほしいしな。それにあんた達のやってきた事は否定したが、目指そうとした事は 間違っているとは思えねえ。そのやり方が問題だっただけでな」 「あり難い……バブイルの巨人を青き星に降ろしてはならぬ! 私と共に行こう……!」 -[[明かされる想い 目覚める力10]]

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