地上を救う者達6

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「確かに現状ではこちらが不利だ。しかし……あちらの巨人が我々滅びた星の産物ならば。この月面船も同じだ」 しかしフースーヤはまだ奥の手を残しているようであった。 「どういう事……?」 期待交じりにリディアのエメラルドグリーンの瞳が老人に向かう。 「この月面船がただの移動用の船ではないという事じゃよ……」 幼き様相を残す少女に見つめられさすがの月の民も少し照れた様子だ。 「仮にも大いなる宇宙の船旅を経験してきた船。万一の自体を考慮して様々な仕掛けが用意されておる」 馴れた手つきで操縦機器に用意されたパネルをいじっていくフースーヤ。 「実行者――フースーヤ……本人と認定。承認完了――」 再び、あの録音された音声が聞こえてきた。 「月面船。戦闘モードに移行。準備に移ります。各種武装ロック解除。以下――操縦権をフースーヤへ委ねる」 淡々とした声で次々と読み上げられる言葉はセシルにも理解できるものであった。 「戦闘モード。この船にも武器がついているのか?」 「さっきも言っただろう。万一の自体を考慮して様々な仕掛けがあると……最もクルーヤにとっては不本意なものであっただろうがな……」 月の民の老人の顔が少しばかり曇る。 ただ単純に青き星へと憧れ、この地へと赴き一生をまっとうした男。セシルの父クルーヤ……この星に対しての愛は月の民であっても 青き星に住む者と同じかそれ以上であっただろう。 「こんな形で我々の兵器が青き星の地で戦いを繰り広げるなど、あやつは決して望んではおらぬであろう……」 「…………」 「しかしだ」 感傷に浸る一行の会話を再開させたのはやはりフースーヤの一声だ。 「例えこの船が武装を装備していようが状況は悪ままだ。所詮、月面船は脱出船。破壊も目的として造られたバブイルの巨人相手に まともにやって敵うわけもない」 「やっぱり駄目なのかよ」 「それどころかあの巨人の目的――ゼムスの目的はあくまでこの地上の破壊。あいつの事だ……巨人を手に入れた今、初めから我らなど敵ではないと 思っているはず。近づく我らを迎撃すると同時に地上への攻撃も開始するであろう」 落胆するエッジに更に追い打ちをかけるフースーヤ。 誰も抗議の声を上げない。エッジでさえも、フースーヤの冷静な分析に反論する余地がないのもあるが、目の前に訪れた危機に大して 絶望的な想いを抱えているからだ。 -[[地上を救う者達7]]

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