「ff6 - 04 narche」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
「ff6 - 04 narche」(2007/12/11 (火) 23:31:07) の最新版変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
背後から、硬い靴音が聞こえた。
「いたぞ!」
男の、どこか嬉しげな声。その声を合図に、幾つもの足音はどんどん近付いてくる。
見つかった。
身を隠すようにひっそり歩いていたティナは、慌てて走り出す。
怖くて振り向けない。
足音は自分を目指して真っ直ぐに走っている事は分かった。
自分は、帝国の人間なのだろうか。帝国の人間だと何故いけないのか。ジュンという老人は、なぜ私を逃がそうとしたのか?
何故、自分は逃げているのか?
何故彼らは追ってくる?
走る理由も分からず、ティナは走った。
「待て!」
男たちの荒い息遣いまでもが聞こえる距離になっている。
当たり前だ、体力が違う。逃げ果せるわけがない。
髪が目の前にちらつき、こんなときなのに、邪魔だなと思った。
息が上がる。
頭の中が白くなっていく。
「そっちはどうせ崖だ!あきらめろ!」
思い出せない、どうしてこんなことになっているんだろう?
足が縺れる。靴の踵が割れたかもしれない。
バランスが崩れる。
「待て、動くな!」
もう駄目だ。
もう走れない。
考えられない。
どうしてこんなことになったの。
眠りたい。
「よし、捕まえたぞ!」
伸ばされた手から、それでも逃れようと身をねじると、踏み出した先に地面はなく。
全身に、「落ちる」感覚が襲った。
そこで、ティナの意識は途切れた。