地上を救う者達8

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「フースーヤ」 折角、先へ進む道に光明が差したのだ。皆の眼に再び絶望の色を灯させたくはない。 そう思ったセシルは作戦を開始する直前、ローザ達に気づかれるようにこっそりとフースーヤへと語りかけた。 「何だ……」 言葉では疑問を発してはいるが、月の民である老人は全てを悟っているようであった。 「あなただけの力では作戦を成功させるだけのバリアを張ることはできない……そうですよね??」 「…………」 無言は肯定を意味していた。 「だったら僕も手伝います! 僕にも月の民の血が流れているだったら力になれるはずだ」 「しかし……」 フースーヤの言葉が続かない。 セシルに協力を頼むことに引けを感じているわけではないのだろうが…… 「フースーヤ!」 「すまない、頼む」 協力を拒み続けるフースーヤであったが、セシルの強めの叱咤に決断を強いられた。 「ありがとう」 それだけ言って、すぐにクリスタルへと手を触れる。 (こうすればいいんだな……こうやって力を注げば……) 「あまり力を使いすぎるな……お前はまだやるべきことが残っているはずだ」 「わかっています」 フースーヤの忠告に耳を貸しつつも、セシルは一人で想いを馳せていた。 (おそらくはこれが最後の戦いになる……否、仮にそうならなかったとしても僕にとって重要な戦いとなるはずだ 巨人の中へはカインがいる、そしておそらくにい……ゴルベーザも、二人とも決着をつけなければならない……) 特にカインとは何があってもだ。 (エッジ、リディア……ローザ。ここにこれなかったみんな……ギルバート、ヤン、シド、そしてポロムにパロム。 戦いで命を散らしたテラ……みんなの力があったからここにここまで来れた……だから最後にもう一度力を貸してくれ そして見守ってくれ……) 想いの力がクリスタルへと注がれる。 (行こう……もうすぐだ、カイン) -[[地上を救う者達9]]

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