FF6オープニング:ナルシェ行軍3

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「あの都市か?」  装備したゴーグルとマスクをはずして、魔導アーマーに搭乗している男の一人が 問う。足元は覆われているものの、上半身は直接外気に晒されているため、吐き 出した言葉が一瞬にして白く凍り付く。 「魔大戦で氷づけになった1000年前の幻獣か……」  問われた方の男が答える。あくまでも任務遂行上、必要な知識としてしか知らされ ていない言葉を口にしながら。今、自分たちが触れようとしているものの正体を、 このときの彼らが知る由もない。  そして自分たちがやろうとしている事の意味もまた、彼らが知ることはなかったの だった。 「またガセじゃねえのか?」  そう言って男は鼻で笑うと、瞬く間に白い息が広がる。「こんなの別になんでもな い、いつもの任務だ。そんなに力むなよ」と、長年チームを組んできた相棒に向けて 助言してやった。  その言葉に男は素直に頷いた。 「……だが、あれの使用許可が出るくらいだ。かなり、たしかな情報だろう」  言いながら足元のペダルを踏み込み、アーマーごと方向転換して後ろにいた “少女”と正面から向き合った。 「生まれながらに魔導の力を持つ娘か……。魔導アーマーに乗った兵士50人を、 たった3分で倒したとか。……恐ろしい」  しかし男が“少女”に向ける視線は人間に向けられるそれとは明らかに違う色を 帯びていた。巨大な力への恐れ、殺戮を繰り返すだけの存在に対する侮蔑―― 戦地に立てば、一瞬でかき消えてしまうほどの小さな感情だったが、自分たちが 搭乗する魔導アーマーに向けるそれと似ている。  隠せないほどの不安が男の表情を曇らせた。顔面を覆う装備を外してはいな かったが、そこは長年チームを組んで来た経験で表情など見なくても分かるのだ。  不安がる相棒に、男は豪快に一笑したあとで言い放った。

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