FF6オープニング:ナルシェ行軍7

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                    *** 「帝国の魔導アーマー!? とうとうこのナルシェにまで……」  戒厳令下の都市、外をうろつく者はいない。普段は人々が行き交うこの場所が、 一瞬にして戦場へと変貌する。  帝国軍魔導アーマー部隊の三人と、炭鉱都市のガード二名が対峙する――ナルシェ 市街地を舞台にした戦いが、静かに幕を開けた。  しかし、この戦闘が長く続くはずもなかった。数でも劣性だったガード達には敗走の 選択肢さえも与えられなかった。魔導アーマーの放つ強大な力を前に、いくら武装して いるとはいえ生身の人間などひとたまりもない。  武器を振るうどころか、叫ぶ間もなく命を落としたガード二名の亡骸は灰となって、 そのままナルシェの雪と混じり合い音もなく消えていった。  ナルシェでの初めての交戦。その勝利にも三人は特に言葉を交わすこともなく、メイン ストリートを北上し続けた。  文字通り、ザコに構う姿勢はなかった。  二番隊として控えていた男達は、建物の隙間から仲間達の最期をこの目で見届けた。  魔導アーマーの凄まじい力をまざまざと見せつけられて、本能的な恐怖心から踏み 出そうとする足が震える。  ――死ぬかも知れない。いいや、確実に……。  それでも、彼らは戦わなければならない。なぜならば彼らは、選ばれた誇り高きガードで あるから。  ふたりは意を決しメインストリートに向けて走り出す。角を曲がり魔導アーマー三体を 視認すると、縛めていたシルバリオを放った。二頭は怯むことなくまっすぐに敵めがけて 突進していった。

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