第1章 SeeD-2

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「嫌だねえ、覚えてないてのかい?」 困惑が顔に出たのだろう、カドワキ先生があきれるように言った。 「いいかい、あんたはね・・・」 カドワキ先生が話してくれた内容は、およそ次の通りだった。 あの後、つまりサイファーに眉間を斬られた後、俺は顔面を血で朱く染めながらも、 鬼神のごとき形相でサイファーに斬りかかって行ったのだそうだ。 その太刀筋があまりにも凶刃であったため、これ以上の面倒はご免とばかりに、 サイファーはとっとと逃げ出したという。 それまで二人のバトルを遠巻きに見物していたギャラリーが、 俺を心配して駆け寄ってくれたが、俺はただ「大丈夫、大丈夫」と繰り返すだけ。 しかしどう見ても大丈夫な訳がないという事で、ギャラリーたちは俺を なだめたりすかしたりしながら、どうにか医務室まで運んで来たのだと。 「まったく、そういう年頃なのかねえ。あんまり無茶するんじゃないよ」 サイファーに行ってくれ。もともと誘ってきたのはアイツの方だ。 ”なぁスコール、ちょいと体あっためないか。まさか断ったりしないよな” そう言われたら、断れない。

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