第1章 SeeD-4

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「それでカドワキ先生、スコールの具合はどうですか」 キスティス先生が尋ねる。 「ああ、もう心配いらないよ。ピンピンしてる。若いってのはいいねぇ」 「そう、良かった」 「でも眉間の傷は一生消えないよ。天下御免の向こう傷ってやつさね」 ・・・そうか、一生残るのか、この傷・・・ 傷口に手をやりながらも、俺はさほどの衝撃は受けなかった。 俺はSeeD候補生、いずれは戦いの中に身を置く者。 遅かれ早かれ、俺の体は傷で覆われる。 キスティス先生からも何か一言あるかと思っていたが、珍しく何も言わない。 いつもであれば、小姑のようにぶちぶちと小言を連ねるか、 あるいは傷なんて気にするなといった類の励ましの言葉でも掛けて来る筈だが、 いずれにしろ、黙っていてくれる方が、俺にとってはありがたい。 何気なく先生を見やると、口元に手を充てて、驚きを顕わにしている。 俺を想って黙っていたのではないようだ。衝撃で口を訊けないだけだった。 やれやれだ。 これじゃ、誰が負った傷だか判りゃしない。
「それでカドワキ先生、スコールの具合はどうですか」 キスティス先生が尋ねる。 「ああ、もう心配いらないよ。ピンピンしてる。若いってのはいいねぇ」 「そう、良かった」 「でも眉間の傷は一生消えないよ。天下御免の向こう傷ってやつさね」 そうか、一生残るのか、この傷・・・ 傷口に手をやりながらも、俺はさほどの衝撃は受けなかった。 俺はSeeD候補生、いずれは戦いの中に身を置く者。 遅かれ早かれ、俺の体は傷で覆われる。 キスティス先生からも何か一言あるかと思っていたが、珍しく何も言わない。 いつもであれば、小姑のようにぶちぶちと小言を連ねるか、 あるいは傷なんて気にするなといった類の励ましの言葉でも掛けて来る筈だが、 いずれにしろ、黙っていてくれる方が、俺にとってはありがたい。 何気なく先生を見やると、口元に手を充てて、驚きを顕わにしている。 俺を想って黙っていたのではないようだ。衝撃で口を訊けないだけだった。 やれやれだ。 これじゃ、誰が負った傷だか判りゃしない。

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