一節 新たなる旅立ち3

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光が止み、辺り今までの光景が戻ってくる。 先程までセシルの手で輝いていた宝石は、砕け散り輝きを失った状態で、辺りに散乱していた。 「ううん……」 ローザの目覚める声が聞こえた。 「此処は……」 ローザは寝起きのような、ぼんやりとした目で周りをきょろきょろと見回し、近くのセシルと目が合った。 「セシル……何故あなたが……そうか! 私、あなたを追って」 そこでようやく自分がどどのような経緯で、此処にいるかを思い出したようだ。 「私……あなたにこんな顔……」 寝起きを見られたのが恥ずかしかったのか、ローザは顔を真っ赤にしたまま黙り込んでしまった。 「全く……無茶だよ君は」 そんなローザを見て、今までの張りつめていた緊張の糸が一気に途切れる。 「私、ミストであなたが死んだと聞いて、でも信じられなくて」 「もう良いよ、ローザ」 あたふたと話し始めるローザを制止する。 何故セシルを追ってきたのか。その事はローザの口から聞かなくても分かっていた。 ただ、そんなにも自分を想っていてくれるローザを少しかわいいと思った。 「ねえ、ところでカインは。カインとは一緒でないの?」 しばらくして、ローザが訪ねてくる。 「ああ……ミストではぐれてね。そのまま……」 ミストはリディアの呼び出した召喚獣によって地割れに飲み込まれた。そして自分が目覚めた時にはカインはすでに居なかった。 あまり考えたくはないがカインはひょっとしてもう…… 「そう……」 「大丈夫、きっと生きているよ」 肩を落とすローザを見て思わずそう言ってしまう。だが今はそう思うしかなかった。

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