一節 新たなる旅立ち13

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優しく体を揺さぶられ、リディアは目を覚ました。 「リディア……リディア、帰るよ」 「え? あたし、寝ちゃってた?」 誰かが運んでくれたのだろう、箱に被せた毛布の上にリディアは横たわっていた。 瞼をこすってあたりを見ると、アンナどころか他の人も、ほとんど姿を消している。 「だいぶ遅くなったからね。負ぶっていこうか?」 暗い気持ちでリディアは首を横に振った。ものすごい失敗だ。せっかくアンナを見つけたのに、どこに行ったかわからない。いつのまに寝入ってしまったのだろう。 「まだ眠そうだよ、大丈夫?」 この様子だと、ギルバートは絶対気付いてなさそうだ。ここに来てたことだけでも教えあげないと。 「あのね、あたし……」 言いかけたリディアの脳裏に、アンナが見せた最後の笑顔がよみがえる。 唇の前で指を立てた彼女は、淋しそうではなかった。 (ナイショ……なんだ) 理由はわからない。でももしアンナにそのつもりがあったなら、会っていかないはずがない。 「あのさ。また歌ってね。  あたし、もっとギルバートの歌、聞きたい」 「そうだね。今度は君が起きてる時間に」 子供あつかいされてしまった。頬をふくらせるリディアを見て、ギルバートは楽しそうに笑う。 見上げると、円い月は見たこともないほど高い位置にあった。

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