一節 モンク僧2

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「…………」 リディアはセシルの背から舞えを覗き込んだ。後ろにいるローザとギルバートもそれに続いた。 「ボムか……」 ギルバートが小さな声で呟いた。 「ああ、どうする?」 「下手に手を出して被害を増やす事は無い。放っておこう」 「そうか……」 そう言って剣を戻そうとする。 その途端、ボムが急に動き出した。 「感づかれたか!」 数瞬して、セシルは剣に手を掛けようとする。だがボムはセシル達とは逆方向、つまり進行方向に向かっていった。 しばらくして、辺りに豪快な爆音が響いた。 「一体何が?」 その轟音に思わず伏せたセシルは爆発が大人しくなると立ち上がって駆けだした。 今のは間違い無くボムが自爆した音だ。と言うことは誰かが被害を受けた可能性が高い。 もしそうだとしたら早急に助けなければいけないだろう。見ず知らずな旅人だとしても、見捨てるほどセシルは白状ではない。 予想通り男性が倒れていた。体中から吹き出す煙がボムの爆発に巻き込まれたのを物語っている。 「大丈夫ですか!」 セシルは急いで駆け寄り話しかける。しかし意識を失っているか返事は返ってこなかった。 「ローザ、白魔法を!」 セシルの言葉を聞くと、ローザはすぐに回復魔法の詠唱に入った。 「ケアル!」 呪文の詠唱の完成と共に緑色の暖かい光が男を包む。 だが、たった一回の魔法程度では男の傷は完治せず、ローザは何度も魔法をかけなおすことになった。

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