一節 モンク僧6

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「しかしこれだけの敵をどうやって?」 ヤンが訪ねる。例え助けが来たとはいえ相手は膨大だ。このまま戦っても百パーセント勝てるとは言い切れないだろう。 「僕が突破口をつくります」 セシルは自分の剣の先に左手を添え、精神を集中させる。 「よし……」 剣先をモンスターに向けると、仮初めの意識を持った黒き衝撃が剣から飛び出す。 それは獣のように目の前に立つもの全てに対して容赦なく襲いかかった。 モンスター達は悲鳴上げ、黒き血の雨がセシル達に降りかかる。 弱いモンスターならこれだけで倒すことができるだろう。 「すごい……」 その技を初めて見るヤンは少しばかり驚いている。 「今だ!」 セシルは立ち眩みを押さえながら叫ぶ。 暗黒剣を極めし者だけが使えるこの技はこのような集団のモンスターと戦うケースにおいて 非常に有効に働く事は間違いない。 だが、仮にも新しき意志を生み出す技である。同時に使用者の体にもそれ相応の負担を与えるのである。 「よし」 ヤンは手薄になった敵の懐に飛び込んでいく。そして目にも止まらぬ速さで幾多の敵を蹴りつける。 その蹴りは大変正確なセシルの攻撃で弱っていたモンスター達に止めを指していく。

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