一節 モンク僧10

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………爆発は、起らない。 ローザはゆっくりと、片方ずつそのまぶたを空けていく。 膨らんだ姿はそのままに、激しく顔をひきつらせているボムの群れ。 視界にばかり向いていた意識を耳に傾けると、美しいハープの音色が心をなでた。 非常にゆっくりとしたテンポから、不意にフォルテの連段へ切り変わる。 不協和音の入り混じったメロディーは、確実にボムに影響をきたしていた。 あれほど肥大していた体は元の大きさよりも更に縮み、 ついにはそのの赤色すら消え、灰色がかったみずぼらしい球体が、地面で佇んでいた。 「ふう」 声のする方角を見ると、ギルバートがその手で汗を拭っていた。 「もうっ、そんなことできるならなんで初めっからしないのよ!」 ギルバートの元へ駆けつけたリディアが、半ば膨れっ面で彼を睨む。 「ごめんごめん。 ぼくのハープはモンスターによって「効く」旋律が違うんだ。 だから最初は一匹で探ってたんだよ。相手を元気づけてしまう旋律もあるし、 ましてや今回はボムだから、下手に刺激すると危ないからね。 それに全体に効果を与えるとなると、集中する時間も必要なんだ。 けどもう少し遅かったら、本当に危なかった。………ごめん」 ギルバートは一通りの弁解の後、急にしんみりして謝った。 リディアはリディアでいたたまれなくなり、「あ…ううん、それなら仕方ないし、ホラ結局はギルバートに助けられたんだし。ね?」 と、何故か慰めることに。 「その通り。あなたがいてくれて良かったわ。ありがとう」 ローザは心から感謝した。 「え、あ、どういたしまして」 と、照れ臭そうにに二人に返事をしたギルバートを尻目に、セシルは一人考えていた。 (おかしい…………)

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