二節 剛の王国2

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彼らが去って行くのを見守り、ウェッジは「…して」と、今度はセシルに先ほどと同じ鋭い眼差しを向けた。 「貴殿のその姿、バロン国の暗黒騎士とお見受けいたしますが?」 「ええ、いかにも」 セシルはその視線を正面から受け止め、答えた。 「しかし今はわけあってバロンを離れ、敵対しております」 「そうですとも。彼にはホブスの山にて全滅した我らの命を救っていただいた」 ウェッジはヤンの証言を得ても疑わしげにセシルを見つめていたが、やがて 「念のため武器をお預かり致しましょう。  それよりもヤン殿、王がお待ちです。細かい経緯を話していただきたいので、あなたがたもご一緒に」 と彼らを城の中へと導いた。 「バロンについての報を聞きつけたのはいつの事ですかな?」 「三日前の朝にございます」 城内を大股に歩きながら、ヤンとウェッジが話し合っている。 「ふむ…して防備の方は如何に?」 「城門以外の入り口は全て塞ぎ、都中から戦いを心得た者達をかき集めている次第に。  しかしその殆どが修行不足、果たしてどれほど持ちこたえるものか…」 「バロンは飛空艇を有するから強大なのであって、歩兵の力は並かそれ以下です」 顔を曇らすウェッジの横から、セシルがそう口を挟む。 「それよりも女や子供達は?戦えないものはどこへ?」 辺りをきょろきょろと見まわしながら、ギルバートもそう言い出した。 そう言えば兵士以外の人間の姿が見当たらない。 「すでに全員が城の地下へと避難しております、詩人殿」 「よかった。それでは少なくともダムシアンの二の舞は避けられるのですね」 「ダムシアン…バロンに急襲されてクリスタルを奪われ、臣民も皆殺しにされたとか」 「ええ。ご存知の通りで」 陰鬱そうにギルバートが頷く。 どうやらウェッジは、今まさにそのダムシアンの王子と話している事に気がついていないようだった。

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