二節 剛の王国21

「二節 剛の王国21」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

二節 剛の王国21」(2007/12/12 (水) 04:04:14) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

一か八か、セシルは賭けに出た。 「!?」  カインが天井に足をついた瞬間、セシルは持っていたシャドーブレードを カインめがけて投げつけた。既に降下の姿勢に入っていたカインは、思わず 剣を槍で弾く。カインの槍の軌道が大きく逸れた。  今だ。  セシルは両腕を掲げた。これなら・・カイン、君にも防げない。  本来、暗黒の力は剣を通してしか放てない。ただ、技を極めたものだけが、 自身の腕から直接それを行使することができる。術者から直に放たれるその威力は 通常のものとは比較にならないが、その反動も並々ではない。少なくとも半日ほどは、 鉛のような重みと引き裂かれるような激痛で、まったく腕が使えなくなる。  しかし。どのみち自分には、今のカインの猛攻には幾度も耐えられないだろう。 それならば、この一撃にすべてを・・。セシルは目を見開いた。 「すまない、カイン!」  輝く光の空間を、刹那、暗黒の色が支配した。 「馬鹿な・・」  戦局を見守っていたヤンは、思わず声を上げた。ギルバートも、信じられない という表情で、声を失っていた。  セシルの暗黒波は寸分違わず、襲いかかるカインを捉えていた。勝負がついた。 そう確信し、命中の瞬間、二人は後ろに吹き飛ばされるカインの姿を予想した。  ・・だが。  彼らの目に映っていたのは、倒れ込んだセシル、そしてその胸に槍を突きつけ、 満足げに立ち尽くす竜騎士の姿だった。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。