三節 Two of us2

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「そこにいるのは誰!」 「ローザ!?」 ギルバートには皮肉なことに、ローザもまた胸騒ぎにかられてセシルの元へと急いでいた。狭苦しい地下道は見通しが悪く、まず声を掛け合って互いの正体を確かめる。 「ギルバート? どうして……」 「急いでクリスタルルームに!  セシルが危ない。カインが敵に回ったんだ」 虚を突かれたローザは一瞬黙り込み、すぐにギルバートを怒鳴りつけた。 「……バカ言わないで!!」 「本当だ!!」 負けじとギルバートも叫び返す。 「止めてほしくて君を呼びに来たんだ。とにかく、来ればわかる!!」 必要なことは伝え終え、ギルバートは踵を返した。戸惑いを残しながら、ローザが後に続く。そのとき、ふたりを引き止める声が響いた。 「待って、あたしも!」 「リディア!?」 二人は驚き、音のした方向に視線を走らせた。少女の姿は見当たらないが、声が届くほど近くにいることは間違いない。地下の一室に避難させたはずだが、我慢しきれず飛び出してきたのか。 「……ギルバート、お願い」 「わかった!」 ローザを送り出し、ギルバートは少女の名を呼びながら声のした方角へ向かう。幸い合流に時間はかからなかった。おとなしく戻るよう諭すつもりでいたギルバートだが、積み上がった魔物の死体を乗り越えてきたリディアの姿に、説得は難いと悟る。 血と泥で服を汚し、目尻には涙の跡。しかし瞳は決意に輝いている。 いくら戦闘が終わっていても、こんなところをひとりきりで、さぞ恐ろしかったろうに。 「……しょうがない子だ」 溜息混じりに呟いて、ギルバートが差し出した手をリディアは無言で握り返した。

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