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「三節 Two of us12」(2007/12/12 (水) 04:15:13) の最新版変更点
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どくん、と胸の奥が震えた。
「・・いいかローザ。お前さんのそんな有様を見て一番悲しむのは、わしでもなければ
お前さん自身でもないんじゃぞ」
「・・・」
「赤い翼の・・わしらのセシルが惚れた女は、こんなくだらない人間か?」
「・・セシル・・・・」
「立ち上がるんじゃ。お前さんを失って、セシルがどんな顔をすると思う。
あやつを慰める役目なんぞ、わしはまっぴらごめんじゃぞ!!」
ぐい、とシドがローザの身体を引き上げる。幽閉され、いっそう細身のかかった肢体は
急な反動にふらついたが、その瞳にはいまや毅然とした輝きが宿っていた。
シドは満足げにニヤリと笑った。
「信じるんじゃローザ。ここにいてはいかん。信じてセシルを追え!」
「えぇ・・そうね、シド。私たちのセシルを信じるわ!」
「素直に" 私の "と言わんかい」
「もうっ!!」
ローザは顔を赤くして、大口を開けて笑うシドの背中を叩いた。
まったくこの人は、こんな時まで・・。
なんて・・心強いのだろう。
「ありがとう・・シド」
「そういう顔はセシルにとっとけい」
照れ隠しのように目を背けるシド。ローザは窓から月を望んだ。
うずくまっていた頃よりも、その月はずっと身近に見えていた。