三節 Two of us13

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三節 Two of us13」(2007/12/12 (水) 04:15:30) の最新版変更点

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「行きましょう、シド」  守衛をなぎ倒し、夜の闇にまぎれて二人は脱走した。ところが城壁から堀へ出る通路の 入り口まで来たところで、不意にシドは足を止めてしまった。 「・・シド?」 「行くんじゃローザ」 「いったい何を・・? あなたも一緒に・・」 「わしはここに残らねばならん」 「何を言い出すの!」  あおの言葉に耳を疑いながら、ローザは必死で声を殺して説得しようとした。  時間がなかった。衛兵がいつかぎつけて、ここにやってくるかもしれない。 「シド! ここにいたら、いつかあなたも殺されてしまうかもしれないのよ!?」 「案ずるな、王にわしは殺せん。わしは飛空艇に必要な人間じゃからな」 「でも、それなら、なおのことここを離れるべきじゃないの!」 「そうはいかん」  シドは決然と言った。 「わしがいなくなれば、これ以上の飛空艇の開発は不可能じゃ。それぐらいはあの ボンクラにもわかっとるだろう。そうすればどうなる? もはや進軍を待つ必要は どこにもなくなる。すぐに世界中の国が戦火の危険に晒されるだろう」 「・・でも」 「既にバロンの軍事力はずば抜けている。現状でも、平和に慣れきった諸国を制圧するに たやすいだろう。それは、わしの造ってしまった飛空艇のせいじゃ。だからこそ、わしが 歯止めになるのだ。整備の工程を操ることも、兵器に手を加えることも、多少の細工は できるじゃろう。それでわずかでもバロンの動きを鈍らせることができれば・・、 それはわしがやらねばならんのだ。わしにしかできないことじゃからな」 「それが終わったら!? そうしたら、あなたはどうなるのよ!」  ガハハ、と笑いかけて、シドは声を潜めた。 「そう簡単に死にゃせん。いざとなったらあの老いぼれ王を盾に逃亡してみせるわい」

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