三節 Two of us15

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 そうしてローザは国を離れた。残してきたシドにほんの少し後ろ髪を引かれながら。  海路を利用してカイポの南端の海岸に降り立ち、つれてきたチョコボを駆けさせて、 砂漠をひたすら北へと急いだ。セシルが生きているならば、必ずあの街に立ち寄るはず。 会えはしなくとも、何か得られるものがあるはずだと自分を力づけながら。  だが、幽閉生活の間に衰弱しきっていた彼女の肢体に、砂漠の熱は容赦なく襲い かかった。黄金色の熱砂によって何重にも乱反射され、増幅された日光が放浪者の 身体をなぶるのだ。しかも悪いことに、急ごうとするあまり彼女はチョコボに無理強いをしてそのために手持ちの水のほとんどを与えていた。  やがて、彼女は限界を迎えた。最後の意識で、ゆらめく街の姿を認め、そしてローザは 気を失った。  そのまま彼女は、以後十数日に及び生死の狭間をさまようことになる────。  ・  ・  ────しかし、  ローザはカインを疑惑のまなざしで見つめる。  そんな事情を、行方不明でしかもセシルと共にバロンを離れる決意をしていたはずの カインが知り得るはずはなかった。  あるとすれば、────そう  彼も、そちら側の人間でもなければ・・。

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