三節 Two of us17

「三節 Two of us17」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

三節 Two of us17」(2007/12/12 (水) 04:17:24) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

 やがて決意したようにローザはそっと立ち上がると、ゆっくりとカインに歩み寄って いった。慌てて止めに入るヤンを制して、踞る友の側に膝をつく。そして、彼女は震える カインの背にそっと手をかけようとした。  そのとき、コツリ、と床を踏みしめる音が響いた。  固く、乾ききったその音は気味が悪いほどよく響きわたり、その場の全員が言葉を 発することも出来ぬまま、ただその主が訪れるのを待っていた。  開かれた扉を、一点に見つめたまま。  やがて、どす黒い影と、凍り付くような空気を纏ってその男は現れた。 「何を血迷っているのだ・・カイン」  カインの震えが止まった。彼の言葉を待たずして、皆はその男の正体を悟っていた。  「ゴルベーザ・・様・・」 「ゴルベーザ・・!」  長身のヤンよりもさらに二回り以上もあるその男は、巨大な黒塗りの甲冑を身に着けて いた。扉の近くにいたギルバートが、まるで子供のようにすら見える。後ずさりながら、 なんとかギルバートが声を絞り出すと、男はまるで彼がそこにいたことに初めて気づいた かのように、白々しく声をかけた。 「これはこれは、お久しぶりですなギルバート王子。それにそちらは、モンク隊曹長の ヤン殿と御見受けしますが・・、お会いできて光栄の至りですな」  そうして、ゴルベーザはひどく慇懃に礼をした。あまりに冷静なその立ち振る舞いに、 ギルバートもヤンも、ただその場に立ち尽くし、気をのまれてしまう。  しかし頭を上げた男の言葉は、冷酷そのものだった。 「てっきり既に始末してあったものと思っておりましたが・・。  このようなところでお会いするとは、いやはやお互い部下には恵まれぬようですな」

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。