三節 Two of us18

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 ぞわ、とおぞましい寒気が彼らの背筋に走った。  やはり・・、やはりこの男が黒幕なのだ。  ダムシアンの虐殺、ホブス山での奇襲、そしてこの襲撃。全ての糸を引いていた者。 それがこうして目の前にいる。彼らのうちに、燃えるような感情が息づきだしていた。 「そして・・」  だが、当の男はあくまで平然としていた。今のいままで話しかけていたギルバートを ものともせずに素通りすると、今度は横たわるセシルの前に歩み寄った。 「お前がセシルか・・、私の前任者というわけだな」 「・・貴様が・・ゴルベーザ・・・・!」  怒りに燃える瞳で、激痛に耐えながら起き上がろうとするセシルを、ゴルベーザはまた しごくつまらなそうに見下していた。やがて、セシルに向かって手をかざすと、 「お互い積もる話もあるといいたいところだが、・・なにぶん多忙な身でな。  会えたばかりで残念だが、これが私の挨拶だ」  淡々とした口調。その言葉が終わるか終わらないうちに、ゴルベーザの掌に、電流の ようなおびただしい魔力が集まりだした。 「やめてっ!」 「させるか!」  ローザの叫びと同時に、ヤンが飛びかかっていた。ギルバートも背に傷を負いながら 果敢に立ち向かっていった。ゴルベーザはそれに焦る様子も無く、すっと手を頭上に かざした。すると、手から広がった魔力が彼の周囲を満たし、まるでバリアーのような それが、次の瞬間、飛びかかってきた二人を容赦なく焼き焦がした。

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