FINAL FANTASY IV プロローグ

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バロン王国が誇る飛空挺団『赤い翼』の帰還を知らせるラッパが鳴り響き、王城は俄に活気付いた。 中庭の発着場では、遥かミシディアの空から戻って来る五機の飛空挺を迎える入れるため、大勢の技師たちが所狭しと駆け回る。 屋内では女官たちや侍従らが、謁見の用意を整える。 騒々しく整えられた舞台の中央を歩み、暗黒騎士セシルは、玉座の前に進み出た。 「『赤い翼』師団長セシル、返命に参上いたしました」 「うむ。して、首尾はどうであった?」 「はっ。これを……」 セシルは、傍らに安置した赤絹の包みを王の前に差し出した。 老いたバロン王の筋の浮いた手が、もぎ取るようにそれを受け取り、幾重にも巻きついた布を、毟るように解いていく。 ほどなくその中心から、六角柱型の結晶体が先端をのぞかせた。 ただそれだけで、澄んだ蒼い輝きが玉座の間を照らす。 王は眩しそうに顔をしかめ、今回の遠征で最大の戦果を、赤絹で再び覆い隠した。 「間違いなく、水のクリスタル……  大義であった。セシルよ。  下がるがよい」 跪き、深々と頭を垂れたセシルにそれ以上の言葉をかけず、王自らが玉座を立つ。 赤絹の包みを、両手でしっかりと抱え込んで。 続いてセシルが、騎士としての礼儀を守り退出する。 無事に使命を果たした彼は、長旅を終えたばかりで疲れ果てていた。 ──否、彼を疲労させたのは、旅路でも、まして王直々に命を下された栄誉の重さでもなかった。 魔道士の郷ミシディアから奪ってきた、水のクリスタル。 その輝きを包み隠したあの赤は、彼の指揮によって蹂躙された人々の血で、染め上げられているように思えてならなかった。
バロン王国が誇る飛空挺団『赤い翼』の帰還を知らせるラッパが鳴り響き、王城は俄に活気付いた。 中庭の発着場では、遥かミシディアの空から戻って来る五機の飛空挺を迎える入れるため、大勢の技師たちが所狭しと駆け回る。 屋内では女官たちや侍従らが、謁見の用意を整える。 騒々しく整えられた舞台の中央を歩み、暗黒騎士セシルは、玉座の前に進み出た。 「『赤い翼』師団長セシル、返命に参上いたしました」 「うむ。して、首尾はどうであった?」 「はっ。これを……」 セシルは、傍らに安置した赤絹の包みを王の前に差し出した。 老いたバロン王の筋の浮いた手が、もぎ取るようにそれを受け取り、幾重にも巻きついた布を、毟るように解いていく。 ほどなくその中心から、六角柱型の結晶体が先端をのぞかせた。 ただそれだけで、澄んだ蒼い輝きが玉座の間を照らす。 王は眩しそうに顔をしかめ、今回の遠征で最大の戦果を、赤絹で再び覆い隠した。 「間違いなく、水のクリスタル……  大義であった。セシルよ。  下がるがよい」 跪き、深々と頭を垂れたセシルにそれ以上の言葉をかけず、王自らが玉座を立つ。 赤絹の包みを、両手でしっかりと抱え込んで。 続いてセシルが、騎士としての礼儀を守り退出する。 無事に使命を果たした彼は、長旅を終えたばかりで疲れ果てていた。 ──否、彼を疲労させたのは、旅路でも、まして王直々に命を下された栄誉の重さでもなかった。 魔道士の郷ミシディアから奪ってきた、水のクリスタル。 その輝きを包み隠したあの赤は、彼の指揮によって蹂躙された人々の血で、染め上げられているように思えてならなかった。 -[[FINAL FANTASY IV プロローグ2]]

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