三節 Two of us27

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「セシル!」 「やあ、意識が戻られたか!」  まもなくリディアに連れられて、嬉しそうな顔の二人があらわれた。他にも何人か、 話を聞きつけた者達がかわるがわるやってきては部屋を覗き込み、セシルの無事を 確認するとほっとした様子で顔を引っ込めた。 「一時はどうなることかと思いましたぞ」 「これもリディアのおかげだね」  ギルバートの賞賛にリディアがまた顔を赤く染めて、照れくさそうに笑った。 「なにしろ昨日からずっと看病し通しだったんだから、感謝しておきなよセシル」 「ありがとうリディア・・そうか、あれからもう丸一日・・」 「まあなんにせよ、無事で良かった」  そういって愉快そうに笑うと、ヤンはふと厳格な表情をつくった。 「・・これでようやく話も出来るというもの」  顔を寄せながら、ギルバートもうなずく。 「ローザを助けなければ・・!」 「もとより、クリスタルも取り戻さねばならん」  二人の真剣な視線がセシルに注がれる。セシルも身体を起こし、二人に向き直った。 「わかっている。だけど、悔しいがいまの僕たちにはバロンと対抗するすべが無い。 どうしても飛空艇を手に入れなくてはならないと思う。だが、飛空艇はバロンでしか 造ることが出来ない」 「ということは、バロンに侵入するわけか?」 「しかし、どうやって・・?」 「・・バロンは赤い翼に主力を置いている。その分、比較的に陸海軍が手薄だ。  侵入するならば、海からしかないだろう」 「だったら船がいるわ!」  リディアも負けじと話に加わる。ヤンがすこし考えこんでから口を開いた。

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