三節 Two of us28

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「・・ならば明朝にでも王にお頼みして船を出していただこう。  幸い、赤い翼の砲撃を逃れた船が何隻かあったはずだ」 「しかし・・、復興のただ中に船を借りるなど」 「なに、そなたたちにはまこと世話になった。王もこれくらいの援助は惜しまれぬはず。  むしろ、これくらいはさせてもらわねば、面子が立たぬと言うものよ」  ヤンの珍しい軽口に、みなが笑った。  それからすこし間を置いて、またヤンが口を開く。 「あの竜騎士は・・?」 「・・彼は、カインは・・バロン竜騎士団の団長で、僕の親友・・・・だった。  共にバロンを抜けようと誓ったのに・・」 「そうであったか・・」 「・・・・どうして、なんだろう・・。信じていたのに。他の、誰よりも・・」  悲痛な表情になるセシルに、ヤンは言葉に詰まってしまう。 「でも」  ポツリ、とこぼれた声に皆が顔を向けた。  声の主は、リディアだった。 「・・え?」 「え・・あ、あのそうじゃなくて・・・セシル、もう休んだ方がいいわよ!」 「そんな、平気だよリディア」 「だめよ! 怪我人のくせに何いってんの!」 「いや・・ほんとに、もう」 「セシル」  ぽん、とセシルの肩を叩きながら、ギルバートが揶揄するように指を立てて言った。 「医者の言うことは素直に聞くものだよ」    結局その言葉で、話し合いは終わってしまった。

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