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玉座の間から立ち去るセシル。しかし、その寸前で彼は足を止めた。
暫くうつむき、何か躊躇うかのように身じろぎ一つしない。
「何をしておる。疾く下がらんか。」
バロン王の傍らで、直立不動の姿勢を堅持していた近衛兵長ベイガンが威圧するように口を開いた。
ガシャ。鎧が擦れる音が玉座の間に響く。セシルは振り返り、階上のバロン王を見据えていた。
漆黒の兜から覗く瞳には決意の色が見て取れる。
「陛下! 陛下は一体どういうおつもりなのです! 私は…」
「セシル隊長、言葉を慎め!」
ベイガンが声を荒げ、セシルの言葉を遮った。
「クリスタルは我がバロン国の繁栄の為に必要。それはお前も判っているだろう!
彼の魔導士らはクリスタルの秘密を知り過ぎた。放っておけば我がバロンの脅威ともなりかねん。」
「しかし、我々は誇り高き飛空艇団"赤い翼"! 無抵抗な魔導士から略奪するなど……やはり私には解せません!
皆、陛下に不審を抱いております!」
暫くの沈黙が、玉座の間を包む。
「お前をはじめとして、か?」
バロン王が沈黙を破り、セシルを睨めつける。
弾かれた様に姿勢を正すセシル。
「いえ、決してそのような……」
「私が何も知らぬとでも思っているのか? お前ほどの者が私を信頼してくれぬとはな。
残念だがこれ以上お前に赤い翼を任せてはおけん! 今より飛空艇部隊長の任を解く! 」
玉座の間から立ち去るセシル。しかし、その寸前で彼は足を止めた。
暫くうつむき、何か躊躇うかのように身じろぎ一つしない。
「何をしておる。疾く下がらんか。」
バロン王の傍らで、直立不動の姿勢を堅持していた近衛兵長ベイガンが威圧するように口を開いた。
ガシャ。鎧が擦れる音が玉座の間に響く。セシルは振り返り、階上のバロン王を見据えていた。
漆黒の兜から覗く瞳には決意の色が見て取れる。
「陛下! 陛下は一体どういうおつもりなのです! 私は…」
「セシル隊長、言葉を慎め!」
ベイガンが声を荒げ、セシルの言葉を遮った。
「クリスタルは我がバロン国の繁栄の為に必要。それはお前も判っているだろう!
彼の魔導士らはクリスタルの秘密を知り過ぎた。放っておけば我がバロンの脅威ともなりかねん。」
「しかし、我々は誇り高き飛空艇団"赤い翼"! 無抵抗な魔導士から略奪するなど……やはり私には解せません!
皆、陛下に不審を抱いております!」
暫くの沈黙が、玉座の間を包む。
「お前をはじめとして、か?」
バロン王が沈黙を破り、セシルを睨めつける。
弾かれた様に姿勢を正すセシル。
「いえ、決してそのような……」
「私が何も知らぬとでも思っているのか? お前ほどの者が私を信頼してくれぬとはな。
残念だがこれ以上お前に赤い翼を任せてはおけん! 今より飛空艇部隊長の任を解く! 」
-[[FINAL FANTASY IV プロローグ3]]