三節 Two of us33

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三節 Two of us33」(2007/12/12 (水) 04:21:39) の最新版変更点

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「そうか・・バロンに行かれるか」  床に伏せたままの王は、神妙な顔つきで目を細めた。  昨日のヤンの言葉通り早速ファブール王への会見を求めたセシル達であったが、 思いのほか王の傷の具合は良くなかったらしく、それでも会見の場を設けたいという 王の計らいで、寝室に通してもらえた。無理を通してくれる王の配慮に恐縮しつつ、 船が必要であるという旨をいま、話し終わったところであった。一方、頭を下げながら 緊張した様子で言葉を選ぶセシルをよそに、リディアは前日の寝不足がたたったのか、 御前もはばからず先ほどから何度も大あくびをしている。 「・・あいわかった、すぐさま船を用意させよう」 「あ、ありがとうございます・・!」 「いや、此度はまことに世話になった。そなた達にはまったく感謝の言葉も無い。  ローザ殿も奪われてしまい、この上に手ぶらで返しては面目もなにもない」  どこかで聞いたような台詞に横目でヤンを見やると、はたして彼も苦笑していた。 「それから・・」  王が目をやると、女中が奥から細長い箱をもってきた。かなり埃をかぶっている箱が セシルの前に置かれる。 「・・これは?」 「心ばかりのお礼と思っていただきたい。セシル殿、お受け取りくだされ」  促されるままに箱を開けるセシル。やがて一同は息をのんだ。  箱の中に入っていたのは、長身で、漆黒の刀身を持つ大剣だった。一目でただの剣では ないとわかるそれは、禍々しい邪気を放っている。  セシルにはそれが何か、一目で分かった。 「・・暗黒剣」 「その通り。名をデスブリンガーという。  文字通り死をもたらす剣、並の人間には到底扱えぬ代物だ」

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