三節 Two of us42

「三節 Two of us42」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

三節 Two of us42」(2007/12/12 (水) 04:26:14) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

「真の悪に、暗黒剣は通用せん」  王の言葉が頭をよぎる。  あのとき、自分の剣が通用しないカインは真の悪になってしまったのだろうか、 そう思って悲しくなったものだった。だが、そう感じている僕はなんだ? (おいおい、自分のことは棚に上げるのかよ。暗黒騎士サマ?)  カインの笑い声が聞こえた。そうだ、親友と言いながら彼をためらいなく殺そうと している僕だって、悪以外の何者でもないじゃないか・・。  無意識のうちに、セシルは握りしめたデスブリンガーの刃を顔に近づけていた。 剣はセシルを嘲笑うかのように、妖しく黒光りしている。力をこめると、剣先に邪気が 充満しだす。 (僕は、お前と同じなのか・・?)  セシルは壁にもたれて、腰を下ろした。  身体を抱え込むようにして顔を伏せ、目を閉じた。郷愁が強くその身を包んでいた。  明日はバロンに向かう。けれど、彼の知る故郷はもうどこにもないのだ。セシルの 心の底、夢の中にしか。    夢の続きが見たかった。  だが、やがておとずれた浅い眠りがもたらしてくれたのは、ただ暗闇だけだった。  ────光がほしい。  やがて、深い暗黒の中で、セシルは決然と立ち上がった。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。