「ff6 - 07.5 narche ナルシェ援軍4」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
帝国軍にも劣らぬ整った指揮系統だった。そのことにロックは僅かに戦慄を覚える。
ただ、帝国軍のそれと違うのは――多少ではあるが、クポクポうるさい事ぐらいだ。
「クポ……」
控えめな声で、リーダーの後ろに立つあの小さなモーグリが寄り添うように歩み
寄った。槍を降ろしたリーダーが短い首を後ろに向けると、槍を扱うには小さく見える
手を差し出した。
(大丈夫、ボクがついてる)
ロックの耳には「クポ」という愛らしい鳴き声の代わりに、そんな言葉が聞こえた気が
した。これも、彼曰くロマンのなせる業なのか。それは本人にさえ分からなかった。
炭鉱内の奥深く、そこは薄暗く入り組んだ岩場と細い道が続く場所で、相手の位置を
見通せない。そのためこちらだけでなくガード側にとっても悪条件下での交戦となるだろう。
ロックとモーグリ3匹。リーダー率いるモーグリ4匹。それからもう1つのモーグリ4匹の
グループで、少女の倒れている地点から3つに分かれた道をそれぞれ進んでいく。
彼らのうち、どこか1つでも突破されてしまえば、意識を失って倒れている少女はガード達の
手に落ちてしまう。
――ナルシェの連中に、道を譲るわけには行かない。
決意を新たにしたロックは、ちょうど反対側の道を進もうとしていたリーダーと、後ろの
小さなモーグリに向けて言った。
「そのちっこいの、ちゃんと守ってやれよ」
「クポー!」
任せろ! とでも言わんばかりに槍を担いでみせるリーダーの姿に、ロックの表情は思わず
ほころんだ。