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「ええ、皆さんこんにちは」
シド学園長の話が始まる。いつもと変わらぬ、穏やかで丁寧な語り口だ。
近隣諸国にまでその名を轟かせる傭兵のプロ、Seed。
その育ての親とも言うべき人が、このシド学園長なのだが、
知らぬ人がこの光景を見たとしても、彼が学園長だとは決して思うまい。
「皆さんが待ちに待ったSeed認定試験が、今日、いよいよ開催されます。
とはいえ、皆さんがこれから向かうのは、本物の戦場。当然ながら、
行われるのは、本物の戦闘です。どうです?怖気づいた人はいませんか?」
微笑をたたえた目で受験者一同を眺め渡す。
戦場・・・生と死、勝利と敗北、栄光と屈辱、全てが隣り合わせの世界。
そんな事はもちろん全員覚悟の上だ。今さら怖気づく者など一人もいなかった。
「けっこう!」
満足そうに頷くシド学園長。
そして茶目っ気たっぷりの表情でこう付け加えた。
「今回の作戦には、君たちの他に正規Seedが9名参加します。
万が一君たちが全滅したとしても、彼らSeedが立派に任務を果たしてくれる事でしょう。
その点だけは、心配しなくてもいいですよ」
数名の生徒がお愛想程度にくすりと笑った。
「頑張ってください。健闘を祈ってますよ。私からは以上です」
敬礼に見送られ、去っていく学園長。ヤマザキ先生が後を継いで言った。
「現地へは班単位での移動となる。諸君に与えられる任務・作戦については
移動中に担当教官から話がある。では、移動にかかれ」