第二話 Other World 2 > 3

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スタジアムには、既に多くのファンが殺到していた。選手入場口も例外ではない。 ファンはティーダの姿を見るやいなや、一斉に集まってきた。 「通して通して!はいはい、ごめんね~」 ファンを掻き分け入場口を目指すが、中々たどり着けない。 「遅れちゃうっつーの……おい、引っ張んなって!」 普段は温厚なティーダも、流石にいらついている。しかし、ようやくガードマンがファンの洪水をせき止めてくれた。 ティーダはファンに手を振ると、早速控え室へと走った。試合まであと少し。ウォームアップは、十分だ。 その男は、小高いビルの屋上からスタジアムを見下ろしていた。エンジ色の、着流しのような服装をした白髪混じりの男だ。 彼はスタジアムから遠い海へと視線を向けた。旧い友人を見つめるような目で。 そして、海は少しずつ隆起をはじめ、巨大な球状に変化する。その中に、異形の怪物を宿して。 男はそれを確認すると、腰に提げた酒瓶を傾け、一息に飲み干した。 そして、ザナルカンドに悪夢の夜が訪れる。

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