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「隊長!」
「セシル隊長!」
ローザと別れ、部屋に戻ろうとしたセシルを再び呼ぶ声は、彼の行く手、西翼の方から押し寄せてきた。
武装した兵士三人分の幅を持った階段から湧き出す、甲冑の群れ。
ついさっきまで部下だった、【赤い翼】の隊員だ。
よほど急いで駆けつけたのだろう、充分に鍛錬を積んだ彼らが、息を乱れさせている。
「…はぁはぁ……隊長……」
「本当なんですか…明日から、ミストに行かれると言うのは……」
「隊長が……団長の任を解かれたというのは!」
「ああ、その通りだ。
ずいぶんと耳が早いな」
「何呑気なこと言ってるんですかっ!?」
「そうです!
セシル隊長以外に、我ら【赤い翼】を束ねる者はいません!」
興奮しきった【赤い翼】の隊員たちは、声を潜めることをすっかり忘れているようだ。
──少なくともセシルの知る限り、バロン王は部下の進言も許さないような、狭量な人物ではない。
彼自身、今回の処遇は完全に予想外だったのだから、皆が驚くのも無理はない。
だが今となっては、どんな些細な内容であれ、王の采配に異を唱えるのは危険だと思わざるを得なかった。
このような城の一角で、不用意に話し込むのは賢明ではない。
「ここでは落ち着かないな。場所を変えよう。
他の者は?」
詰め所です、との答えにうなずきを返し、セシルは彼らを誘った。
カインも許してくれるだろう。
まがりなりにも長の位置にあった彼が、突然に、隊を離れてしまうのだ。
きちんと事情を説明し──しばしの別れを告げる機会は、おそらく今しかないのだから。
「隊長!」
「セシル隊長!」
ローザと別れ、部屋に戻ろうとしたセシルを再び呼ぶ声は、彼の行く手、西翼の方から押し寄せてきた。
武装した兵士三人分の幅を持った階段から湧き出す、甲冑の群れ。
ついさっきまで部下だった、【赤い翼】の隊員だ。
よほど急いで駆けつけたのだろう、充分に鍛錬を積んだ彼らが、息を乱れさせている。
「…はぁはぁ……隊長……」
「本当なんですか…明日から、ミストに行かれると言うのは……」
「隊長が……団長の任を解かれたというのは!」
「ああ、その通りだ。
ずいぶんと耳が早いな」
「何呑気なこと言ってるんですかっ!?」
「そうです!
セシル隊長以外に、我ら【赤い翼】を束ねる者はいません!」
興奮しきった【赤い翼】の隊員たちは、声を潜めることをすっかり忘れているようだ。
──少なくともセシルの知る限り、バロン王は部下の進言も許さないような、狭量な人物ではない。
彼自身、今回の処遇は完全に予想外だったのだから、皆が驚くのも無理はない。
だが今となっては、どんな些細な内容であれ、王の采配に異を唱えるのは危険だと思わざるを得なかった。
このような城の一角で、不用意に話し込むのは賢明ではない。
「ここでは落ち着かないな。場所を変えよう。
他の者は?」
詰め所です、との答えにうなずきを返し、セシルは彼らを誘った。
カインも許してくれるだろう。
まがりなりにも長の位置にあった彼が、突然に、隊を離れてしまうのだ。
きちんと事情を説明し──しばしの別れを告げる機会は、おそらく今しかないのだから。
-[[FINAL FANTASY IV プロローグ8]]