FINAL FANTASY IV プロローグ7

「FINAL FANTASY IV プロローグ7」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

FINAL FANTASY IV プロローグ7」(2007/12/18 (火) 05:42:04) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

「隊長!」 「セシル隊長!」 ローザと別れ、部屋に戻ろうとしたセシルを再び呼ぶ声は、彼の行く手、西翼の方から押し寄せてきた。 武装した兵士三人分の幅を持った階段から湧き出す、甲冑の群れ。 ついさっきまで部下だった、【赤い翼】の隊員だ。 よほど急いで駆けつけたのだろう、充分に鍛錬を積んだ彼らが、息を乱れさせている。 「…はぁはぁ……隊長……」 「本当なんですか…明日から、ミストに行かれると言うのは……」 「隊長が……団長の任を解かれたというのは!」 「ああ、その通りだ。  ずいぶんと耳が早いな」 「何呑気なこと言ってるんですかっ!?」 「そうです!  セシル隊長以外に、我ら【赤い翼】を束ねる者はいません!」 興奮しきった【赤い翼】の隊員たちは、声を潜めることをすっかり忘れているようだ。 ──少なくともセシルの知る限り、バロン王は部下の進言も許さないような、狭量な人物ではない。 彼自身、今回の処遇は完全に予想外だったのだから、皆が驚くのも無理はない。 だが今となっては、どんな些細な内容であれ、王の采配に異を唱えるのは危険だと思わざるを得なかった。 このような城の一角で、不用意に話し込むのは賢明ではない。 「ここでは落ち着かないな。場所を変えよう。  他の者は?」 詰め所です、との答えにうなずきを返し、セシルは彼らを誘った。 カインも許してくれるだろう。 まがりなりにも長の位置にあった彼が、突然に、隊を離れてしまうのだ。 きちんと事情を説明し──しばしの別れを告げる機会は、おそらく今しかないのだから。
「隊長!」 「セシル隊長!」 ローザと別れ、部屋に戻ろうとしたセシルを再び呼ぶ声は、彼の行く手、西翼の方から押し寄せてきた。 武装した兵士三人分の幅を持った階段から湧き出す、甲冑の群れ。 ついさっきまで部下だった、【赤い翼】の隊員だ。 よほど急いで駆けつけたのだろう、充分に鍛錬を積んだ彼らが、息を乱れさせている。 「…はぁはぁ……隊長……」 「本当なんですか…明日から、ミストに行かれると言うのは……」 「隊長が……団長の任を解かれたというのは!」 「ああ、その通りだ。  ずいぶんと耳が早いな」 「何呑気なこと言ってるんですかっ!?」 「そうです!  セシル隊長以外に、我ら【赤い翼】を束ねる者はいません!」 興奮しきった【赤い翼】の隊員たちは、声を潜めることをすっかり忘れているようだ。 ──少なくともセシルの知る限り、バロン王は部下の進言も許さないような、狭量な人物ではない。 彼自身、今回の処遇は完全に予想外だったのだから、皆が驚くのも無理はない。 だが今となっては、どんな些細な内容であれ、王の采配に異を唱えるのは危険だと思わざるを得なかった。 このような城の一角で、不用意に話し込むのは賢明ではない。 「ここでは落ち着かないな。場所を変えよう。  他の者は?」 詰め所です、との答えにうなずきを返し、セシルは彼らを誘った。 カインも許してくれるだろう。 まがりなりにも長の位置にあった彼が、突然に、隊を離れてしまうのだ。 きちんと事情を説明し──しばしの別れを告げる機会は、おそらく今しかないのだから。 -[[FINAL FANTASY IV プロローグ8]]

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。